京のいけず日記 もくじ|前の日|次の日
●鼻をほじくった指の先の匂いを嗅いでる、おじさん。 ●鼻毛処理をしてる、きれいなお姉さん。 ![]() 朝の込み合う電車の中で、見ることなしに見てしまった。 若い女の子が、カパ~っと大口開けて、無防備に爆睡してる。 よくある光景。確かに。 これが我が同類のくたびれたおじさまや、おばさまなら、 「疲れてはるんやね」と味噌汁のCM口調で苦笑いしてるのだろうけど。 彼女のような若い女の子場合、何だか見てしまって、 「ども。すいません」と、申し訳ないような、気恥ずかしい気分になる。 黒のスーツにパンプス、スレンダーな体、きちんと化粧をしたフェイス。 ガードを固め、毎日、精一杯、気を張ってるんだろうな。 戦士の休息…って、そんなCMがあったけ。 もう見いひんよ。ごめんな。 ドアの手すりにもたれて、バッグから取り出した文庫本に目を落とす。 ひとつの駅が通り過ぎて、またひとつ、またひとつ…。 活字から目線をあげると その女の子はもう眠りから目覚めて、ツンとすましていた。 いってらっしゃい。きれいなお姉さん。 ところで。 首カックンならまだ可愛いのだけど…。 不覚にも、あいたお口から、ヨダレがジュル…なんてした日には。 ハッ…。 気が付いた時の恥ずかしさ。 慌ててまわりを見ると、みんなが見ないように努力してくれている。 それがまた恥ずかしい。 あ。自分です。
Sako
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