井口健二のOn the Production
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2006年11月30日(木) 守護神、エクステ、サンタクローズ3、ラッキーナンバー7、ハッピーフィート、イヌゴエ2、スキトモ、刺青

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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『守護神』“The Guardian”
ケヴィン・コスナーの主演で、海難救助に当る沿岸警備隊レ
スキューの姿を描いた作品。
主人公は、幾多の海難事故で数100の人命を救助してきた伝
説のレスキュー・スイマー。しかし、ある日の救難活動中に
相棒を失い、心も身体もずたずたに傷ついた彼は、家庭の事
情もあって一時的に一線を退くことを余儀なくされる。
そして主人公がやってきたのは、全米のレスキュー・スイマ
ーの訓練を行うAスクール。その訓練教官として赴任した主
人公は、そこで天才的な泳ぎを見せる若者に出会う。その若
者は、主人公が打ち立てた記録を次々に塗り替えて行く。
しかしその若者には、どこか投げやりなところがあり、訓練
に遅刻したり、町の酒場で乱闘をしたり、本当に人命救助に
向いているかどうか疑問符が打たれる。そんな彼を気に掛け
る主人公は、彼の本心を探り出そうとするのだが…
アメリカ沿岸警備隊というのは、1790年に設立された組織で
法の執行権も持ち、僕は、その名称も活動内容もそれなりに
知っていたつもりだった。ところが、海は海軍が仕切ってい
ると考えるアメリカ国民の間では、その存在はあまり有名で
はなかったそうだ。
しかし、昨年のハリケーン・カテリーナの災害の後、ニュー
オルリンズで救助に当たる沿岸警備隊の活躍が報道されて国
民に知られるようになり、この映画の企画もそれで立上げら
れたとされている。従って映画の中では、カテリーナでの救
助活動の話が出てきたり、海軍との確執が描かれたりもして
いるようだ。
物語は3幕構成で、その1幕と3幕には荒れ狂う海での海難
救助の様子が描かれる。それはCGIも大量に投入されて、
かなりの迫力を持って描かれたもので、荒れた海の描写は、
『パーフェクト・ストーム』以降のCGIの定番になったよ
うな感じだ。
そして第2幕では、過酷な訓練の様子が描かれる。その訓練
自体は、主人公がそれまでの訓練は実情に合わないとして変
えてしまうものだが、確かに主人公の主張の方が正しくも見
えるもので、その辺の実際はどうなのか多少気になった。
しかも、鬼教官が居たりの展開はステレオタイプで、ちょっ
と作り過ぎの感じもあるところだが、まあその辺は1幕3幕
の迫力の前に免じることにしたい。そのレスキューのシーン
にも多少疑問の点はあるが、実際の海洋で撮影されたシーン
は素晴らしかった。
なお、若者役は『バタフライ・エフェクト』などのアシュト
ン・カッチャー。モデル出身ということで、今までの作品で
は、何となくにやけた雰囲気が気になっていたが、本作では
かなり硬派でちょっと見直した。

『エクステ』
園子温監督の新作ホラー。
園監督と言うと、何と言っても『自殺サークル』の衝撃が忘
れられない。今年はその続編の『紀子の食卓』も公開された
が、どうしても都合がつかず見に行けなくて悔しい思いをし
ていた。そこに本作の試写状が届いたもので、これは正直嬉
しかった。
しかも、園監督の作品は、今まではいずれもインディペンデ
ントの扱いだったと思うが、本作は東映が来年2月17日に全
国配給するもの。その上、俳優も主演に栗山千明と大杉漣、
脇には佐藤めぐみ、つぐみ、佐藤未来、山本未来らを配する
などかなり力の入った作品だ。
物語の発端は、海外からのコンテナが山積みのコンテナヤー
ド。その一つから異臭が発生し、税関吏が開けてみると、中
には人毛がぎっしりと詰まっていた。それ自体は正規の輸入
品なのだが、その中から少女の遺体が現れる。
その遺体は、司法解剖に附されるが、その遺体にメスを入れ
ると、そこからは体内に充満しているかのように毛髪が溢れ
出てくる。そして遺体は安置所に収容されるのだが、そこに
は大杉演じる髪フェチの男がいて、男は遺体に興味を持って
自宅に持ち帰ってしまう。
一方、栗山が演じるのは、とある美容室に勤めるヘアスタイ
リストの卵。彼女には、腹違いの姉がいて、粗暴な姉は我が
子に暴力を振るったり、妹の家の前に置き去りにしたり…、
そんな姉に振り回される生活を送っている。
そしてある日、彼女の勤める美容室に、髪フェチの男が素晴
らしい品質の付け毛(エクステ)を持って現れるが…
親による実子の虐待や、その前にはコンテナの遺体が内臓や
眼球を抜かれていて臓器密売の疑いが持たれるなど、現代的
な要素も次々に登場し、もちろん基本がホラーであるから興
味本位な扱いではあるのだけれど、現代を反映した物語作り
は良い感じだ。
それに大量の毛髪と言うのが、それ自体がかなり無気味で、
ホラーの設定としては面白く感じられた。
そして本作では、遺体の少女の怨念を宿した毛髪が、次々殺
人を犯して行くものだが、その展開や、その際のVFXも結
構見られるものになっていた。特に、大杉の末路は秀逸とも
言える。
正直に言って、『自殺サークル』の衝撃を期待して行くと、
今回大量なのは血糊ではなく毛髪だから、衝撃の点では多少
薄れる。しかし今回はインディペンデントではない訳で、メ
イジャー作品だとこの辺が限界かなと言うところ、これは仕
方がない。

園監督には最初から注目していたし、その後に見せられた私
小説的作品では多少退いたところもあったが、今回の作品で
は、プロとしての力量も感じさせてくれた。特にホラーだか
らといって妙にカルト的な方向に走るものでもなく、常識的
な物語を展開してくれるところが好ましい感じだ。
この線で、これからも頑張ってもらいたいものだ。

『サンタクローズ3』
       “The Santa Clause 3: The Escape Clause”
ティム・アレンの主演で、1994年に第1作、2002年に第2作
が公開された人気シリーズの第3作。アメリカでも今年11月
に公開されたばかりの新作だ。
第1作では普通の人間だった主人公が、ふとしたことからサ
ンタクロースの仕事を引き継ぐことになり、第2作ではその
主人公がMrs.サンタと巡り合い、さらに今回は、初めての子
供が誕生するというもの。しかも物語は、第2作は第1作の
8年後、今度は12年後ということで、律儀に年代も合わせて
作られているものだ。
つまり、お話は見事に繋がっているもので、となると前の作
品を見ていないと駄目かと言うところだが、実は僕も前の2
作は見ていなくて、それでも楽しむのに支障はなかった。結
局のところ、ベースの展開は極めて常識的なもので、別段前
の作品を見ていなくても、簡単に理解できる、その辺は安心
して見てもらえるようになっていた。
そして今回のメインの物語は、子供の誕生や妻の両親の訪問
など、クリスマスの直前だというのにいろいろな混乱が発生
して、ちょっと疲れ気味のサンタクロース。そこに付け込ん
で、悪役ジャック・フロストがサンタの仕事を奪い取ろうと
するものだ。
実はこの経緯というのが、フロストは季節を代表するキャラ
クターの一人で、その名の通り霜の使い手の彼は、何でも凍
らせる凄い能力を持っているのだが…いつもサンタの前触れ
のような扱いで、人々からは認められず、いじけているとい
うもの。
他の映画では、フロストはサンタの兄弟という説もあって、
悪役となることが多いが、こうしてみると、テーマは違って
も、結構人間の世界にもありそうな話で、大人はそれなりに
身につまされたりもするところだ。
しかも、このフロストが実行してみせるサンタの仕事を奪う
作戦が、かなり手の込んだもので、その辺りにも納得して見
られた作品だった。そしてその解決法も、それなりに納得し
て見ることができた。
アレン以外の出演者は、ジャック・フロスト役にマーティン
・ショート、妻の父親役にアラン・アーキンなど相当の顔ぶ
れが揃っている。特に、ショートと妖精役の子供たちが歌い
踊るショウのパロディの場面は見ものだった。
ディズニーが、新たなフェアリーテイルを作ろうとしている
かのような作品で、「こういうのを作れるのはディズニーだ
けだろうな」と思わせる。それと、本作の中で地球温暖化の
問題が扱われているように感じたのは、ちょっと考えすぎか
な? それから、ちょっと馬鹿にしたようなカナダの描き方
も面白かった。

『ラッキーナンバー7』“Lucky Number Slevin”
失業して、恋人にもふられ、しかもやってきた町ではいきな
り強盗に襲われる。そんな不運続きの男が、さらに辿り着い
た友人の部屋でその友人と間違われ、敵対する2つギャング
団のボスのそれぞれから貸した金を返せと迫られる。
しかし、友人の部屋に向かいに住む女性は何となく好意を寄
せてくれているようで、彼女の協力で事態は意外な展開を見
せるのだが…
最初から競馬の八百長に絡む悲惨な話が登場し、いきなり人
が殺される。その後も次から次と人殺しの連続で、まあR−
15指定も仕方ないという作品だ。
しかし物語は実に面白く展開して行くもので、それをジョッ
シュ・ハートネット、ブルース・ウィリス、ルーシー・リュ
ー、モーガン・フリーマン、サー・ベン・キングスレーとい
う錚々たる顔ぶれが演じ込んで行く。
物語の裏と表が次々に入れ替わって、誰が善人で誰が悪人な
のかも次々に変って行く。そんな脚本が実に楽しかった。人
死には過剰だけれど、それはお話だし、死ぬ人間にはそれぞ
れ殺される理由もあるから、納得はできるところだ。
奇妙な壁紙のアパートや、敵対する2人のボスが対峙する道
路を挟んで立つペントハウスなどの映像も、ある意味シュー
ルで、なかなか良い感じだった。
ハートネットとウィリスの共演ということでは、どうしても
『シン・シティ』が浮かんでしまうが、あちらは女性主役、
こちらは男性が主役というものだ。しかし、グラフィックノ
ヴェルのような雰囲気は見事に踏襲されており、その辺は意
識している感じもあった。
ただし本作は、一つの物語を丁寧に描き切ろうという考え方
のもので、最後には全ての物語がパズルのように組み合わさ
って行く。その伏線を次々に明かして行く後半が心が踊るよ
うに楽しめた。
それにしても男ばかりの作品だが、その中で唯一の女性ルー
シー・リューの大車輪の活躍も楽しめた。

『ハッピーフィート』“Happy Feet”
『マッドマックス』『ベイブ』のジョージ・ミラー脚本製作
監督によるペンギンを主人公にしたミュージカルCGIアニ
メーション。
ドキュメンタリーが話題になった皇帝ペンギンの子育ての物
語を中心に、周囲とはちょっと違った子供が、一つの才能に
よって大きなことを成し遂げるという物語。
ドキュメンタリーでも出てくるが、産卵を終えた母ペンギン
が捕食から戻ってきたとき、迷わず元の相手のところにやっ
てくる。それは何故かという疑問の答えとして、皇帝ペンギ
ンが個体ごとに独自の歌を持っていて、その歌で聞き分ける
という説があるようだ。
この作品のアイデアはそこから生まれたと言われている。
それぞれが歌の上手い両親の間に生まれた主人公。しかし彼
は生来の音痴。そんな子供は皇帝ペンギンの落ちこぼれと言
われてしまうが、彼にはダンスの才能があった。そしてダン
スを通じて皇帝ペンギン以外の友達も出来てくる。
ところが、伝統を守ろうとする長老たちにはそんな主人公は
目障りだ。事あるごとに迫害を受け、遂には海の魚がいなく
なったのが、彼のダンスのせいだとまで言われてしまう。そ
こで彼は、その真相を探る旅に出ることになるが…
この主人公の声をイライジャ・ウッドが充てているのだが、
何となく『LOTR』を思わせる展開なのはニヤリとすると
ころだ。しかも長老の声はヒューゴ・ウィーヴィングなのだ
から念が入っている。
一方、主人公のダンスは基本的にはタップなのだが、そのダ
ンスに偏見を持たないのがイワトビペンギンというのも笑え
るところだ。このイワトビペンギンの声はロビン・ウィリア
ムスが担当して、見事なパフォーマンスを聞かせてくれる。
この他、主人公の両親をヒュー・ジャックマンとニコール・
キッドマン。また幼馴染みのガールフレンドをブリタニー・
マーフィなど豪華な声優陣で、しかもミュージカルで、ほぼ
全員が歌うというのも凄いところだ。
そしてその歌には、ウィリアムスがスペイン語で歌うMy Way
(A Mi Manera)や、ジャックマンのHeartbreak Hotel、マ
ーフィはBoogie Wanderland等々、聞き慣れた歌が次々出て
くるので、それを聞いているだけでも飽きさせない。
基本的にはお子様向けなので、3月の日本公開では吹き替え
版も上映されるはずだが、これをカヴァー出来る声優を探す
のも大変そうだ。それに大人はぜひとも原語で聞いて欲しい
もの、特にキッドマンの甘い声には聞き惚れてしまった。

『イヌゴエ/幸せの肉球』
昨年11月に紹介している作品の続編というか、物語に繋がり
はないがまたまた犬の声が聞こえるようになった男の物語。
主人公は20代後半、30歳目前の女性と同棲している。しかし
性格的にいい加減な彼は、彼女の30歳の誕生日を忘れて、遂
に愛想を尽かされてしまう。そして彼女は家を出てしまうの
だが、ずぼらな主人公は、彼女の勤め先はおろか、友達も実
家も聞いておらず、行き先の手掛かりが全くない。
そんな主人公が、行き付けのペットショップに行くと、いつ
か飼いたいと思っていたフレンチブルドックが彼女の声で話
すのが聞こえてくる。そこで主人公はその犬を買い取り、犬
の声を頼りに彼女の実家へと向かうのだが…
昨年紹介した作品は、戌年を前に、干支企画として製作され
たものだったらしいが、その戌年の最後を目指して12月2日
に緊急公開されるという作品だ。しかも試写が2回だけとい
うのは、本当にぎりぎりで完成したということなのだろう。
でも、いくら何でも即席に作った感じで、作品自体ヴィデオ
製作なのだが、特に脚本が全く練れていない。一応、保健所
での処分の話なども出して、それなりの問題意識は持ってい
るようなのだが、如何せんお話が主人公の性格と同様、行き
当たりばったりなのだ。
しかもこれが、内容的には悪いと決めつけられるような作品
ではないから、余計に困ってしまうところでもある。
やたらと長回しのカットが続くのは、脚本のエピソードだけ
では1時間35分の上映時間に足りなかったためとも考えられ
るが、全体的にバランスが取れていない感じは否めない。多
分もう一つぐらい何か事件が起きれば、ちょうど良い感じに
なったと思うのだが…
とは言え、どうしても今年中に公開したかった気持ちは判る
し、これはもう仕方がないとしか言いようのないところだ。
前作は、結末のちょっと捻った感じが良い後味を残したが、
そんなものが本作にも欲しかった感じだし、とにかくもっと
練られた脚本で続編を見たかった。出来たら次の続編も期待
したいが、それは12年後の戌年までお預けのようだ。

『スキトモ』
上映時間は67分。主演はミュージカル版『テニスの王子様』
の主役コンビということで、正直に言って余り期待はしなか
った。ところがこういう作品が、希に気に入ることがあるか
ら、疎かにはできないものだ。
物語の中心は、大学3年のボクシング部のエースと、彼とは
血の繋がっていない中学3年の妹、それに隣家に住む幼馴染
みで同じ大学の新聞サークル所属のカメラマンの青年。
実は、青年はエースに思いを寄せている節があり、エースも
青年を気に掛けている。そして、妹は血縁の無い兄に対する
もやもやした気持ちを整理できていない。
原作表記はどこにもなかったが、まあ見事に少女マンガの世
界という感じの設定で、50過ぎの小父さんとしては、基本的
には全然見る気は起きなかったものだ。実際見た理由は、時
間の隙間で移動が面倒だったということもある。
ところが見ている内に、何となく登場人物の一人一人が気に
なり始めた。もちろん男同士の関係には、ホモセクシュアル
なイメージも持たされているのだが、この作品にはそれを超
えた人としてなすべきことが上手く描かれていた。
一方、妹の健気さも丁寧に描かれ、良い感じがしたものだ。
さらにそれを取り巻く人々の描き方も、良く目が行き届いて
いる感じがした。因に脚本は、2004年NHK朝ドラ『天花』
などを手掛けた金杉弘子が担当している。
出演は、エース役の斎藤工と、幼馴染み役の相葉弘樹、妹役
の小松愛梨、さらにその同級生役の寉岡瑞希、女子大生役の
西秋愛菜。この5人が、何と言うか、共感できる演技をして
くれるのも、思いの他に良い感じだったものだ。
それは別に自然な演技と言うのではないし、正直臭いところ
もないではないのだが、何か見ていて判る感じがする。しか
も演じている5人が、本当にそこらにいそうな感じで、それ
も見ていて感じが良かったのかも知れない。
特に小松愛梨は、来年夏公開の『夕凪の街、桜の国』にも出
ているということなので、それにも期待が高まるところだ。

『刺青』
谷崎潤一郎原作の4度目の映画化。今年の1月に3度目の映
画化を紹介したばかりだが、今回は1990年代にピンク映画の
四天王の一人と呼ばれた瀬々敬久監督が映画化した。
物語は、原作からは刺青によって女性の生き方が変って行く
というテーマだけを取り出して、そこから先は自由に構築さ
れている。そしてこの映画の主人公は、出会い系サイトでサ
クラをやっている女と、自己啓発セミナーの勧誘員の男。
その男が女を誘い出し、セミナーの主催者に引き合わせる。
その主催者は女を勧誘する代わりにラヴホテルに連れ込み、
翌日主人公に女をある場所につれて行くよう指示する。
そこは天才肌の彫師の家で、彫師は女を麻酔で眠らせ背中に
女郎蜘蛛の下絵を描く。その行為に主人公は怒るが、目覚め
た女はその刺青を入れることを希望する。そして刺青を彫ら
れるうちに、彼女自身が変って行く。
一方、男はセミナーが警察の摘発を受けるなどして社会の下
流へと流されて行くが、やがて女と再会した男は、ある目的
に向かって歩み出そうとする。
実は、1月に紹介した作品の物語は、かなり捻った猟奇連続
殺人が背景にある話で、それには興味を引かれたが、如何せ
ん撮り方が下手で作品としては認められないものだった。
それに比べると今回は、主演の川島令美は脱ぐところはチャ
ンと脱ぐし、撮り方も丁寧でヴィデオ作品ではあるが画質も
まずまずだった。
でも今回は、物語が普通すぎるというか、もちろんこんな話
が普通の話であるはずはないが、それでも1月の作品に比べ
るとかなり普通に近い話で、その辺がちょっと物足りない感
じがしたものだ。
出来たら、1月の作品の脚本をもう一度練り直して、瀬々監
督の手で取り直してもらえると、一番満足できる感じがする
のだが、監督は自分の領分ではないと考えるだろうか?


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井口健二