2024年03月03日(日) |
バカ共相手のボランティアさ、ドライブアウェイ・ドールズ、毒娘 |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『バカ共相手のボランティアさ』 1980年代に福岡を中心とした音楽シーンを牽引し、全国から 海外にまでも影響を与えたとされるバンド=The Swanky'sの 軌跡を描いたドキュメンタリー。 バンドの結成は1981年、ヴォーカルWATCH、ギターLOODS、ド ラムスBEERの3人で活動を開始。そこに1985年にベースTVが 参加するも1987年に脱退。その後の1989年にベース RADIOが 加わった。 そんなバンドの変遷が各方面への現在のインタヴューと往時 に恐らく家庭用ヴィデオカメラで撮影されたライヴの映像と 共に綴られて行く。それはまあ有り勝ちな音楽ドキュメンタ リーと言える作品だ。 ただその現在のインタヴューというのが、「バイきんぐ」小 峠英二、「野生爆弾」くっきー!の芸人から、ファッション 業界、「氣志團」綾小路翔、さらに海外の音楽関係者まで、 とんでもない広がりを持つのが驚きだ。 そしてそこに往時のバンドのメムバーへのかなり突っ込んだ インタヴューが挿入されるが…。それがまあアルコールも入 りながらの発言にはいろいろ確執もあったようで、往時から のファンには聞きものにもなっていたようだ。 それにしても解散ライヴが1989年1月8日の新宿LOFTという のはかなりドラマティックな終焉のバンドを描いた作品だ。 ただし本作では、その後の現在に至るまでのバンドの活動も 語られる。 監督は瀬下黄太。実はプレス資料に紹介がなくて、この名前 で検索を掛けたら、福岡でカフェを開くオーナーとのこと。 バンド活動もしており、カフェには音楽関係者も多く集うよ うで、The Swanky'sの元からのファンのようだ。 そんなファンの思いの丈がたっぷりと注ぎ込まれた作品とも 言えそうだ。以前から書いているように僕は音楽には全く疎 いが、そんな僕が観ていても何となく心が温まる。そんな感 じの作品にもなっていた。 なお題名はかなり過激な雰囲気だが、実はこれは彼らの楽曲 の歌詞の一部で、本作の内容が過激というものではない。 公開は3月15日より福岡県の kino cinema天神にて先行上映 の後、3月22日から東京地区はUPLINK吉祥寺他にて全国順次 ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社アイエス・フィールドの招待で 試写を観て投稿するものです。
『ドライブアウェイ・ドールズ』“Drive-Away Dolls” 従来は“コーエン兄弟”として2008年3月紹介『ノー・カン トリー』でのオスカー受賞など実績を持つイーサン・コーエ ンが、劇映画では初めての単独監督を務めた作品。 登場するのは共にレズビアンの女性2人。2人は別々に暮ら していたが、それぞれの事情でフロリダに向うことになる。 そこで交通費を掛けたくない2人は、自動車屋でフロリダま での中古車の運搬(Drive-Away)を請け負うことにする。 ところがその中古車には、秘かにあるヤバい品物が積まれて いた。こうして何も知らずに出発した2人の後を品物の本来 の持ち主である組織の連中が追い始める。その連中は暴力的 で、かなりヤバい奴らだった。 一方、2人は行く先々でレズビアン・バーを訪ねたり、勝手 気ままな旅を進めるが…。 脚本はコーエンと、彼の妻でコーエン兄弟の作品の編集など も担当してきたトリシア・クックとの共同。夫妻は数年前に まずクックがタイトルを思いつき、そこから脚本を執筆。し かしこれをコーエン兄弟の作品にするつもりはなかった。 ところがCOVID-19禍で脚本を練り直す内に自分たちでの映画 化を決意。こうしてイーサン・コーエンの単独監督作が実現 したということだ。なお夫妻は先にドキュメンタリー映画の 共同製作を手掛けている。 出演は、2019年『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリ ウッド』などのマーガレット・クアリーと、オーストラリア 出身でテレビシリーズなどで活躍のジェラルディン・ヴィス ワナサン。 さらに2018年4月22日付題名紹介『レディ・バード』などの ビーニー・フェルドスタインと、2019年1月13日付題名紹介 『ビール・ストリートの恋人たち』などのコールマン・ドミ ンゴ。そしてマット・デイモンらが脇を固めている。 タイトルはDの頭韻を踏んでいるが、クックが思い付いた最 初のタイトルはレズビアンを示す別のDだったそうだ。しか しそれでは映画館の前に出すのを嫌がる館主もいると考え、 現在のものに変えたとのこと。 そんな始りの作品はとにかく下品でハチャメチャ。しかもそ こに社会的な意義は込めたくなかったということで、何とも 強烈な作品に仕上がっている。まあ眉を顰める人も多くいる とは思うが、それも狙いと考えられる作品だ。 因に同性愛者がニューヨークからフロリダに向かうというの は、『ミッドナイト・カーボーイ』へのオマージュかな? 公開は6月7日より、全国ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社パルコ・ユニバーサル映画の招 待で試写を観て投稿するものです。 #ドライブアウェイ・ドールズ
『毒娘』 2012年3月紹介『先生を流産させる会』で鮮烈なデビューを 放った2020年3月29日付題名紹介『許された子どもたち』な どの内藤瑛亮監督が、2017年9月17日付題名紹介『ユリゴコ ロ』などの佐津川愛美を主演に迎えて、どちらかというと商 業ベースで撮った作品。 プロローグに登場するのは空き家に忍び込んだカップル。そ んなカップルが家の2階で逢瀬を楽しもうとした瞬間、彼ら に謎の人影が襲い掛かる。 そして物語は、多分事故物件として格安だったのであろうそ の家に夫婦と娘の一家が引っ越して来たところから始まる。 その娘は夫の連れ子で、継母のことを「ママさん」と呼んで いる。それでも継母は健気に父子と暮らしていたが…。 その妻(継母=主人公)は衣装デザイナーで、それを聞き知っ た近所の主婦が娘のダンスの衣装を頼みに来る。その依頼を 受けた妻は継子の娘と共同でデザインを仕上げ、2人で衣裳 を完成。それは2人の絆を深めることにもなった。 ところがその衣裳を届けた時、依頼主の主婦はその家に潜む 危険な噂を主人公に告げる。それは以前にその家に住んでい た一家の娘が傷害事件を起こし、街に居られなくなった一家 は転居したが、娘が舞い戻っているらしいというもの。 そしてその娘の行為が一家を巻き込み始める。 共演は共に2006年生まれで9歳から芸能活動を始めたという 植原星空と4歳で女優活動を始めたという伊礼姫奈。それに 2004年『仮面ライダー剣』で俳優デビューの竹財輝之助。 さらに馬渕英里何、凛美、内田滋、クノ真季子らが脇を固め ている。 脚本は内藤監督と監督の作品を常に支えている松久育記。 またタイトルキャラクターのヴィジュアルデザインを2019年 に映画化された『惡の華』などの原作者の押見修造が手掛け ているのも話題になりそうだ。なお押見は本作の前日譚をオ リジナルストーリーで漫画連載も開始している。 原案は http://kosodatech.blog133.fc2.com/blog-entry-1344.html に掲載されたブログだそうで、まあfc2.com というのはいろ いろ刺激的なものだが、これはかなり強烈な物語だ。 それを本作ではさらに強烈なヴィジュアルデザインで盛り上 げているものだが、そのストーリー展開には女性の社会進出 など内藤監督らしい社会的な要素も盛り込まれて中々見ごた えのある作品になっている。 公開は4月5日より、東京地区は新宿バルト9他にて全国順 次ロードショウとなる。 なおこの紹介文は、配給会社クロックワークスの招待で試写 を観て投稿するものです。
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