2009年08月16日(日) |
リミッツ・オブ・コントロール、あいつはカッコよかった、ヤッターマン、ボヴァリー夫人+製作ニュース |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※ ※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『リミッツ・オブ・コントロール』 “The Limits of Control” 1986年『ダウン・バイ・ロー』などでインディーズ系の映画 ファンには絶大な支持を受けるジム・ジャームッシュ監督に よる2008年の最新作。前作の2005年“Brokenn Flowers”が カンヌ国際映画祭で受賞し、乗りに乗っての新作となる。 インディーズ映画というのは、一般に監督が自分の言いたい ことだけ言ってしまうので、観客には何というか意味不明の ものが多いが、本作も結局のところは何を描きたいのかはよ く理解できない。 でもまあ、本作の物語自体はシンプルなのでそれだけ楽しめ ればいいのかも…ただ本作の物語の裏では巨大な陰謀もあり そうで、その辺も面白くはあるのだが、それが明確に描き出 されないのは、多分監督にはその方向への興味が余り無いか らなのだろう。 つまり、その裏にありそうな部分を全部削除してしまう辺り がジャームッシュの面白さである訳だし、それはそれでファ ンには支持されるところでもありそうだ。それに、今回は多 彩なゲスト出演者もそれぞれのファンには興味の魅かれるも のになっている。 物語は、1人の男性がスペインに現れるところから始まる。 男は最終的な仕事は了解しているようだが、そこに至る道筋 がいろいろな人物との小さなマッチ箱に入ったメモによる指 示の受け渡しによって徐々に進められてゆく。 その男性を、ジャームッシュ作品には4作目のイザック・ド ・パンコレが演じ、彼に指示を受け渡す人物として“Broken Flowers”に出演のティルダ・スウィントン、『ミステリー ・トレイン』の工藤夕貴、『デッドマン』のジョン・ハート らが登場。さらにガエル・ガルシア・ベルナル、ヒアム・ア ッバス、ビル・マーレイらが出演している。 一方、物語のキーワードには、ヴァイオリンやギターなどの 楽器が使われたり、美術館に展示されている現代アートや、 フラメンコが登場したりもする。そして舞台はマドリッドか らアンダルシア地方へと拡がって行く。 まあ、細かいことを言い出したらきりが無くなると思うが、 そんなことは余り考えずに気楽に観れば良い。それだけでも 充分に面白い作品だ。
『あいつはカッコよかった』“그놈은 멋있었다” 韓流ドラマ『秋の童話』などのソン・スンホンが、2004年の 入隊前に出演した最後の作品。本国では同年に公開されてい るが、当時は日本公開が見送られ、今回はソンの除隊と映画 復帰に合せての公開となるものだ。 主人公は極々平凡な高校生の女子。ある日、自分の通う学校 を中傷するインターネットの書き込みを見つけ、即座にその 反論を書いて送信してしまう。ところが、その最初の書き込 みの主は、問題校の生徒でしかも番長という男子… そして「打っ殺してやるから校門で待ってろ」という返信に 戦々恐々の彼女だったが、現れたのはイケメンの男子。しか もひょんなことから2人は交際を始めてしまう。その男子は 喧嘩も滅法強く、彼女にはとことん優しかった。 原作は韓国では1000万クリックを達成したというインターネ ット小説。因に原作者のクィヨニは、2004年カン・ドヌォン 主演『オオカミの誘惑』の原作者でもあるが、本作はその処 女作とのことだ。 日本でもケータイ小説から映画化が何本か作られているが、 通常の出版では陽の目を観ることはなかったような代物が、 何でも発表できるメディアのお陰で世に出てしまった…。そ んな作品が目に付くところだ。 本作も御多分に洩れずという感じで、はっきり言って女子の 願望が満載された男性から観れば辟易するような物語が展開 される。 それに、この種の作品が持て囃されるのには、過去の文学作 品にはなかった新鮮なアイデアを評価する向きもあるが、そ れは新鮮というより単に非常識なだけということもこの作品 を観ていると良く判る。正に常識では有り得ない展開の連続 なのだ。 でもまあ、それが一種のメルヘン/ファンタシーという感じ で評価されてしまうのは、それも時代の流れということなの だろうし、特に若い女性がそれが受け入れてしまうなら、そ れも現実として認識しなければいけないところなのだろう。 共演は、2007年の自殺が社会問題化したチョン・ダヒン。他 に、イ・ギウ、キム・ジヘらが脇を固めている。
『ヤッターマン』 今年2月に実写版を紹介したばかりのタツノコプロ製作によ る元祖アニメシリーズの劇場版。と言っても、現在アニメシ リーズの新版が日曜朝に放送中だそうで、本作はその劇場版 ということになるようだ。 内容は、いつものいろいろなギャグが満載のものとなるが、 物語としては1本筋の通ったものがあって、そこには、ガン ちゃんとお父さんによるヤッターワン誕生の秘話や、究極の ヤッターメカ=ヤッター・キング出現の理由なども描かれて いる。 その物語は、ガンちゃんのお父さんが某国からの招待を受け て「おもちゃランド」の建設に向かうところから始まる。お 陰でガンちゃんとアイちゃんは、夏休みも返上で店番とヤッ ターメカの修理に忙殺されることになる。 ところが、そんな2人にも「おもちゃランド」完成祝賀会へ の招待状が届く。そこはブリキン国王に治められた王国で、 高さ1000mの柱の上に立てられた居城を中心に多彩なおもち ゃの国が形成されていた。 一方、その王国にドクロリングがあるらしいとの指示を受け たドロンボー一味もその国にやってくるが…その国には別の 陰謀が渦巻いていた。そして巻き起こる地球壊滅危機一髪の 事態に、歴代ヤッターメカ総出動の作戦が展開される。 実は、その陰謀の主が発動する地球壊滅のメカニズムは、そ んな程度じゃ地球は壊れないよ…という代物なのだが、これ には映画冒頭で別のエピソードが描かれていて、それからの 類推ではちょっとニヤリとするところもあった。 もちろんそれだって科学的には無理なものだが、アニメ的な 虚構の科学としてはありかな…というくらいには考えられて いた。そんな訳でこの脚本は案外真面目に物語を作っている のかなという感じで、ちょっと見直してしまった。 因に脚本を担当した高橋ナツコと渡邊大輔は、『なるほど! ザ・ワールド』なども手掛けていたベテラン構成作家のよう で、その辺の見識が役に立っていそうだ。 声優は、テレビアニメのベテランたちが中心だが、劇場版に 有り勝ちなゲスト声優では、お笑いコンビ=オードリーの春 日と若林が、ちょっと捻った役どころにも挑戦している。そ れからドロンジョ様は当然小原乃梨子だが、その声を聞いて いると実写版の深田恭子が結構頑張って真似ていたことも判 って面白かった。
『ボヴァリー夫人』“Спаси и сохрани” 2002年11月に紹介した『エルミタージュの幻想』や昨年10月 紹介の『チェチェンへ』などのアレクサンドル・ソクーロフ 監督が1989年に発表し、同年のモントリオール世界映画祭で 受賞を果たした作品。 19世紀フランスの作家グスタフ・フローベールの原作に基づ き、主人公エマ・ボヴァリーの奔放な生活振りを濃厚なエロ ティック描写と共に描く。 ただし本作は、原作の全体を映画化したものではなく、その ためロシア語の原題も原作と異なっているし、一般的な英語 タイトルでは“Save and Protect”となっている場合が多い ようだ。つまり“Madame Bovary”で検索しても本作は中々 見つからなかった。 その映画は、いきなり主人公が高価なショールや扇を品定め しているところから始まる。そしてそれらの商品は購入され るのだが、勧めた商人は値段をはっきりさせず、全部ツケに して置くと言う。こんな状況が主人公の末路を最初から暗示 しているようだ。 そんな主人公は町医者の妻に納まっている。その夫は訪れた 患者に新しい治療法を試みるなど、それなりの人物ではある ようなのだが、主人公はそんな夫に飽きたらず、出入りの商 人やその他の若い男性とも情事を重ねている。 そんな主人公の生活振りが、ハエだらけの食卓や窓の外に観 える廃虚のような風景など、ちょっと異様な映像の中で繰り 広げられて行く。そしてそれは冒頭のシーンが暗示していた ような末路へと向かって行く。 正直なところ映画は、冒頭の唐突なシーンを含めて、ほとん どのシーンが状況の説明なしに展開される。これは原作を読 んでいないと判り難いかとも思われるが、実際に僕は原作を 読んでいなくても話は判ったのだから、それなりの描き方で はあったのだろう。 なお、映画祭などで上映されたオリジナル版は165分あった ようだが、今回の公開では監督自身が再編集した128分のも のが上映される。そのせいで状況の説明が無くなっている可 能性もあるが、それも監督の意志ということのようだ。 それにしてもこの主人公の姿は、目標を見失って浪費に走る など…現代の若者にも通じるような感じもして、その点でも 興味深かった。 * * 後は製作ニュースを紹介しよう。 その最初は、僕にとっては1978年に『スター・ウォーズ』 のブームに乗って放送された往年のテレビシリーズだが、ア メリカでは2004年に登場した新シリーズが話題になっている “Battlestar Galactica”に関して、その映画版がユニヴァ ーサルで計画され、その製作監督に『スーパーマン・リター ンズ』のブライアン・シンガーの契約が発表された。 元々シンガー監督はオリジナルシリーズの大ファンで、新 シリーズの立上げにも深く関わっていたそうだが、その頃か ら映画版の“X-Men”の製作が忙しくなり、最終的にテレビ シリーズからは手を引いたという経緯もあったようだ。しか しその当時は同シリーズを‘a sleeping giant’と呼んで、 愛着を隠さなかったとされている。 そんな作品に再度関わることになったシンガー監督だが、 実は今回の計画では、現テレビシリーズの製作と脚本を手掛 けるロナルド・モーアの去就が不明で、評価の高い現シリー ズと映画版との関係がどのようになるかも明確ではないよう だ。ただし、オリジナルを手掛けたグレン・A・ラースンの 参加は発表されている。 因に、現在のテレビシリーズはオリジナルのリメイクでは なくリイメージングしたとされているものだが、今回の発表 でユニヴァーサルからは‘a complete reimagination’との 発表もされており、さらに新たな発想での新作が作られるこ とになるようだ。とは言え、現シリーズでは出演俳優にも人 気が高まっているようで、その辺をどのように調整するかも 気になるところだ。 ただしシンガー監督には、“X-Men: First Class”という 作品で“X-Men”シリーズに復帰するとの噂もあり、この復 帰作の脚本はテレビシリーズ“The O.C.”などのジョッシュ ・シュワルツが第1稿を書き上げているという情報もある。 従って2作のどちらが先行するかは不明。いずれにしてもシ ンガー監督の動向には注目しておくことにしよう。 * * お次は、その“X-Men”シリーズというかファミリーの情 報で、今夏公開の最新作“X-Men Origins: Wolverine”に続 編の計画が発表されている。 全米では5月3日の公開第1週に8500万ドルの興行収入を 挙げ、その後の13週を経て1億8000万ドルにも近づいている ヒット作に続編の計画は当然だが、今回の情報ではその脚本 家としてブライアン・シンガー監督作品『ワルキューレ』を 手掛けたクリストファー・マカリーの契約が報告された。因 にマカリーは、2000年のシリーズ第1作でもシンガー監督と 共に脚本に関っていたそうだが、最終的にデイヴィッド・ベ ニオフの名前になった完成版ではクレジットされなかったと のことだ。 というマカリーのこちらもシリーズ復帰となりそうだが、 その物語は、クリス・クレモントとフランク・ミラーによる 日本を舞台にしたシリーズ“The Samurai”を原作とするも ので、この中ではウルヴァリンが侍になってしまうとのこと だ。そしてマカリーは、その原作に基づくストーリー概要を 映画会社に提出し、会社側がそれを認めて契約に踏み切った もののようだ。なお“Wolverine”の第1作はベニオフが脚 本を手掛けたもので、マカリーはその手から脚本を取り戻し たことにもなりそうだ。 一方、ウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンの再登場は すでに契約されているとの情報もあり、ヒット作の余韻が冷 めないうちの製作準備は急ピッチで進められそうだ。 それにしても“X-Men”というのは基本的に第2次大戦後 の話のはずなのだが、そこに侍とは…一体どうなってしまう のだろう。それからファミリー展開の当初はその発端を描く “X-Men Origins: Magneto”という計画もあったものだが、 そっちはどうなったのかな。 * * 続いてはリメイクの情報を2本ほど紹介しよう。 まずは、2003年3月15日付第35回などで紹介したコメディ ファンタシー“Harvey”のリメイクが、スティーヴン・スピ ルバーグ監督の次回作として来年早々に製作されることが発 表された。 今ならイマジナリー・フレンドと呼んでしまいそうな身長 6フィート半のウサギが登場するメアリー・チェイス原作の 戯曲は1945年のピュリッツァ賞を受賞、さらに1950年に原作 者自身の脚色で映画化された作品では、共演のジョセフィン ・ハルにオスカー助演賞受賞と、主演のジミー・スチュアー トには主演賞のノミネートをもたらしたものだ。 その作品のリメイクについては、以前に紹介した当時には MGMが権利を持って進めていたものだが、その権利が昨年 失効して新たにFox 2000が再契約を行い、その権利に基づく リメイクがフォックスとドリームワークスの共同で行われる ことになっている。 そしてその監督に、ドリームワークスの主宰者でもあるス ピルバーグが名告りを挙げたものだ。なおその切っ掛けは、 実は今回の映画化の脚色を、スピルバーグとは『マイノリテ ィ・リポート』の製作に協力したというベストセラー作家の ジョナサン・トロッパーが手掛けており、トロッパーが完成 した脚本をスピルバーグに送付、それを一読したスピルバー グが直ちに動いたのだそうだ。 因にスピルバーグの計画では、リーアム・ニースン主演に よる歴史物の“Lincoln”や、アドヴェンチャシリーズ“The 39 Clues”の映画化なども報告されているものだが、実は、 昨年来のドリームワークスの動きの中で、以前にパラマウン トとの契約で進んでいた作品は完成後の処遇が不明確になる 恐れがあり、スピルバーグとしては新規の計画を優先したい 気持ちもあるようだ。 そんな中での今回の発表となったものだが、今回の作品は フォックスとの共同製作とのことで、配給権はフォックスと 現在ドリームワークスが契約しているディズニーとの間で交 渉されることになる。一般的にこの種の交渉では、アメリカ 国内と海外の配給権を分割することになるものだが、さてど ちらがどちらを取ることになるのだろうか。 なお出演者では、オリジナルがオスカー候補になった主役 にはトム・ハンクスやウィル・スミスの名前も挙がっていた ようだが、この内のハンクスはスケジュールの都合で断念を 表明している。また、以前の報告ではジョン・トラヴォルタ が契約まで進んでいたものだが、その契約はキャンセルされ ているものの、本人の気持ちはどうなのかな。その辺も注目 されるところだ。 * * もう1本は、1982年にドン・ブルース監督でアニメーショ ン化されたロバート・C・オブライエン原作の“Mrs.Frisby and the Rats of NIMH”(映画化名:The Secret of NIMH) をリメイクする計画が発表されている。 この作品は、郊外の農場に住む未亡人ネズミが、彼女の息 子の病気を診てもらうために、秘密の研究所NIMHから逃亡し てきたとされる天才ネズミに会いに行くというもの。その間 に彼女が遭遇するいろいろな冒険や、彼女を援助する仲間の ネズミたちの活躍が描かれて行く。 その原作から以前の映画化ではブルース監督が独自のスト ーリーを展開していたもので、実は上記の物語もその映画化 のものだが、今回は新たに原作に沿った脚色がされることに なるようだ。そしてその脚色及び監督に、2008年3月に紹介 した『幻影師アイゼンハイム』などのニール・バーガーとの 交渉が公表されている。 因に『幻影師…』では、以前の紹介でも書いたようにバー ガーが手掛けたその脚色も素晴らしいものだったが、今回の 交渉もそれを期待されてのことだろう。ブルースの冒険一杯 の脚色に対してどのようなストーリーを展開してくるかにも 興味が湧くところだ。 なお今回の映画化は、アニメーションか実写か、それとも それらのコンビネーションになるかも明らかにはされていな いが、製作元のパラマウントは2006年“Charlotte's Web” の実績もあるところだし、最適の手段を見つけてもらいたい ものだ。 * * 今回の製作ニュースは、最初もテレビシリーズからの作品 だったが、最後もその関係で、『ハンコック』や『アイアン マン』などを手掛けたマシュー・グラッツナーというベテラ ンVFX監督が、1970年代のSFテレビシリーズ“U.F.O.” の映画化で監督デビューを果たすことになった。 この作品は、『サンダーバード』などの人形劇で人気を博 していたジェリー・アンダースンが俳優を使って製作した特 撮SFシリーズで、異星人による密かな侵略が始まっている 近未来の地球を舞台に、一般には公表されないままに侵略者 との戦いを繰り広げる秘密組織の活動が描かれている。日本 では1970年−71年に日本テレビ系で『謎の円盤UFO』の邦 題で放送され、今でも評価は高いものだ。 そして今回の映画化では、グラッツナーが自ら興したプロ ダクションでオリジナルの権利を保有するITVと交渉し、 その契約に基づいての映画化が行われることになっている。 なおグラッツナーは、「アンダースン氏が作り上げた“U.F. O.”の物語やキャラクター、状況などは、時を越えて現代に も通じるものであり、自分はVFXをそのストーリーを語る 道具にして、観客をこの世界に引き摺り込むようにしたい」 と初監督に意欲を燃やしているようだ。 脚本は、ライアン・ゴーデットとジョセフ・カナレックと いう2人が執筆していて、グラッツナーのプロダクションで はその脚本が完成し次第、コンセプトアートやプレヴィジョ ン化を行い、それを持って資金の調達や配給権の交渉などを 開始したい意向のようだ。まだしばらく時間は掛かりそうだ が、2004年版“Thunderbirds”のような間違いを犯さずに、 納得のできる作品を期待したいものだ。 * * ついでにもう1本、ワーナーとレオナルド・ディカプリオ が1960年代のテレビシリーズ“Twilight Zone”の再映画化 の計画を発表した。 この作品からは1983年にスピルバーグらの製作による映画 化もあるが、今回は1999年『ノイズ』などのランド・ラヴィ ックが脚本監督を務めるとのことで、具体的な内容などは不 明だが、これもちょっと期待したいところだ。
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