井口健二のOn the Production
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2004年12月15日(水) 第77回

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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 今回はこの話題から。
 ロバート・デ・ニーロの製作監督出演、レオナルド・ディ
カプリオの主演で期待されていた“The Good Shepherd”の
映画化で、ディカプリオの降板と、替ってマット・デイモン
に出演交渉されていることが報告された。
 この作品については、2002年12月15日付の第29回で一度紹
介しているが、アメリカ中央情報局(CIA)を作り上げた
ジェイムズ・ウィルスンという主人公の40年に亙る半生を描
くもの。といってもこの主人公は架空の人物で、現実には複
数のエージェントが行った作戦の実話を、『フォレスト・ガ
ンプ』や『アリ』の脚本家エリック・ロスが、一人の主人公
にまとめて描いたものと言われている。
 そしてこの計画は、10数年前からフランシス・フォード・
コッポラ主宰のアメリカン・ゾーイトロープで進められてい
たものだが、前回の報告では、この計画にデ・ニーロ主宰の
トライベカが参加、デ・ニーロの監督に、ユニヴァーサルの
配給も決定して、『マイ・ルーム』などで共演したディカプ
リオの主演で進められることになっていたものだ。
 ところが、トライベカとユニヴァーサルでのプレプロダク
ションが進められ、2005年3月7日からの撮影が発表された
矢先にディカプリオが降板を表明、一転して実現が危ぶまれ
る事態になった。さらに、総製作費が1億1000万ドルに達す
る見込みということも問題になっていたようだ。
 しかし、この製作費の問題には、モーガン・クリークが海
外配給権と引き換えに参加を表明、さらにデイモンの出演が
決まれば、予定通りの撮影が行われることになりそうだ。
 なおデイモンは、アメリカでは『オーシャンズ12』の公開
が始まったところだが、今年の夏公開された『ボーン・アイ
デンティティー』の続編は1億ドル突破の大ヒットを記録、
さらに現在は、やはりCIA絡みの“Syriana”(第65回参
照)を撮影中ということで、一躍、新たなスパイアクション
スターの誕生ということにもなりそうだ。
 またデイモンには、この他にワーナーで、マーティン・ス
コセッシ監督作品“The Depearted”への出演も予定されて
いる。
        *         *
 お次は、2003年9月15日付の第47回で紹介したロマン・ポ
ランスキー監督によるチャールズ・ディケンズ原作“Oliver
Twist”の再映画化で、6000万ドルの製作費と、4カ月間を
費やした撮影が完了し、2005年10月の全米公開に向けてポス
トプロダクションに入った。
 この映画化は、1968年のアカデミー賞で、作品賞、監督賞
など4部門に輝いたキャロル・リード監督によるミュージカ
ル作品『オリバー!』以来のリメイクとなるもので、今回は
脚色を『戦場のピアニスト』のローランド・ハーウッドが担
当し、チェコ・プラハの撮影所に、全長1/4マイルに及ぶ
19世紀のロンドンを完璧に再現したオープンセットを建設。
ベン・キングズレーらの出演で撮影が行われていた。
 しかしポランスキー監督は、撮影終了に当って「二度とこ
のような撮影は行えないだろう」と語っているようだ。それ
はチェコがEU加盟に向けて労働法を改正したためで、それ
によると、今後は年少者の労働時間が1日4時間に制限され
るということだ。実際、本作では主人公のオリヴァを初め、
多数の子役が登場するが、同様の法律のためにフランスでの
撮影ができなかった。そして今回のチェコでの撮影は、法律
の改正直前でぎりぎりセーフだったのだそうだ。
 ポランスキーは、「僕らは子供を炭鉱や塩山鉱で働かせて
いる訳ではないし、それにこんなにファンタスティックで楽
しい場所から、時間が来たからと言って、彼らを追い出すこ
となんかできないよ」と言っているが…因にアメリカでは、
9歳以下の子供に対しても、学校の無い日であれば1日6時
間の労働が認められているそうだ。
 なお、前回の紹介で完成後に決めるとしていた配給権は、
アメリカに関してはソニー・クラシックス、南北アメリカは
トライスターなど、順調に決まり始めているようだ。
        *         *
 ジェームズ・エルロイの脚本を、スパイク・リー監督で映
画化する“The Night Watchman”というワーナー作品に、キ
アヌ・リーヴスの主演が発表された。
 この作品は、『L.A.コンフィデンシャル』などの原作
者のエルロイが書き下ろした脚本に基づくもので、内容は、
クリーンとは見られていない主人公の警官が、自分の勤務す
る警察署内の汚職を発見し、自らの名誉回復と生命をも掛け
て、その摘発に乗り出すというもの。『L.A.…』でも汚
職絡みの警官たちを描いたエルロイには、お得意のテーマと
いう感じの内容で、さらに『マルコムX』などのリー監督で
はかなり社会派の作品を期待できそうだ。
 なお撮影は、ワーナーから2005年2月18日に全米公開され
るDCコミックスの映画化で、リーヴスがサタンとも対決す
る究極のトラブルシューター=ジョン・コンスタンティンを
演じる“Constantine”のプロモーション活動が終り次第、
開始される予定になっている。
 因に、リーヴスの主演作では、すでに“Thumbsucker”と
いう作品が完成されて、年明けのサンダンス映画祭に出品の
予定になっている。また、2004年5月15日付の第63回で紹介
したフィリップ・K・ディック原作、リチャード・リンクレ
イター監督による“A Scanner Darkly”は、2005年秋に公開
予定となっているが、この作品は、前にも紹介したように、
一旦撮影された実写をアニメーションに写し替えるというも
ので、その実写の撮影はすでに完了しているようだ。
        *         *
 ブライアン・シンガー監督で進められている“Superman”
の新作に、ケヴィン・スペイシーのレックス・ルーサー役が
噂されている。
 シンガー監督とスペイシーの関係は、1995年の『ユージュ
アル・サスペクツ』以来の顔合せとなるものだが、このオフ
ァーに対してスペイシー本人は、高製作費の大型作品より、
もっとインディペンデントな作品に出続けていたいというの
が希望のようだ。しかし、前の顔合せではオスカーの獲得に
つながった監督からの要請は、そう無碍には断れないという
ところ。そして本人も、最近は「バランスを取る上で、この
ような作品に出てもいいかな」と思い始めているようだ。
 因にこの役は、以前の監督の時にはジョニー・デップにも
オファーされていたものだが、昔のシリーズではジーン・ハ
ックマンが演じており、役に不足はない。それにスペイシー
は、風貌的にもハックマンに似ているから、昔のシリーズの
第2作の続きからになると言われている今回の作品には、ぜ
ひとも出演してもらいたいところだ。
 なお、同様の発言は、ナタリー・ポートマンが、『スター
・ウォーズ:エピソード1』のアミダラ役をオファーされた
ときにもしていたように記憶しているが、インディーズ系の
俳優がメイジャーの、それも大型予算の作品に出演すること
には、それなりのリスクが伴うということのようだ。
        *         *
 デニス・クエイドが、自らの脚本監督主演で、1940年代に
活躍した西部劇スター、スペード・クーリーの伝記映画の製
作を進めている。
 この作品の題名は“Shame on You”というもので、これは
クーリーが歌ってヒットさせた主題歌の題名とのこと。因に
クーリーは、紹介記事によると、1939年から50年に掛けて3
ダース近い西部劇映画に主演、一時はロイ・ロジャースの再
来とも言われたそうだ。
 ところが、家庭内では妻とのいさかいが絶えず、1961年に
10代の娘の目前で妻を殺害して服役。しかし69年に刑が終了
して、その後は警察主催の巡回ショウなどに出演していたよ
うだが、そのショウの最中に心臓発作に見舞われ、そのまま
亡くなったということだ。
 という紹介記事だったが、実はスペード・クーリーの名前
をネットで検索しても、ウェスタン歌手としての名声はある
ようだが、3ダース近いという映画関係の情報はほとんど出
てこなかった。
 中でかろうじて6本ほど映画のタイトルの紹介されていた
ものがあり、その題名でも調べたのだが、実際に彼が主演し
たという記録はなく、単に映画の中で歌を披露しているとい
った程度。これでロイ・ロジャースと比較されるというのも
不思議な感じだが、取り敢えずクエイドの映画が完成すれば
その辺の事情も判ることになりそうだ。
 共演者に、『エイプリルの七面鳥』や“Batman Begins”
にも出ているケイティ・ホームズが、クーリーの妻役で出演
することも発表されている。
 それにしても、一時は奇矯な監督の行状を映画化するのが
ブームだったが、最近は悲劇で終わる俳優の足跡を検証する
作品が流行のようになっている。すでに、ボブ・クレインの
伝記映画は先日公開されたが、テレビのスーパーマン役者の
ジョージ・リーブスの生涯を描く計画も発表されているし、
それに加えて今回の作品ということになるが、正直余り明る
い作品になるとも思えず、ちょっと気になるところだ。
        *         *
 またまた、往年のテレビシリーズの映画化で、1964年から
68年まで放送されたパロディ調のスパイシリーズ“The Man
from U.N.C.L.E.”(0011ナポレオン・ソロ)の映画化の計
画が進み始めた。
 シリーズの内容は、United Network Command for Low and
Enforcement(略称U.N.C.L.E.)と呼ばれるニューヨークの
下町に秘密本部を持つ国際諜報機関のエージェントで、アメ
リカ人のナポレオン・ソロ(ロバート・ヴォーン)と、ロシ
ア人のイリア・クリアキン(デイヴィット・マッカラム)を
主人公に、彼らが悪の組織=The Technological Hierarchy
for the Removal of Undesirables and the Subjugation of
Humanity(THRUSH)などと闘う姿を描いたもの。 
 007などのスパイ映画ブームに目を付けたアメリカNB
Cで放送された作品だが、企画の初期には007の原作者イ
アン・フレミングにも相談が持ちかけられたということで、
それなりに正統派で企画された作品。ただしテレビシリーズ
ではセクシャルな表現などが制限されるために、それに替っ
てユーモアタッチが強調され、結果パロディ調の作品になっ
てはいるが、基本的な路線はかなりまともなスパイアクショ
ンだった。
 また、アメリカ人らしくちょっといい加減で女に目が無い
ソロと、生真面目なクリアキンのキャラクターのコントラス
トも絶妙で、さらには万年筆型の通信機器(衛星回線を使用
する)などのテクニカルな設定も面白く、日本でもすでに洋
画ブームの去ったこの時期に、視聴率が連続して20位以内に
入るほどの人気番組だった。
 そして、このシリーズの映画化については、以前からいろ
いろ情報が流されていたものだが、今回はついにと言うか、
ようやく映画化の監督の名前が報道されたもので、その監督
にイギリスのマシュー・ヴォーンの起用が発表されている。
 ヴォーンは、ガイ・リッチー監督の盟友で、同監督の『ロ
ック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』などの
プロデューサーを務めていた人物だが、2004年10月にアメリ
カ公開された“Layer Cake”という作品で監督業に進出。そ
れに続く作品として、今回の起用が発表されているものだ。
因にヴォーンは、子供の頃からのオリジナルシリーズのファ
ンを自称しており、昔は主役のロバート・ヴォーンと同姓で
あることから、血の繋がりがあると思い込んでいたそうだ。
 と言うことで、こういう思い入れのある監督がこの種の作
品に起用されるのは大歓迎だが、監督のデビュー作はロンド
ン暗黒街が舞台の麻薬絡みのクライム・スリラーのようで、
オリジナルシリーズの雰囲気とは少し違う。その辺で監督自
身の資質がどのようなものか、ちょっと気になるところだ。
 なお、オリジナルシリーズからは、実はその放送中に8本
の劇場版がMGMから公開されている。その作品は、1966年
公開の“To Trap a Spy”(罠を張れ)に始まって、同年に
“Spy With My Face”(消された顔)、“One Spy Too Many”
(地獄へ道連れ)、“One of Our Spies Is Missing”(消え
た相棒)、1967年に“The Spy in the Green Hat”(ナポレ
オン・ソロ対シカゴ・ギャング)、“The Karate Killers”
(ミニコプター作戦)、1968年に“The Helicopter Spies”
(スラッシュの要塞)、“How to Steal the World”(地球
を盗む男)と続くものだが、これらの内、3作目辺りからは
シリーズで2回に分けて放送された作品を、ただ繋いだだけ
のものだったように記憶している。
 しかし第1作と第2作に関しては、シリーズで放送された
エピソードではあるが、60分番組1回の作品にさらに追加撮
影を行って長編作品にしたもの。しかも、シリーズの最初の
シーズンは白黒放送だったが、劇場版はカラーで上映された
ものだった。このため、当時劇場で見ていた僕らは、劇場用
に全て撮り直された作品だと思っていたのだが、今回当時の
文献を調べていたら、実はこのシリーズはカラーで撮影され
ていたが、放送環境が整っていないために白黒で配給された
ものだったのだそうだ。最初のシーズンの全作がそうかどう
かは判らないが、ここぞと思われる作品には、そういう手段
が講じられていたようだ。
        *         *
 お次は、DCコミックスの映画化だが、これもテレビシリ
ーズで人気のあった“Wonder Woman”の映画化に新たな展開
が出てきたようだ。
 “Wonder Woman”は、紀元200年以来、絶海の孤島で男性
世界から隔絶して文明を築き上げてきた女族が、第2次大戦
中に不時着した米軍パイロットによって発見され、そのプリ
ンセスがアメリカに留学して、そこで現代文化を学びながら
正義のために闘うというもの。見えない飛行機など女族が開
発した不思議な機器を駆使する一方、女族伝来の格闘技など
の特技を活かして悪者を倒して行くというお話だ。
 そしてテレビでは、最初にABCで2本のTVムーヴィが
製作され、その2作目に主演したリンダ・カーターの主演で
1976年にシリーズ化。ただしこのシリーズは翌76年にキャン
セルされるが、主な登場人物もそのままにCBSに移動して
1979年まで放送されたものだ。なおABCでのシリーズは、
原作の設定まま第2次大戦中が背景だったが、CBSでは現
代を舞台にし、後半では妹分のWonder Girlとして、デブラ
・ウィンガーが出演していたことでも知られている。
 この“Wonder Woman”に関して、今回報告された情報は、
今年4月1日付の第60回で紹介した“Firefly/Serenity”の
クリエーターのジョス・ウェドンに、脚本と監督のオファー
があったというもの。ただしウェドンには、8月15日付け第
69回で紹介したように“X-Men 3”の監督もオファーされて
おり、そのどちらが選ばれるかは、まだ未定ということだ。
 なお、今回の情報では、当然キャスティングなどは未定の
状態だが、最近『オペラ座の怪人』で圧倒的な演技を見せた
女優のミニー・ドライヴァーが、ぜひこの役をやりたいと、
自らのウェブサイトで宣言しているそうで、企画が本格的に
動き出したら、また面白いことになりそうだ。
        *         *
 続いては、前の記事でタイトルが登場した“X-Men 3”に
関連した話題で、製作会社のフォックスから次々にスピンオ
フの計画が発表されている。
 その1本目は、映画シリーズでヒュー・ジャックマンが演
じた金属の爪を移植された狼男ウルヴァリンのキャラクター
を独立の主人公にした作品で、題名は“Wolverine”。シリ
ーズの中でも単独行動の多い主人公の単独での冒険を描くこ
とになるものだが、この脚本の執筆に『25時』や『トロイ』
のデイヴィッド・ベニオフの契約が発表されている。
 そしてこの計画では、1980年代にフランク・ミラーによっ
て発表された“Wolverine”のミニシリーズに基づいて、彼
が日本に現れ、忍者の娘マリコ・ヨシダと恋に落ちる物語が
検討されているそうだ。また、ヒュー・ジャックマンは主演
する方向ということで、さらにプロデューサーのローレン・
シュラー・ドナーからは、“Wolverine 2”を進めてシリー
ズ化する意向も表明されているようだ。
 この“Wolverine”の計画は、状況からなるほどと思える
ものだったが、それに続いて今度は、シリーズの敵役でサー
・イアン・マッケランが演じたマグニトーの生涯を映画化す
る計画も発表された。
 マグニトーは、シリーズの中ではナチの強制収容所でその
能力を発現したと設定されているということで、今回の計画
は、その時代を描くもの。ここでは、シリーズでパトリック
・スチュアートが演じたプロフェッサーXとの交流も主要な
テーマとなるということだが、2人が友情を育みながらも、
ミュータントの将来への展望の違いから、敵対して行く姿が
描かれるということだ。
 題名は“Magneto”。若い頃を描くということで、マッケ
ラン、スチュアートの出演は未定だが、この脚本の執筆を、
“The Longest Yard”のリメイクを手掛けたシェルドン・タ
ーナーが契約したことが発表されている。因にターナーは、
先に“The Texas Chainsaw Massacre”のリメイク版の続編
のストーリーを執筆したということで、ここでは殺人鬼の生
い立ちを描いたということだが、本作でも同じような生い立
ち記を描くことになりそうだ。また、ターナーは、本作では
『戦場のピアニスト』meets“X-men”のような展開を考えて
いるということだ。
 前の記事でも書いたように、“X-Men 3”の実現はかなり
流動的なようで、勿論製作者たちは本編の製作が第一という
発言を繰り返してはいるのだが、そろそろサイドストーリー
で繋いでおこうという考えも強くなり始めているのだろう。
これで良い時期に本編が再開できれば最高なのだが。
        *         *
 最後のパラマウントから、またもやトリロジーの計画で、
“The Anybodies”という児童図書の映画化権を獲得したこ
とが発表されている。
 この原作はN・E・ボーデの文とピーター・ファーグスン
の挿絵による作品で、お話は、主人公の少女は誕生の時に取
り違えられて普通の家庭で育つが、11歳の時に自分が変身能
力を持った一族の一員であることに気付くというもの。それ
から彼女の冒険が始まるという展開のようだが、すでに続編
で、“The Nobodies”と“The Sombodies”という2作も発
表されているということだ。
 ハリー・ポッターが、やはり11歳で自分の出自に気が付く
というのと良く似た展開のようにも思えるが、まあ児童向け
のファンタシーでは、こういう展開も定石ということなのだ
ろう。因に作者のボーデは、“Girl Talk”などのベストセ
ラーで知られるヤング向け小説の作家ジュリアナ・バゴット
のペンネームだそうだ。


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井口健二