京のいけず日記

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2004年05月07日(金) 歳三さんを嫌いになる!? (新選組!17回目の妄感)

☆日記読みヒトコト感想☆


もしかして、私も水虫…?わーん。恥。仕事に出ない日はぞうり式のサンダルはいてます。素足に鼻緒が気持ちいいです。そのうち草鞋をはいたりして。ブンブン。…お大事に。
天然理心流で使われていた木刀、ぶっといですね。あんなの振り回していたんだ。

小休止
--- ● 新選組!第17回目の妄想的感想 「はじまりの死」● ---

母の入院で慌てていたので放送は見たものの、とても感想を書く気になれなかった。ようやく容態も落ち着き、ビデオを見ようと思うのだけど、何故か見る気になれず、今日になってしまった。

疲れているから…? そうじゃない。たぶん見たくなかったのだ。

大河始まって以来、初めて、歳三さんを見るのが辛くなった。
感情移入しての辛いじゃない、三谷歳三に対する違和感だ。

意味深なタイトル。殿内の死や、お幸の登場など、流れ自体は次から次と飽きさせず良かったと思う。

違和感の正体は何だろう…?うーん。

近藤勇、対、芹沢鴨の関係は、佐藤鴨が今までになく丁寧に描かれているせいもあって、両者の違いなど上手く描かれていると思う。

特に殿内を斬った芹沢に対して、近藤さんが静かに詰めよるシーン。

芹沢という人物に見切りをつけるように立ち去ろうとした近藤に、
「お前が騙されると思ったんだよ、近藤ッ!」
と、芹沢が思わずうろたえて言う。

近藤勇に対する、どこか負い目や、愛着や、入り混じった複雑な感情。
さすがに佐藤さん、表情や、ものの言い方がうまいなぁ、と思った。

香取勇さんも表情は中々のもん。

「俺たちの為に…」と、近藤に詰めよる歳三とふたりっきりのシーン。
自分の思いとは違う方向に、それを受け入れざるえない状況に、憤りと、悲しさと、あきらめと…香取勇はよく表現してたと思う。

またラストシーンで、
「これで本当によかったのか」と歳三を見る時の表情。
芹沢と対峙する時の視線も良かったです。
(相変わらず、セリフは…ちょっと…気になりますが)

その近藤と違い、芹沢にも、粕谷にも、相手にされていない土方歳三。

思いっきり猫背で、食べる姿勢も、キョロキョロと目付きも悪いし、看板にしろ、薀蓄シーンにしろ(それも自分では太刀打ちできないので山南にふる)張り合うその姿は、まるでダダッコ、どこぞのアンチャン丸出しだい。

それが違和感? いえいえ。それこそ、さもありなん。です(笑)
全然こたえません。中場利一ばりのバラガキでもいいんです。

じゃ、どこだ…?
「俺は決めた。憎まれ役はすべて…」のセリフ?

確かに、このセリフじたい逆効果だし、かなり白けた。セリフとして、どうしても言わすなら、それこそ冗談半分でさらりと言わせてほしかった。

でも、原因はそれじゃない。もともとのスタンス…とでもいうのかな…。

武士になりたかった歳三。
日常から抜け出して自分を試してみたかった歳三。

歳三は、自分の夢のために近藤という頭が必要だったんだろうか?

それとも…

近藤という男の中に夢をみ、賭けてみたいと思ったんだろうか?

あほか。どっちも同じとちゃうの? 
いえいえ。私の中ではビミョーに、いや全然違う。

言葉に訳すのは難しいや。


ドラマそのものの歳三さんだったとしたら…、あまりに悲しい。

はねっかえりの女房が、亭主のために、自分達のために良かれと思い、
愛しい人を振り回していると同じようなこと。
愛(友)情の押し売り、友と慕う本人の望まぬことを先走っている。

自身の正義と戦いながら、
意に添わぬも、組織の長として受け入れざるを得ない近藤。
綿々とした苦悩。三谷さんの狙い通り? 従来にはない近藤勇だ。

かたや、ここで描かれる土方といえば、ひどい言い方をすると。

組織の長という責任を近藤に押し付け、
それを傘に自身は気楽な位置に立ち、手に入れたおもちゃ(新選組)で
積み木のお城作りに熱中する。そんな土方像が浮かんでしまう。
(言いすぎだー。ご、ごめんなさい)

又、ところどころで、先ほどの「俺は決めた…」のセリフみたいに、
親切にも分かりやすく、過分に描かれているから、ごまかし様もきかない。

違和感の正体は、そのビミョー的な表現の違いと、
歳三に夢を抱かせた、根底にあるべき近藤という男の魅力
(…苦悩はいいんだけど)将としての魅力が、
ドラマの中であまり感じられないことだ。

だから、土方一人がはねかえってる。
節々で、お前の夢は俺の夢、俺の夢はお前の夢…だったらまだいいが、
お前の夢も、俺の夢も、それこそ俺のものになっている印象だ。
三谷歳三に対する違和感は…そのあたりかもしれない。

結果的には同じでも、歳三さんは、自分の役割や、領分を、
近藤よりもっと引いたところで、分かっていたのではないかと思う。

うーん、これも立派な妄想ですね。
…なんか、えっーと、適切な言葉が浮かびません。
ワケわかんなくなってきました。はい。

二人はずっと違う夢を見ていたのかな。
結局のところ、皆、最期は独り…。そう思うと切ないなぁ。


Sako