京のいけず日記
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亡き近藤の肩に寄りかかる歳三さん
江戸敗走後、どう言葉を飾っても、結果は、敗退につぐ敗退の日々。最期の地、箱舘で、
「たとい身は 蝦夷の島根に朽ちるとも 魂は東の君やまもらむ」と 立派な辞世の句を詠んだ土方歳三よりも、 「わが齢 凍る辺土に 年送る」と 詠んだ歳三さんがもっと好きです。
独りで寂しかったろうな。お休みなさい。
昨日、創作好きとしては嬉しい本を見つけた。 最近、出版ラッシュ。来年まで続くのね。何だか嬉し恥ずかしい。
新選組烈士伝。角川文庫。@743。 津本陽はじめ複数作家の掌編コレクション。
中におさめられている作品は新作ではないが、未読の作品も多い。
その中に池波正太郎の「色」を見つけた。土方歳三が主人公の作品。 以前に読んだことはある。
池波さんらしいセンチリズムのない男っぽい作風、飾りのない土方だけに、刹那、「お房、お房」と女の襟へ顔を埋め、崩れるシーンが余計に切ない。
同じ作品でも感じ方が変わってくるんだなぁ。 前に読んだ時はこうは感じなかった。 こちらの年齢の変化もある。 面白いけれど、少し淋しい。かも。
強烈に、男、土方歳三を感じた頃のように、二度と、 「燃えよ剣」を同じように読めることはもうないのかもしれない。 今でも一番好きな作品だけど…。
漫画もそうなんだろうか…。 昔、夢中になってむさぼり読んだ漫画が山とある。 竹宮とか萩尾、大島、あの年代の頃の本を読んでも 同じように、もうその世界へは戻れないんだろうか…? 私も実家の押入れを整理してみよう、と。
Sako
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