※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※ ※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※ ※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 今回は続編の話題からで、まずは新作“Timeline”が今月 末に全米公開される監督リチャード・ドナーから、1985年に 監督した“The Goonies”(邦題:グーニーズ)の続編の計 画が発表されている。 前作は、スティーヴン・スピルバーグの原案製作、スピル バーグとクリス・コロンバスの脚本を、ドナーが監督したも のだが、後に『ハリー・ポッター』を手掛けるコロンバスに とっては前年の『グレムリン』に続く第2作であり、ドナー も先に『オーメン』『スーパーマン』はあるものの、翌年の 『リーサル・ウェポン』で本格的にブレイクする直前の作品 といえる。 物語は、海辺の小さな町に住むマイキー筆頭に、マウス、 データ、チャック、スルースの少年グループが、海賊「片目 のウィリー」の残した財宝の地図を手掛りに大冒険を繰り広 げるというもの。また公開当時は、撮影のために特別に設計 されたウォータースライダーなどの、まるで遊園地のような セットも話題を呼んだものだ。 そしてこの主人公のマイキーを、最近では“The Lord of the Rings”3部作のサムワイズ役などで活躍しているショ ーン・アスティンが演じ、また中国系のデータ役は、前年に 『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』でデビューしたキー ・ホイ=クワンが演じていた。 その続編の計画だが、実はこの続編に関しては、前作の公 開直後から報告されていた。しかしいろいろな事情で今まで 製作されなかったもので、その計画が約20年経ってようやく 実現することになりそうだ。 なお続編の題名は“The Groonies”。これは前作でのデー タの中国風の発音がこのように聞こえたことから名付けられ たもので、続編では成長して電気店を営むデータの店に集ま る少年たちがそう名乗るグループを結成して冒険を繰り広げ ることになっている。そしてこの冒険には、前作のメンバー も登場するということだ。 因に、残りの3人の少年の内、マウスとスルース役を演じ たコーリー・フェルドマンとジョッシュ・ブローリンは現役 の俳優だが、チャックを演じたジェフ・コーエンはその後は 学業に専念し、実はUCバークレーの法学部を首席で卒業、 現在はハリウッドで法律事務所を営業しているとのこと。そ のコーエンも続編には出演するということだ。 さらにグループと共に行動した2人の少女役のマーサ・プ リンプトンとジョー・パントリアーノも現役の女優で、彼女 らも続編に出演する計画だそうだ。 続編の脚本は出来上がっているようで、前作を製作したス ピルバーグの了承はすでに得ており、現況は最後の関門の製 作権を所有するワーナーにアプローチしているところという ことだが、この企画に断る理由があるのだろうか。 * * 後2つスピルバーグ関連の続編の情報で、まずはドリーム ワークスが製作した『ザ・リング』の続編“The Ring 2”の 来年1月の撮影開始が発表された。 日本製ホラー映画をリメイクした前作は、全米で1億2900 万ドルを興行収入を上げた他、海外でも1億2000万ドルを稼 ぎ出したということだ。また元々の日本版にも『リング2』 と『リング0』が製作されており、当初から続編の製作は自 明だったようだ。 そして続編には、前作の主人公を演じたナオミ・ワッツ、 息子役のデイヴィッド・ドーフマンの再登場が発表されてい る他、脚本は前作と同じアーレン・クルーガーが担当してい る。しかしその内容は、ドリームワークスによって厳重に機 密保持されており、印刷物はすべて暗号化されたものしか持 ち出せないということだ。 一方、監督は、前作のゴア・ヴァビンスキーに替ってコマ ーシャル出身のノアム・モロの起用が発表されている。因に モロは“Got Milk?”と題されたダークな雰囲気の牛乳のコ マーシャルで話題になり、それが今回の抜擢に繋がったとの こと。この他にナイキやフォルクスワーゲンなどのコマーシ ャルを担当し、今年のカンヌ広告映像祭では3部門で受賞の 他、アメリカ監督協会のコマーシャル部門も受賞している。 なお、1月から撮影される映画の公開は、来年11月の予定 になっている。 * * 一方、1998年に当時のアムブリンで製作された『マスク・ オブ・ゾロ』の続編の計画も発表され、この続編には、アン トニオ・バンデラス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、アン ソニー・ホプキンスの再登場と、マーティン・キャンベル監 督の再登板も発表されている。 この前作は、特にゼタ=ジョーンズがブレイクした作品と して知られるが、これを見たマイクル・ダグラスが一目で彼 女と結婚したいと言い出し、その後2年間のアプローチでつ いに念願を果たしたという伝説も生み出した作品だ。 そしてこの続編も、前作の公開直後から話題になっていた ものだが、特にこの続編にはキャンベル監督が常に中心とな って計画が進められていた。しかし製作者たちの期待に応え る脚本が中々得られず製作に至らなかったものだ。 その計画に今回は、テレビシリーズ“Alias”の製作総指 揮を手掛けるロベルト・オーチとアレックス・カーツマンが 執筆した強力な脚本がもたらされ、一気に製作が決ったとの こと。この作品も来年春からの撮影が予定されている。 因に監督のキャンベルは、アンジェリーナ・ジョリー主演 の『すべては愛のために』の全米公開が始まったところで、 これから準備を本格的に行えるようだ。また、ゼタ=ジョー ンズは新作の撮影を完了しており、バンデラスはブロードウ ェイのミュージカルに出演中だが、これらも含めてスケジュ ールの調整は万全なようだ。 なお、続編の製作発表はコロムビア=ソニーの単独で行わ れており、『メン・イン・ブラック2』のようにアムブリン が復活することはないようだ。 * * お次は前編の話題で、来年の公開を目指してワーナー傘下 のモーガン・クリークで進められている『エクソシスト』の 前日譚“Exorcist: The Beginning”の製作で、当初監督を 担当していたポール・シュレイダーが降板し、引き継いだレ ニー・ハーリンの下で6週間の再撮影を行うことが発表され ている。 1973年のアカデミー賞で作品賞を含む10部門にノミネート され、脚色及び音響部門に輝いた第1作からは、77年と90年 に続編が製作されているが、本作は第1作でマック・フォン ・シドーが演じたメリン神父の事件に至るまでの足跡をたど るもの。第1作のプロローグや第2作で描かれたアフリカの 遺跡調査での神父と悪魔との最初の遭遇の物語だ。 そしてこの作品の撮影は、昨年11月11日に開始され、今年 3月にはVariety紙に撮影終了の広告も掲載されて、来年2 月公開に向けてのポストプロダクションが行われていた。と ころが9月になって、シュレイダーと製作会社との間で創造 上の意見の相違が発覚し、ポストプロダクションの半ばで監 督の降板としてしまった。 これに対してモーガン・クリーク側は、レニー・ハーリン に監督の引き継ぎを依頼したのだが、今度はシュレイダーに 同調した俳優2人が降板を表明し、結局この2人の出演シー ンの撮り直しのために6週間の再撮影が行われることになっ た模様だ。 それにしても、撮影が終った段階での監督の降板とは珍し い事態だが、実はこのままではシュレイダーの名前も監督と して残るということで、このままハーリンとの共同監督とい うことになるのだろうか。また、再撮影が行われるローマの チネチッタ撮影所では、急遽スケジュールの立直しなど、か なりの混乱が生じたようだ。 * * 続いてはリメイクの話題で、まずは1950年にアレック・ギ ネス主演で製作されたイギリス映画“Last Holiday”を、今 年のオスカーで助演賞候補になったクィーン・ラティファの 主演で再映画化する計画が発表されている。 オリジナルはイギリスの作家、劇作家ジョン・プリースト リーの原作に基づくもので、それまでは普通の生活をしてい た主人公が、自分の死期の迫っていることを知らされ、最期 にリゾート地で散財を試みるが、それが騒動を巻き起こすと いうもの。日本では未公開のようだが欧米のガイド本では、 星3つなどの高い評価を受けているコメディ作品だ。 このオリジナルでギネスが扮した主人公を、ラティファが 演じるという計画で、脚色には『ロジャー・ラビット』や、 昨年公開されたジム・キャリー主演の『グリンチ』などを手 掛けたピーター・シーマンとジェフリー・プライスが起用さ れている。 因にラティファは、現在撮影中の『Taxi』のリメイク では、オリジナルのフランス映画でサミ・ナセリが扮したタ クシー運転手を演じており、今回の計画はまたまたヨーロッ パ映画からのリメイクで、しかもどちらもオリジナルは男性 の役を演じることでも話題になっているようだ。 * * もう1本リメイクの計画は、1987年にブレイク・エドワー ズ監督、ブルース・ウィリス、キム・ベイシンガーの共演で 映画化されたコメディ作品“Blind Dates”(ブラインド・ デート)の再映画化が計画されている。 オリジナルの物語は、仕事中毒気味の男性がふと誘われた ブラインドデートで羽目を外し過ぎたことから、会社絡みの トラブルに見舞われるというもの。実は、『ダイ・ハード』 の前年にトライスターで製作された作品で、ウィリスの映画 主演デビュー作とも言われているもののようだ。 そして今回のリメイクでは、リヴォルーションでこの夏公 開したハリスン・フォード、ジョッシュ・ハートネット共演 の『ハリウッド的殺人事件』を手掛けたルー・ピットが製作 を担当し、この脚色もピーター・シーマンとジェフリー・プ ライスが担当することになっている。 脚色以外のスタッフキャストや製作時期などは未定だが、 この作品のリメイク権はコロムビアが所有しており、最終的 にはリヴォルーションと同社の共同製作になりそうだ。 * * 新しい話題で、昨年の東京国際映画祭で話題を呼んだブラ ジル映画『シティ・オブ・ゴッド』のフェルナンド・メイレ レス監督が英語作品に初挑戦することが報告され、その作品 としてジョン・ル=カレ原作“The Constant Gardener”の 映画化の計画が発表されている。 原作はアフリカのケニアを舞台に、イギリス人外交官が現 地の人権運動に関わっていた妻の謎の死を切っ掛けとして、 西欧製薬会社と現地政府との癒着を暴くというもの。そして この脚色を、1995年の『007/ゴールデンアイ』を手掛け たジェフリー・ケインが担当し、主人公のジョスティン・ク ウェイル役にはレイフ・ファインズの配役も決定して、来年 3月からの撮影が予定されている。 因にこの計画、元はマイク・ニューウェルの監督で進めら れていたものだが、彼が“Harry Potter and the Goblet of Fire”の監督に決ったためにメイレレスの起用となったよ うだ。しかし、前作で社会性の強い作品を手掛けたブラジル 人監督には、第3世界と西欧企業の関係を描いたこの原作の テーマに最適との呼び声も高く、製作会社のフォーカス・フ ューチャーズが所有する全世界の配給権には、すでにミラマ ックスやUAなどから強い引合いが来ているということだ。 なおル=カレ原作の映画化では、2001年に原作者自身の脚 色製作総指揮による『テイラー・オブ・パナマ』が公開され ているが、今回の映画化は原作者が直接関わっているもので はないようだ。 * * 前回に続いて、アイザック・アジモフ原作の映画化の情報 で、パラマウントとクルーズ/ワグナーの製作による“End of Eternity”(邦訳:永遠の終り)の計画が報告された。 1955年に発表された原作は、アジモフでは珍しい時間テー マの作品で、時間移動の手段を手に入れた人類は、時間管理 機関を創設して正しい歴史が進むよう操作を行っているが、 その担当官が一人の女性を愛したことから問題が生じるとい うもの。 そしてこの原作の映画化の計画は数年前から立上げられ、 一時はゲイリー・ゴールドマン脚色で、リドリー・スコット 監督という話もあったようだが、立ち消えになっていた。 今回はこの作品の脚色に、“The Singing Detective”と いう作品のパラマウント配給が決ったキース・ゴードンの起 用が発表されたもの。因にゴードンは、ジェニファー・コネ リーの主演で2000年に発表した“Waking the Dead”という 作品が高い評価を受けているようだ。 なおこの計画で、トム・クルーズの出演は発表されていな いが、パラマウントでは、“Timeline”に続く時間ものとし て期待される。 * * クルーズ/ワグナーの話題のついでに、来年1月からの撮 影が予定されている“Mission: Impossible 3”で、新たな キャスティングの情報が紹介されている。 同作のキャスティングでは、先にヒロインの情報をお伝え したが、今度は男優で、アンディという名前のチームメイト が選考されている。役柄は、20代後半から30代前半、すでに IMFのエージェントで、聡明で運動能力に優れ、コメディ アンのようなウィットを持ち、コンピューターに対する知識 も豊富。さらにバイカーで、ヒップホッパー、高位の貴族の 称号を持つというもの。 こんな奴がいるのかと言われそうだが、役柄ということだ から、別段本人がこの通りである必要はない。要はこのよう な雰囲気を持っている俳優が選考されているということだ。 因に、女優の方にはアメリカ訛りが喋れることという条件が あったが、男優は国籍を問わないということだ。 ただし、『ナーク』のジョー・カーハンが監督するシリー ズ第3作は、最新の製作情報でもトム・クルーズ以外のキャ スティングは明らかにされておらず、ヒロインの選考も進ん でいないようで、さらに撮影開始が遅れるという情報もある ようだ。 * * クリス・ヴァン=オールズバーグの原作で、CGI/実写 合成による“Polar Express”の映画化を、キャッスルロッ ク=ワーナーとの共同で完成したばかりのトム・ハンクス主 宰プレイトーンから、さらに絵本の映画化の計画が発表され ている。 新たに発表されたのは、モーリス・センダク原作“Where The Wild Things Are”。1963年の文学賞受賞作でもある原 作は、元々キャラクターのユニークさなどで映画化が期待さ れていたものだが、ユニヴァーサルとの共同で進められてい るこの計画に、さらに『アダプテーション』などのスパイク ・ジョーンズ監督の契約が発表された。 原作の物語は、マックスという名前のいたずら好きの少年 が、夕食を取り上げられた日に、子供の想像力で自分の部屋 をジャングルに変え、怪物や野性の動物を造り出して自分が その王様になるというもの。 この映画化にジョーンズ監督が挑戦する訳だが、元の計画 ではオールCGIで製作されることになっていた映画化は、 ジョーンズ監督の起用で、実写も考慮した体勢に作り替える ということで、かなりユニークな作品になりそうだ。 なお、プレイトーンではもう1本、ワーナーとの共同によ る“Ant Bully”の映画化の計画も進めており、こちらは、 昨年のアカデミー賞で第1回長編アニメーション作品賞候補 になったパラマウント製作“Jimmy Neutron: Boy Genius” のジョン・デイヴィス監督で進められている。 * * 最後に脚本家の話題を2つ。 まずは、ザ・ロック=ドウェイン・ジョンスン主演で計画 されている“Johnny Bravo”の脚本に、マシュー・ベリーと エリック・エイブラムスのコンビの起用が発表されている。 カートゥーンネットワークの人気アニメーションから、シ リーズの大ファンだというジョンスンが自ら主演を買って出 ている今回の映画化は、ワーナーとカートゥーンの共同製作 で進められているが、計画されている物語では、ジョニーが 長く行方不明だった父親を探す展開になるということだ。 なお、起用される脚本家コンビは、“Undercover Elvis” という脚本を発表している他、ヘンスン社が昨年フォックス で計画した“New Muppet Show”のパイロット版なども手掛 けているそうだ。 * * もう1本は、以前に紹介した“The Phantom”の再映画化 で、元オリンピック競泳の金メダリストから脚本家に転身し たメル・スチュワートの起用が発表されている。 同名のコミックスの映画化は、最近では1996年に製作され たビリー・ザーンと、ブレイク前のキャリン・ゼタ=ジョー ンズの共演作があるが、今回の計画でスチュワートは、舞台 を現代にすることを希望しているそうだ。 因に、96年の映画化は舞台を1930年代に設定しているが、 コミックスの設定では、主人公は何代にも渡って人類を守り 続けてきたということで、物語の舞台が現代になることはな んら問題ないそうだ。
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