井口健二のOn the Production
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2008年10月15日(水) 第169回

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※このページは、SF/ファンタシー系の作品を中心に、※
※僕が気になった映画の情報を掲載しています。    ※
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 今回は記者会見の報告から。
 12月5日に日本公開されるディズニー=ピクサー・アニメ
ーション『ウォーリー』の監督アンドリュー・スタントンと
製作者のジム・モリス、それに音響デザイナーでウォーリー
の声も担当したベン・バートの来日記者会見が行われた。
 この内、『スター・ウォーズ』でのR2−D2の音声の制作者
としても知られるベン・バートは初来日とのこと。会見では
技術畑のバートに対する質問が出るかどうか心配で、自分な
りの質問は用意して出掛けてみた。ところが会見は思いの他
バートに質問が集中することになり、僕は質問できなかった
が、いろいろ興味深い話は聞くことができた。
 その会見によると、この作品は、当初冗談で“R2-D2: The
Movie”と呼ばれていたとのこと。それなら本人を呼んだら
どうかという発想でバートへのアプローチがされたのだそう
だ。それに対してバート側が直ちに応じたもので、このため
かなり初期の段階から計画に参画していたようだ。
 そこでバートは、ストーリーの骨子や極初期のコンセプト
アートなどを観ながらアイデアを練り、さらに保存してあっ
たいろいろな音の中から今まで使ったことのない音を選び、
それらに人間の声(ウォーリーに関してはバート本人)を加
味して、今回登場するロボットたちの声を設計したとのこと
だ。
 そしてさらに、その声をアニメーターたちに聞かせ、彼ら
との意見交換で声を完成させて行ったとのこと。このため、
ロボットのキャラクターの形成にも、その声が直接の影響を
与えたとのことで、そこではかなり主導的な立場にもあった
ようだ。従って、バート自身もこの作品にはかなり満足して
いる様子で、終始にこやかに会見に応じていた。
 僕は以前に、バートの愛弟子で、『タイタニック』の音響
などでオスカーを受賞しているゲイリー・ライドストローム
にインタヴューをしたことがあり、そのときバートの人とな
りを訊いてみた。その回答は、「学校の先生のような人」と
いうものだったが、その記憶から今回の会見を観ていると、
確かにバートは、雰囲気も柔らかく質問に対する回答も丁寧
で、本当に生徒に好かれる先生という感じがしたものだ。
 データベースによると1948年7月12日生まれ、今年60歳に
なったばかりのバートだが、どんどんコンピュータ化される
一方の映像に対して、音響は自然の音を使ったり、自分の耳
が頼りだったり、まだまだ手作りの部分も残る分野で、これ
からもますます頑張ってもらいたいものだ。
 ところでこの会見には、映画の設定上の実物サイズで製作
されたウォーリーのレプリカも登場し、ゲストの「タカ&ト
シ」とのパフォーマンスも披露した。このレプリカは遠隔操
作で操演されているもののようだったが、前後の移動や回転
は基より、身体を伸ばしたり、目も自在に動かせるなど優れ
もので、映画はCGIアニメーションだが、現実にもここま
での動きができるのだと感心した。
 このレプリカは東京国際映画祭への登場もありそうだが、
グリーンカーペットをちゃんと歩けるかどうか、昨年も登場
したお掃除ロボットや、TOYOTAの2輪車との共演も楽
しみだ。
        *         *
 ではここからは製作ニュースを紹介しよう。
 まずは新規の話題で、ニール・モリッツ率いるオリジナル
・フィルムスが、“Battle: Los Angeles”と題されたSF
作品をコロムビア向けに製作すると発表した。
 この作品は、1999年に公開されたジョン・トラヴォルタ主
演の軍隊ミステリー『将軍の娘』を脚色したクリストファー
・ベルトリーニによるオリジナル脚本を映画化するもので、
基本の物語は、海兵隊の小隊がエイリアンの侵略軍と遭遇、
ロサンゼルスの市街地で戦闘を繰り広げるというもの。解説
には、『ブラックホーク・ダウン』と『インディペンデンス
・デイ』を一緒にしたような作品と紹介されていた。
 そしてこの計画に、2006年の『テキサス・チェーンソー/
ビギニング』を手掛けたジョナサン・リーベスマン監督の起
用が報告されている。因に、脚本は今年4月頃にモリッツの
手元に届いたそうで、モリッツは直ちにその映画化を決定。
さらにオファーを受けたリーベスマン監督は、8月にはサン
タモニカからダウンタウンまでのロサンゼルス各所でロケハ
ンを行い、VFX合成用の背景映像の撮影もすでに行ってい
るとのことだ。
 またリーベスマン監督は、CGIで描写されるエイリアン
本体の演出も自ら手掛けるとのことで、監督のSF的センス
にも期待したい。なお監督は、他にもいくつもあった作品の
オファーを全て断って本作の企画に飛び込んだそうだ。因に
監督のデビュー作は、ロアルド・ダール原作“Genesis and
Catastrophe ”(誕生と破局:短編集『キス・キス』所載)
というものだそうで、これも気になるところだ。
 一方、ロサンゼルスを舞台にした市街戦ということでは、
韓国映画の『ディー・ウォーズ』が日本はソニー配給で近く
公開されるが、本作のVFXには市街描写が得意のソニー・
イメージワークスが参加するものと思われ、一層の迫力ある
市街戦を期待したいものだ。
        *         *
 12月に『ワールド・オブ・ライズ』(Body of Lies)が日
本公開されるレオナルド・ディカプリオとリドリー・スコッ
ト監督が再び組み、イギリスの作家オルダス・ハックスリー
が1932年に発表した小説“Brave New World”(すばらしい
新世界)を映画化する計画が報告されている。
 ハックスリーの原作は、同じくイギリスの作家ジョージ・
オーウェルが1949年に発表した『1984年』と並ぶアンチ
ユートピア小説の古典とされてるものだが、オーウェル作品
がネット社会を予言したとも言われる視覚的な未来図を描い
ているのに対して、ハックスリー作品は人間の精神的な面を
中心的に描いていて、映像化は困難とされていた。
 実際、『1984年』が原作発表から7年後の1956年に最
初の映画化が行われ、ずばり1984年にも映画化されたのに対
して、『すばらしい新世界』の映像化は、テレビはあるもの
の映画では製作されていなかったようだ。
 また今回の報道でも、スコット本人が「自分ではこのよう
な題材は選ばないだろう。しかしディカプリオの会社が映画
化権を所有していて、僕にオファーしてきた。そこでこれは
大きなチャレンジだと考えた。2人の偉大な先人が、60年と
75年前にこれらの予見の物語を描いた。中でもハックスリー
の原作を脚色するのは本当に難しいことと思える。しかし、
今が正にその予見に向かうかどうか時代にあって、これは本
当に大きなチャレンジになる」と述べて、製作への意欲を示
しているものだ。
 物語は、人間の生涯の身分から生殖まで管理された未来の
理想社会を舞台に、その管理者の立場にいた男と、無管理の
「蛮人保存地区」で生まれ育ったが管理社会に迎えられるこ
とになった男の運命が描かれる。今後の人類が向かって行く
かも知れない未来の管理社会、もちろんそこには映像的な未
来シーンも描かれることにはなるだろうが、その中での人間
の葛藤が主なテーマとなる作品だ。
 スコット監督は、『ブレードランナー』でも未来社会に生
きる人間の精神的な葛藤を描いていたが、ハックスリーの原
作はさらに人間そのものの存在にも迫るもので、確かに脚色
は難しいがやりがいのある作品と言えそうだ。
        *         *
 ところでスコット監督には、もう1本、SF映画の計画が
発表されている。その作品の題名は、“The Forever War”
(終りなき戦い)。アメリカのSF作家ジョー・ホールドマ
ンが1975年に発表したデビュー長編の映画化で、この原作は
ヒューゴー、ネビュラ両賞を同時受賞しているものだ。
 物語は、人類がブラックホールを応用したワープ航法を開
発して大宇宙に進出した未来が舞台。その遠い宇宙で異星人
と遭遇した人類は彼らと戦争状態になる。その戦争に主人公
は兵士として参戦する。しかし数ヶ月の兵役の後に帰還して
みると、その間に地球では20年の歳月が流れ、故郷は見慣れ
ぬ土地になっていた…というもの。
 この原作についてスコット監督は、「『オデュッセイア』
と『ブレードランナー』を足して2で割った様な作品」と称
しているが、原作の発表当時は「ベトナム帰還兵だった作者
の心情が色濃く出ている」と理解された作品だったようだ。
 そしてこの映画化に関しては、スコット監督は、1982年の
『ブレードランナー』の公開直後にも希望をしていたが、そ
の時は映画化権がすでに設定されていたため手が出せなかっ
たのだそうだ。実はその時、映画化権を所有していたのは、
『スター・ウォーズ』などを手掛けたVFXマンのリチャー
ド・エドランド。彼は1983年の『ジェダイの復讐』を最後に
ILMから離脱した後、40万ドルの自費でこの映画化権を獲
得。自らの監督デビュー作としてその映画化を検討していた
とのことだ。
 なお、僕は1983年に来日したエドランドにインタヴューを
させてもらっているが、この時、次回作の予定を訊いたとこ
ろ、「幽霊ものと、もう1本、絶対秘密のプロジェクトがあ
る」と答えてくれた。この「幽霊もの」が1984年『ゴースト
バスターズ』だったことはすぐに判明したが、「もう1本の
プロジェクト」と言うのがどうやらこの作品だったらしい。
しかしこの計画は、結局実現しなかった。
 その計画にスコット監督が満を持して再挑戦するもので、
スコット監督は6カ月の交渉の末にエドランドから原作の映
画化に関する全権利を獲得し、自ら製作も兼ねて計画を進め
るというものだ。脚本家などはこれから選考することになる
が、出来るだけ早期に実現したいとしている。
 上記の“Brave New World”と、どちらが先に実現される
かは未定だが、いずれにしても『ブレードランナー』以来と
なるスコット監督の本格SF映画への挑戦には、期待大とい
うところだ。
        *         *
 ここからはコミックスの映画化で、まずは、ヴァージン・
コミックスから派生したリキッド・コミックスが発行してい
たグラフィックノヴェル“Ramayan 3392 AD”の映画化を、
2003年にアンジェリーナ・ジョリー主演『すべては愛のため
に』などを手掛けたマンダレイ・ピクチャーズが行うと発表
した。
 原作の物語はインドの伝説に基づくもので、ラーマ王子と
呼ばれる青い肌の戦士を主人公に、祖国を襲う悪の軍団から
愛する者を救うため戦う姿が描かれているとのこと。ただし
“…3392 AD”というのには何か意味がありそうだ。そして
この原作から、『ハッピー・フィート』などを手掛けたジョ
ン・コーリーが脚色することも発表されている。
 因に、この原作は2006年に初版発行されたものだが、実は
リキッド・コミックスは現在は出版を廃業しているもので、
現在同社では、過去に出版した作品の権利の管理などを行っ
ている。そしてこの原作に関しては、すでにソニー・オンラ
インからRPGとしての展開も契約されているとのことだ。
 つまり映画とゲームの両面から製作が進められるもので、
うまく行けばかなり大きな事業になりそうだ。なおリキッド
・コミックスの関連では、ニュー・リジェンシーでジョン・
モーア監督が進めている“Vuruents”と、2007年8月1日付
第140回で紹介したガイ・リッチー監督によるワーナー作品
“The Gamekeeper”も同社の管理している作品とのことだ。
 今回の計画は、まだ監督も発表されていないものだが、脚
本家のコーリーは、前々回に紹介したダーウィンの伝記映画
“Creation”の脚色も担当している人。一方、映画化を行う
マンダレイも、過去『ジャケット』や現在も“The Birds”
のリメイクなど、面白い作品をいろいろ提供してくれている
会社なので楽しみだ。
        *         *
 もう1本、コミックスの映画化は、ワーナー=DCコミッ
クスから、新たに“Jonah Hex”という計画が発表された。
 この原作コミックスは、1970年代前半に刊行されていたも
ので、物語の背景は南北戦争が終結した頃。主人公のヘック
スは顔の右側に大きな傷を持った賞金稼ぎの拳銃使いという
ことだ。特に超能力を持ったスーパーヒーローというもので
はないようだが、そのキャラクターは、クリント・イースト
ウッドの西部劇の主人公にも影響を与えたとも言われている
ようだ。
 従って映画は西部劇ということになりそうだが、その監督
にジェイスン・ステイサム主演の『アドレナリン』を手掛け
たマーク・ネヴェルダインとブライアン・テイラーの起用が
発表され、さらに主演には、オリヴァ・ストーン監督“W”
にジョージ・W・ブッシュ役で主演したジョッシュ・ブロー
リンの出演も発表されている。
 一方、製作は、『アイ・アム・レジェンド』などのアキヴ
ァ・ゴールズマンと、『ゲット・スマート』のアンドリュー
・ラザラーが担当しており、この内、ラザラーは、2001年に
製作した『キャッツ&ドッグス』の続編“Cats & Dogs: The
Revenge of Kitty Galore”と、“Get Smart 2”の製作も進
めているようだ。
        *         *
 後半は続報を中心に纏めて紹介しておこう。
 まずは続編の情報で、今夏公開されたドリームワークス・
アニメーション『カンフー・パンダ』の続編が、2011年6月
3日に全米公開され、その題名が“Pandamonium”になると
発表された。
 この発表は、DWAトップのジェフリー・カツェンバーグ
が、同社をバックアップしている投資会社ゴールドマン・サ
ックスの年次総会の席で行ったもので、それによると第1作
の全世界での興行収入は6億2600万ドルで、これはDWA史
上の最高金額であるとのこと。そして第1作で声優を務めた
ジャック・ブラックとアンジェリーナ・ジョリーはすでに同
じ役柄での再演を契約しているそうだ。
 また第2作は、2009年以降のDWA作品は全て3Dで製作
するとした方針に従って3Dで製作される。そして上映は、
全米のIMaxシアターを中心に行われるとのことだ。ただし、
製作自体がIMaxのフォーマットで行われるかどうかは今回は
明言されてはいなかった。さらに監督には、第1作のストー
リー製作でヘッドを務めたジェニファー・ヨー・ネルスンが
起用されることも発表された。
 その第2作の物語は、カンフーオタクのポーが「選ばれし
者」を目指す旅はまだまだ続いているという展開で、そこに
AJの再演があるということは、マスター・タイガーがその
指導をすることになりそうだ。因に、11月9日に全米発売さ
れる第1作のDVD及びBlu-rayと同時に、5人のマスター
たちを描いた“Secrets of the Furious Five”という作品
もリリースされるようだ。
 DWAとしては、2010年5月21日全米公開予定の第4作で
完了する『シュレック』に替わるシリーズとしての期待も高
い『カンフー・パンダ』だが、北京オリンピックも終って、
新たな展開が得られるかどうかというところになりそうだ。
        *         *
 お次は、日本公開が迫っている『ダイアリー・オブ・ザ・
デッド』の続編というか、ジョージ・A・ロメロ監督のゾン
ビシリーズの新作の情報で、題名は未定の作品の撮影がすで
に開始されている。
 この新作に関しては、8月17日付で前作を紹介したときに
も報告したが、その時に言われていた題名はキャンセルされ
たようで、直接的な続編ということではないようだ。しかし
この作品には、『ダイアリー…』に出演のアラン・ヴァン・
スプラングがキャスティングされており、さらに前々作『ラ
ンド・オブ・ザ・デッド』に出ていたデヴォン・ボウティッ
クも出演するとのことで、これには何かの仕掛けもあるかも
しれない。
 公表された新作の物語は、北アメリカの沖合に浮かぶ孤島
を舞台にしたもので、そこの住人の一部にもゾンビ化の現象
が現れ、島のリーダーは彼らを抹殺するか、回復の期待を持
つかの選択に迫られるというもの。今までのゾンビシリーズ
とは、また少し違った局面での物語となりそうだ。
 因にロメロ自身は、常々死者への敬意を払うことの重要性
を述べており、最近のリメイク作品が必ずしもそうはなって
いないことへの不満もありそうだが、そんな状況でのこのス
トーリー展開は興味を引かれるものだ。
 撮影はすでにカナダのオンタリオで10月上旬に開始されて
おり、海外配給は『ダイアリー…』と同じくヴォルテージ・
ピクチャーズが担当している。
        *         *
 ロメロの関連で、1973年公開“The Crazies”のリメイク
が、オーヴァーチュア・フィルムスの製作配給で進められる
ことになった。
 この計画に関しては、2004年6月1日付第64回などで紹介
したが、その時はパラマウントで進められていた計画が変更
になったようだ。しかし、その当時にも関っていた脚本家の
スコット・コーサーとロメロの製作総指揮は継続されている
ようで、さらに2005年『サハラ』のブレック・アイズナーの
監督起用も発表されて、来年早期の撮影が計画されている。
 オリジナルの物語は、ペンシルヴェニアの小さな町が突然
軍隊によって封鎖され、その封鎖された町の住民たちの行動
を描いたもの。ロメロ監督によるかなりリアルでドライな演
出が印象に残っている作品だが、リメイクでは舞台をカンザ
スに移して、現代化した物語が描かれることになるようだ。
 因に監督に起用の決まったアイスナーは、『サハラ』では
いろいろトラブルに見舞われたが、現在は“Creature from
the Black Lagoon”のリメイクと、“Flash Gordon”のリメ
イクにも関っており、気になる監督というところだ。
        *         *
 もう1本、ワーナーが16世紀に成立したとされるイギリス
の民話“Tom Thum”(親指トム)を『魔法にかけられて』の
ケヴィン・リマ監督で製作すると発表した。
 この物語に関しては、1958年のジョージ・パル監督による
MGM作品“tom thum”(主人公に合わせて全て小文字で表
記される)があり、ワーナーではそのリメイク権も所有して
いるものだが、今回は敢えてそのリメイクとは言わず、新た
なテントポール作品として進めるとしているもので、その脚
本を、『プライベート・ライアン』などのロバート・ロダッ
トが執筆することも発表されている。
 物語は、不遜な騎士だった男が身長6インチに縮められ、
それでも姫を保護する任務に着くうちに、本当の英雄である
ことの意味に気付いて行くというもの。この物語を『プライ
ベート…』の脚本家なら面白くなりそうだ。
 なお、リマ監督とワーナーでは、この他にも、1700年代を
舞台に10代の少年がエクソシストを目指して訓練を積むとい
う“Spook's Apprentice”と題された作品も進めているよう
だ。
        *         *
 最後に、4月15日付の第157回で紹介した“The Matarese
Circle”の映画化に、デイヴィッド・クロネンバーグ監督が
交渉されていると報告された。
 MGMが争奪戦の上権利を獲得したロバート・ラドラムの
原作は、冷戦時代を背景にアメリカとソ連のスパイが協力し
て事件を解決するという異色の作品で、すでにデンゼル・ワ
シントンが主演することも発表されているものだが、そこに
クローネンバーグ監督の起用は、これもかなり意外性のある
ものだ。期待したい。
 なおMGMでは、この他にも“RoboCop”シリーズの再開
をダーレン・アロノフスキー監督に任せるという計画も進め
ているそうだ。


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