井口健二のOn the Production
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2024年02月25日(日) 帰ってきたあぶない刑事

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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『帰ってきたあぶない刑事』
1986年にテレビシリーズが放送開始。さらに第2シリーズと
テレビスペシャル、7作の映画版も製作された人気ドラマの
最新作が登場する。
正直に言ってテレビシリーズは観ていなかったし、実は映画
版の前作(2016年公開)は試写で観させて貰ったが、ここでの
紹介は割愛した。それはシリーズを観ていなかったことでの
後ろめたさもあったためだ。
そんな訳で今回はその前作を踏まえて紹介させてもらう。と
言うのも前作では最後に主人公らが警察を退職し、心機一転
ニュージーランドで探偵業を始めたはずなのだ。それがなぜ
この題名なのかというところも気になったものだ。
それはさておき、物語は主人公の2人が横浜港の岸壁で海を
観ているところから始まる。その背後にやってきた乗用車で
トラブルが発生し、そこに現れた女性と主人公の1人に因縁
がありそうだったが…。
その翌日、野球場の見えるビルで探偵事務所を開業した2人
の許にハーレイ・ダヴィッドソンに乗った若い女性が現れ、
生き別れの母親を探してくれと依頼する。その女性の母親の
名前を聞いた2人は即答でその依頼を受諾。
しかしその陰には、新興ヤクザと中華街の顔役が絡むIRを
巡る利権争いの危険な罠が潜んでいた。そしてその争いには
警察も立ち入らない状況があった。その間隙に主人公らが挑
んで行く。

出演は舘ひろし、柴田恭兵、仲村トオルと浅野温子。そこに
土屋太鳳、西野七瀬。さらにベンガル、長谷部香苗、鈴木康
介、小越勇輝、杉本哲太。そして岸谷五朗、吉瀬美智子、乙
女太一、深水元基らが脇を固めている。
監督はテレ東ドラマ『日本ボロ宿紀行』や『絶メシロード』
などの原廣利。本格的な長編映画は初めてのようだが、実は
父親が本作のテレビシリーズを手掛けており、その血筋を引
くようだ。
そして脚本を、テレビの第1シリーズから参加しているベテ
ランの大川俊道と岡芳郎が担当している。
タイトルにある「帰ってきた」に関しては巻頭岩壁のシーン
で台詞での説明があるのだが、ここは出来たら現地ロケでの
アクションが欲しかったかな。前作ではそれがあっただけに
少し残念には感じてしまった。
そして肝心の「刑事」という表記に関しては、かなり無理矢
理という感じではあるが何とか伏線回収できていたのには、
ちょっとニヤリとする感覚ではあった。まあ次回再度は使え
ないと思うが、そこは何とか考えるかな。
ただアクションに関しては、定番のシーンは何とかなってい
るものの、単純に疾走するシーンなどで年齢を感じさせる表
現が強調されているのはどうなのかな。もっとかっこよく見
せても良いのではないかという気はした。
それに銃撃シーンなども折角C4まで言及したのなら、それ
に合わせた展開でもっと派手な演出もあってよかったのでは
ないか。主人公2人と同年配の観客としては、そんな無理の
ない頑張りにも期待したいものだ。

公開は5月24日より全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社東映株式会社の招待で試写を観
て投稿するものです。


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井口健二