※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページは、SF/ファンタシー系の作品を中心に、※ ※僕が気になった映画の情報を掲載しています。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ まずはホットな続編の話題から。 11月21日の全米公開で、いきなり初日に3570万ドルを稼ぎ 出し、初日興行では2005年の『ハリー・ポッターと炎のゴブ レット』に次ぐ歴代第2位を記録。続く第1週の興行成績で 8000万ドルを達成したヴァンパイア・スリラー“Twilight” に続編の計画が発表された。 本作“Twilight”の映画化については、2007年10月15日付 第145回で紹介しているが、ステファニー・メイヤーという 女流作家の原作を、2005年『ロード・オブ・ドッグタウン』 などを手掛けた女性監督キャサリン・ハードウィックが映画 化したもの。因に、今回の初日および第1週の興行成績は、 女性監督の作品では第1位の記録になるそうだ。 そして、その際の情報でも紹介した原作シリーズの第2作 “New Moon”の映画化が進められることになっている。なお シリーズは、その後“Eclipse”に続く“Breaking Dawn”と いう第4作がすでに発表され、4作の合計で1700万部を全世 界で売り上げているもの。さらに“Midnight Sun”という第 5作も予定されているようだ。 というベストセラーシリーズに対して、映画製作元のサミ ットの発表では、既刊のシリーズ4作の映画化権をすでに確 保しており、そのシリーズ映画化を目指すことになったもの だ。 第1作の公開予定が来年4月とされている日本で、第2作 のストーリー紹介は何を書いてもネタバレになりそうだが、 取り敢えずヒロイン役で、『イントゥ・ザ・ワイルド』にも 出ていたクリスティン・スチュアートは、第2作にも出演す ることになっている。 なお、Variety紙の情報によると、原作者のメイヤーは敬 虔なモルモン教徒だそうで、原作本のシリーズは同じ教徒か ら絶大な支持を得ているのだそうだ。モルモン教がヴァンパ イアを容認しているとは知らなかったが、宗教というのはど の国でも強いもののようだ。 * * 続けて続編は、2007年公開のミュージカル“Hairspray” (ヘアスプレー)にも計画が発表されている。 この計画は、興行成績が2億ドルを突破した前作のヒット の直後から噂されていたが、今回は、監督のアダム・シャン クマンの発言でその進行状況が報告されたものだ。それによ ると、1988年の映画オリジナル版の脚本監督を手掛けたジョ ン・ウォータースから続編のアイデアが届けられたそうで、 現在その物語が脚本家に回覧されているとのこと。 そのお話は、前作でニッキー・ブロンスキーが演じたトレ イシーと、彼女の仲間たちが次の音楽シーンに向かって行く 姿を描くもので、それは1960年代後半が背景になる。つまり ビートルズなど、イギリス発の音楽の台頭する時期のアメリ カの若者たちが描かれることになるようだ。 なお、続編の計画は、2010年の公開を目指して進められる とされている。 * * お次は9月15日付第167回でも報告した“xXx: The Return of Xander Cage”について、その脚本執筆に、“Terminator Salvation”を手掛けたマイクル・フェリスとジョン・ブラ ンカトーが交渉されていることが発表された。 この計画については、前回も紹介したようにジョー・ロス 製作の許、ロブ・コーエン監督とヴィン・ディーゼルの再顔 合せが実現するものだが、その先には若さを武器にした新た なジェームズ・ボンドの誕生が目指されているものだ。そこ に、『T3』から“Salvation”へ既存シリーズからの発展 を実現した脚本家コンビの参入は、長寿シリーズの基礎を築 くことができるか、楽しみなことだ。 なおディーゼルは、2007年11月1日付第146回などで紹介 したシリーズ第4作“Fast & Furious”で、ポール・ウォー カー、ミシェル・ロドリゲス、ジョーダナ・ブリュースター と再共演、第3作のクリス・モーガン脚本、ジャスティン・ リン監督によるこの作品は、2009年6月12日の全米公開に向 けて、すでに撮影は完了している。 * * ジェームズ・ボンドの再来ということではもう1本、ロバ ート・ラドラム原作の「ジェイスン・ボーン」シリーズに、 第4作の計画が発表された。 このシリーズに関しては、すでにラドラムが執筆した3冊 の原作本は映画化が完了しており、然りとて2001年に亡くな った原作者にはその続きを望むこともできないものだった。 そこでここからは、正しくハリウッド的続編を作り出すこと になるものだが、その映画化の権利について、映画製作元の ユニヴァーサルとラドラムの遺族との間で交渉がまとまり、 ラドラムが創造したキャラクターをさらに発展させることが できるようになったというものだ。 そしてその第4作については、前3作で全世界で10億ドル を稼ぎ出した主演のマット・デイモンと、前2作を手掛けた 監督のポール・グリーングラスが、前作『ボーン・アルティ メイタム』を手掛けたジョージ・ノルフィの脚本の許、再結 集する計画となっている。 ただし、一時は契約が済んだように報道されたデイモンと グリーングラスについては、まだ契約までには至っていない ようだが、デイモンは「グリーングラス監督が参加するなら 自分も出る」と明言しており、当初はデイモンの動向が一番 問題とされた計画は、取り敢えず実現に向かう目途は立って きたようだ。取り敢えずユニヴァーサルでは、2010年夏の公 開を目指して計画を進めるとしている。 またこの計画では、ラドラムの管財人を務めるジェフリー ・ワイナーという人の設立によるLudlum Entertainmentが、 直接映画製作にも関ることになっており、ワイナーは映画の プロデューサーとしても名を連ねている。この会社では、ラ ドラムの原作本に基づく映画化やヴィデオゲーム化を進める と同時に原作本に基づかない計画も行うとしているもので、 今回はその趣旨にしたがって第4作に計画に参入しているも のだ。 そして今回のユニヴァーサルとラドラム側との契約では、 ラドラムが執筆した25作を越える作品についても、Ludlum社 との共同開発で進めることに合意しているとのことで、今後 はそれらの作品の映画化も進められることになりそうだ。た だし、今年4月15日付第157回で報告したMGM契約の“The Matarese Circle”と、2005年にレオナルド・ディカプリオ が権利を獲得した“The Chancellor Manuscript”の2作品 は除かれることになるが、元々が役者・演出家でもあったラ ドラムの作品は映像化に好適とも言われ、その実現が楽しみ なものだ。 * * 次は続報で、2007年11月15日付第147回で紹介したギレル モ・デル=トロ監督による往年のイギリステレビ作品“The Champions”(電撃スパイ作戦)の映画化について、ブライ アン・シンガー監督、トム・クルーズ主演の“Valkyrie”な どを手掛けた脚本家のクリストファー・マカリーの参加が発 表された。 マカリーは、オスカー脚本賞を受賞した1995年『ユージュ アル・サスペクツ』の脚本などでも知られるが、元々デル= トロとは親交が有ったようで、今回の発表に際しては、「テ レビのオリジナルは、魅惑的な可能性を持った素晴らしい物 語で、私はデル=トロと最初に話し合った瞬間から、この作 品に関りたいと思っていた」と抱負を語っている。 そのオリジナルの物語は、中国での作戦を終えた男女3人 の秘密諜報員を乗せた飛行機がヒマラヤ山中で墜落し、奇跡 的に一命を取り留めた彼らは、彼らを助けた謎の人々によっ て特殊な能力を授けられる。そして母国に帰還した彼らは、 その能力を駆使して正義のための戦いを繰り広げるというも のだ。 この物語のどこにモンスターが出てくるかは判らないが、 取り敢えずデル=トロは製作、脚本、監督として関る計画と されており、マカリーはその脚本と製作にも関ることになっ ている。なお、製作会社は“Valkyrie”と同じくUAが担当 するもので、トム・クルーズ/ポーラ・ワグナーも製作者と して名前が挙げられている。 ただしマカリーはもう1本“The Monster of Florence” という作品もUAで進めることになっている。この作品は、 1997年にペネロピー・アン・ミラー主演で映画化されたホラ ー作品『レリック』などの原作者としても知られる作家ダグ ラス・プレストンが、2000年にイタリアに移住して遭遇した 実話に基づく物語で、作家が1968−85年に起きた8つの殺人 事件が同じ殺人鬼の仕業だったことを調査証明して行く内、 もっと恐ろしい真実に突き当たるというもの。 プレストンが発表した原作は、ニューヨーク・タイムズの ベストセラーにも登場したとのことで、マカリーはその脚色 と製作も担当している。因に、Variety紙の報道ではこちら の作品が先行で進められるようだ。 * * 前回ジョー・ジョンストン監督の起用を紹介したマーヴェ ル作品“The First Avenger: Captain America”について、 予想通り脚本家の追加発表が行われ、この脚本に『ナルニア 国物語』を担当したクリストファー・マーカスとスティーヴ ン・マクフィリーの起用が報告された。 この計画については、前回も紹介したようにザック・ペン による脚色が進められていたものだが、『インクレディブル ・ハルク』が思い通りの成績にならなかったことが問題視さ れた可能性は有りそうだ。とは言え、『ナルニア』も第2章 の成績はそれほど期待通りではなかったものだが、取り敢え ず新しい血の導入が図られたということかもしれない。 何れにしても、2011年5月の公開までには多少の時間的な 余裕は有りそうだし、じっくりと脚本を仕上げてもらいたい ものだ。キャスティングの発表はまだのようだが、2011年の マーヴェルは一気に攻勢を掛けてきそうな感じもするもの。 その中でのメイン作品としての期待も掛かるところだ。 * * マーヴェルの“Captain America”に続いては、DCから “Captain Marvel”で、以前は“Shazam !”のタイトルで紹 介していたコミックスの映画化が、本来のヒーローの名前で 進められることになったようだ。 この作品については、2003年1月1日付第30回で最初に紹 介したものだが、その後の紆余曲折の末に、現在は今年6月 15日付第161回で紹介したように『ゲットスマート』のピー ター・シーゲル監督、ジョン・オーガストの脚本で進められ ていることが報告されていた。 そして今回は、『ゲットスマート』の大ヒットを受けたシ ーゲル監督が、ワーナーと3年間の優先契約を結んだことが 発表され、その契約の一部として“Captain Marvel”の映画 化が正式に公表されたものだ。なお、以前に紹介した計画は ニューラインで進められていたものだが、姉妹会社だった同 社がワーナーに吸収されたため、改めてワーナー映画として の製作が進められる。 ただし今回の発表で、主人公は10代の若者となっており、 以前紹介されたときのドウェイン‘ザ・ロック’ジョンスン の主演がどうなったかは不明。製作母体が変っていろいろと 変更もあるのかも知れない。 またシーゲル監督には、この計画の前に“Liam McBain: International Tennis Star and Proper English Geezer” と題された1980年代のテニス選手を主人公にした作品や、当 然“Get Smart”の続編の計画も発表されていて、“Captain Marvel”がいつ実現するかは流動的なようだ。 * * ここからは新規の情報をいくつか紹介しておこう。 まずは、ワーナーから“The Day Before”と題されたSF 映画の計画が発表されている。 この題名からは、1983年の“The Day After”か、2004年 の“The Day After Tomorrow”などを連想しそうだが、本作 の物語は、時間軸を逆向きに進んで行くエイリアンによる地 球侵略を描くとのことで、核戦争や異常気象による災害映画 とはだいぶ違ったものになりそうだ。脚本はチャド・セント ジョンという新人のオリジナルで、その映画化が『300』 などを手掛けたハリウッド・ギャングの製作で進められる。 いやあ、何ともタイムパラドックスの塊になりそうな設定 だが、基本的に時間軸が逆向きということをどのように表現 するか、そこに説得力を持たせるだけでも至難の業になりそ うだ。でもまあ、少なくともハリウッド・ギャングの首脳は 説得できた訳だから、それはそれだけの脚本になっていると いうことなのだろう。 それにしても、敵はどんどん過去に遡って人類を破滅させ ようとしている訳で、その対抗手段としては、敵の過去とな る未来でその計画を潰すことになるが、それまで人類の文明 が保てるかどうかということになるのかな。それと、映像的 には敵は常に後ろ向きに歩くことになるのだろうか…?何れ にしても、かなり不思議な雰囲気の作品になりそうだ。 因にセントジョンは、先に“The Further Adventures of Doc Holiday”と題されたブルース・ウィリス向けの脚本を 手掛けているとのことで、西部劇とSF、まあ大衆エンター テインメントとしては王道の作品を目指しているようだ。 なおハリウッド・ギャングでは、前回紹介したターセム・ シン監督の“War of the Gods”をカントン・プロダクショ ンと進めている他、『モンゴル』のセルゲイ・ボドノフ監督 による“The Silk Road: The Adventure of Marco Polo”と いう作品もエンドゲーム・エンターテインメントと進めてい るそうだ。 * * 次はMGMから、キャスリーン・ライアン原作のヤング・ アダルト小説“Vibes”の映画化権を獲得したことが発表さ れた。 内容は、普通の17歳のチアリーダーの主人公がある朝目覚 めると、他人の心が読めるようになっていた…という設定か ら始まるコメディだそうで、原作は10月に出版されたばかり のもののようだ。そして映画化の脚色を、2007年版“Nancy Drew”を手掛けたティファニー・ポールセンが担当すること も発表されている。 テレパシー物のコメディというと、2000年にメル・ギブス ン、ヘレン・ハントが共演した“What Women Want”(ハー ト・オブ・ウーマン)が思い浮かぶところだが、本作は17歳 の少女が主人公ということで、特に他人が自分をどう思って いるかなど、人間関係も違ったものになりそうだ。製作は、 2003年『10日間で男を上手にフル方法』などのリンダ・オブ ストが担当する。 なお脚本家のポールセンは、ディズニーで1987年の公開作 “Adventure in Babysitting”(ベビーシッター・アドベン チャー)の続編や、他に“Rocket Ship”と題されたファミ リー・アドヴェンチャーの脚本も手掛けているようだ。 * * ゲイル・アン・ハード率いるワルハラ・モーション・ピク チャーズが、デニス・ホープレス、ケヴィン・メロン原作に よるグラフィックノヴェル“Gearhead”の映画化権の獲得を 発表した。 物語は、邪悪なスーパーヒーローたちに支配された合衆国 を舞台に、反乱軍に参加した若い女性を主人公としたもの。 最近のスーパーヒーローブームに対抗する作品ということに なりそうだ。それにしても、主人公たちが通常の人間だとす ると、彼らがスーパーヒーローに対抗するには、連携プレイ か特殊兵器が必要になりそうで、それがうまく決まれば面白 さも期待できるものだ。 因に原作は、2006−07年にアルカナ・スタディオという出 版社から全4巻で発行されたもので、シェルビーという名前 の主人公が、はぐれた兄弟の所在を捜す内に徐々に反乱軍に 関わるようになり、やがてそのリーダーになって行く姿が描 かれているようだ。 なおハードは、元ジェームズ・キャメロン夫人で、『ター ミネーター』の権利の半分を所有していたことでも知られる が、1986年の『エイリアン2』ではリプリーを一躍闘うヒロ インに仕上げたり、2005年の『イーオン・フラックス』など 女性主導のアクション映画を常に模索している感じもしてい るところで、今回の作品ではその方向性が一段と明確になり そうだ。 * * ディズニーの新作アニメーション“Bolt”は、全米の900 館を越える映画館で3D上映が行われているようだが、すで に来年以降の3Dシフトを発表してる同社の計画の目玉とし て、1991年の“Beauty and Beast”(美女と野獣)を3D化 して再公開する計画が発表された。 オリジナルは、その舞踏場のシーンで初めてフルCGIア ニメーションが採用されたことでも話題になった作品だが、 そのCGIを手掛けたPIXARが現在のピクサー・アニメーシ ョンとしてディズニーの根幹を背負っているものだ。そして 今回の計画では、ディズニーが社内で開発したディジタル技 術を使って3D化を行うとのことで、元々がセルアニメーシ ョンで制作された舞踏場以外のシーンが、新たにディジタル 3D化されることになる。 まあ、2D画像の3D化はすでに行われているものだし、 『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』では、3D化の手順 として当時の人形のデータ化なども行われたようだが、今回 は舞踏場のシーン用のデータは残されていると思われ、それ らが利用できれば3D化は順調に行われそうだ。因に公開は 2010年の予定(日付は未定)とされている。 なお、ディズニーの3D公開の予定は、2009年に“Jonas Brothers 3D Concert Movie”“Up”“G-Force”“Disney's A Christmas Carol”“Toy Story”の3D版。そして2010年 には“Alice in Wonderland”“Rapunzel”“Toy Story 3” “Step Up 3”“Toy Story 2”の3D版、となっており、こ れに今回発表された“Beauty and Beast”を加えての2年間 11本は、ハリウッド最大規模の大攻勢となるようだ。 * * もう1本はリメイクで、2006年に日本公開された韓国映画 『グエムル/漢江の怪物』(英題名:The Host)の権利を、 ユニヴァーサルと『POTC』などのゴア・ヴァビンスキー が獲得したと発表した。 ポン・ジュノ監督によるオリジナルは韓国で大ヒット、そ の後に中国でもヒットして、同国での続編が計画されている ことは7月1日付第162回で紹介したが、今度はハリウッド でのリメイクが発表されたものだ。ただしヴァビンスキーは 監督はしない模様で、監督にはコマーシャル出身のフレデリ ック・ボンド、脚本は、今年UAから公開されたデニス・ク エイド、サラ・ジェシカ・パーカー共演の“Smart People” を手掛けたマーク・ポアリエが担当しているものだ。 オリジナルは、怪物の脅威を丁寧に追っている感じもする 作品だが、脚本家の前作の評価もなかなか良いようなので、 ちょっと期待したくなるところだ。 * * 最後に訂正で、前回も紹介した“Airman”について、以前 に来年1月の出版予定と書いたが、オーエン・コルファーの 原作本は今年1月に出ていたものだった。最近の映画化権は 出版前に契約されることが多く、また8月に出版された本の 付録になったりもしていたので誤解したが、Amazonに予約注 文しようとして出版済と知ったものだ。 ここにお詫びして訂正させていただきます。
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