夢三昧
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2003年11月26日(水) |
銀座落語 柳家花緑独演会 |
花緑 四季の会 〜一晩で落語の一年を味わおう!〜
銀座博品館劇場/19:00開演 M列
春:長屋の花見 夏:祇園祭 秋:目黒のさんま 冬:芝浜
お囃子 小口けい社中
花緑さんの狙い通り、一晩でまさに四つの季節を思い切り味わうことが出来ました。 贅沢な四席でした。 本当に本当に、どれもこれも甲乙つけがたい素晴らしさでした。 そもそも一人の噺家さんの落語を四席いっぺんに聴けるなんてことは、珍しいのだそうです。 その上選ばれた噺がこの四つときたら、この公演のチラシを目にした瞬間よだれが出るかと思うほど(汚くてスミマセン)でした。
マクラは今回もとっても興味深いおはなしの数々でした。 自己紹介(笑)からはじまって、春にNHKのBS番組に出演された時の面白エピソードや江戸時代のお話、はなまるに出演された時のご感想(これは前にもお聞きした気もしましたが・笑)、小朝師匠がその昔博品館一ヶ月独演会という偉業を達成されたということ、鈴本が火事になってしまったこと、お囃子のご説明、本やCDを買って下さいということ(笑)、こぶ平さんところの小ぶたさんのこと(爆)エトセトラ〜〜〜♪ とにかく一席ごとにおしゃべりして下さるのですから、計四回(笑) わたしは毎回ここも落語と同じくらい楽しみなので、今回も堪能致しました。 ただ、OINARIのお話が出るかな〜と思ったのですが、意外にも一度も出ず(苦笑) また次回に期待したいと思います。
さてさて落語ですが。 「長屋の花見」はみなさんご存知でしょうか。 お番茶をお酒のようにみせかけて一升瓶に入れ、おつまみの蒲鉾と卵焼きはたくあんとおこうこ(どちらも大根!・笑) 大家さんに集合かけられた長屋連中が、これら持参で嫌々花見をするのですが・・・☆ 出演者が大勢いるのですよね。 ひとりずつではなくみんないっぺんにしゃべるところがあって、その表現がとても面白かったです。 春の代表的な落語になるのだと思います。
「祇園祭」は知らない噺でした! でも、スローテンポな前半と畳み掛けるような後半、笑ったのなんのって(爆) 特に後半が圧巻です。京都と江戸の祭り自慢比べが、とにかく凄かったです。 いえ、凄いを通り越して天才でした。 何回も聴いてみたい一席です!!
お馴染み「目黒のさんま」はあまりに有名ですが。 とにかく、サンマの食べ方がお上手過ぎて、サンマの焼いているニオイも、骨も、ジュウジュウという音も、全部伝わりすぎるほど伝わってきて、わたしもさんまは目黒にかぎるーーーーーと、叫びそうになってしまいました(笑) でも、一番のお気に入りは、殿様が普段いつも食べている「鯛」がどんなふうかというところ♪ 花緑さんの身体全体で表現するその「鯛」だけでも必見です(爆) 何度でも観たくなる「鯛」なのです〜〜〜!!
最後の「芝浜」は、昨年の今頃小朝師匠の高座を拝見し、涙してしまった噺。 とっても素晴らしかったのです。 夫婦愛の噺で、もちろん所々笑えるネタは入れて下さいますが、基本的には笑える噺ではありません。 花緑さんの「芝浜」は、是非聴いてみたい噺のひとつでした。 なんでも、故小さん師匠は「芝浜」はやらなかったのだそうです。 名人でも、避けたいジャンルがあるものなのですね・・・。 でも、花緑さんはその「芝浜」に挑んで下さるというではないですか。 そして、、、見事にやってのけて下さいました。 もの凄い熱演でした。 ラストの一言は、本当に心にジーーーンと響きました。
花緑さんの落語に出逢えて、本当に幸せだと思った一夜でした。 そして、もっともっと落語が聴きたくてたまらなくなりました。
ちなみに、やっと思い切って『花緑ピアノばなし「じゃじゃ馬ならし」』を購入しました♪ もちろんサイン入りです(笑) 宝物ですね・・・・・
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