※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『不思議の国の数学者』“이상한 나라의 수학자” 2005年8月紹介『親切なクムジャさん』などのチェ・ミンシ クがタイトルロールを演じる2022年本国公開の学園ドラマ。 物語の舞台は一流大学への進学率も高く良家の子女が集まる 名門校。主人公はそんな学園の1年生だが、すでに少し落ち こぼれ気味だ。というのもその学園では、1年生の時に既に 3年次の学科が終了という進捗度で教育が行われており、級 友のほとんどは塾で補習を受けているのだ。 しかし主人公の家は母子家庭で塾に行く金銭的余裕がない。 それでもその学校に入学できたのは学校側が設けた特別枠の おかげだが、対外アピールが目的の制度らしく入学後のフォ ローはないようだ。そんな訳で全寮制の学園では同室の生徒 のパシリが日課の主人公だった。 ところが門限後のパシリで寮に戻った主人公は「人民軍」と 綽名される脱北者の警備員に見つかり、共犯者の名前を言わ なかったために期限付きの退寮を命じられてしまう。そのた め帰宅した主人公だったが、期待の言葉を繰り返す母親に事 実を告げられなかった。 こうして激しい雨の中で寮に戻ろうとした主人公は再び警備 員に見咎められ、事情を察した警備員の宿直室で1夜を過ご すが…。実はその警備員は「北」では高名な数学者で、気に なった警備員は主人公に数学を教え始める。それは学園が行 う特別な期末試験にも繋がっていた。 共演は、2014年『尚衣院−サンイウォン−』がデビュー作と いうキム・ドンフィと、2012年以降数多くのテレビシリーズ に出演のチョ・ユンソ。他にパク・ビョンウン、パク・ヘジ ュンらが脇を固めている。 1999年『シュリ』で北の工作員を演じたチェ・ミンシクは本 作でも北の訛りを巧みに操っているそうだが、日本人の僕ら にはその辺は判らない。ただ劇中での家族とのシーンの台詞 が「朝鮮中央テレビ」っぽいのはそういうことなのかな? いずれにしてもその辺の役作りはしっかりしているようだ。 物語の背景には韓国の超学歴社会があるものだが、映画はそ れを批判的に捉えているようにも感じる。ただしその描き方 がちょっと安直かな。特に期末試験の問題が簡単に盗み出せ るのは学校側のセキュリティが甘過ぎだろう。出来れば真犯 人の描き方にもう少し捻りが欲しい感じがした。 しかもそこにさらに脱北者の問題が絡むのは、韓国映画では 仕方ないのだろうが、少しいろいろ盛りすぎな感じもする。 その分、ドラマの深みが消えている気もするところだ。でも まあ言いたいところは明確に把握は出来るから、これはこれ でいいと言えるのだろう。 隣の国の若者事情が、日本とは比べ物にならないくらい深刻 であることは理解できた。 公開は4月28日より、東京はシネマート新宿、池袋シネマ・ ロサ他にて全国順次ロードショウとなる。
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