せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2009年11月20日(金) ハイリンド「華々しき一族」「お婿さんの学校」

 11月20日(金)
 ハイリンド「華々しき一族」「お婿さんの学校」
 劇読みで一緒だった(といってもチームは別。打ち上げでほとんど初めて楽しくもりあがった)枝元萌さん、それに「短編連続上演」「夢はおもちゃ箱につめこんで」の小泉真希さんが出演。
 ミクシィの「目劇者」コミュで案内をもらって、多根周作さんにチケットをお願いした。感謝。
 もっちゃんと二人で、赤坂レッドシアターへ。
 森本薫の「華々しき一族」。枝元さんが演じる「諏訪」は、杉村春子さんの持ち役。
 軽やかなハイコメディが、心理劇のような感触の重厚な舞台になってて、新鮮。
 思いよりも先に言葉が先行してしまう人物達が織りなす軽やかなコメディというのが、この作品の本来の味じゃないかと思うのだけれど、演出の中野成樹さんは、言葉がより先行していく軽々しさよりも、思い悩んだ果てに選んだ行動が、はてしない混乱の渦を巻き起こすという構造を選んだように思えた。
 枝元さん演じる、舞踊家の諏訪は、軽やかで、登場してから、一気に舞台に風を巻き起こす。鉄風役の芥勘兵衛さんも、この複雑な恋愛を唯一外から見る役割が適確。
 ラスト、須貝が去ってしまったあと、諏訪と二人の娘がハンカチをとりあって泣いて終わるのを、今回はばっさりカット。ラストは深く深くうなだれていく、美納が印象的だった。
 モリエールの「お婿さんの学校」、「亭主学校」っていうタイトルで読んでたんじゃないかと思う。
 とっても楽しい舞台。
 レゴでつくった家のような装置が、ぐっと生きてきた。
 たぶんしとやかなお嬢さん役の小泉さんが、なんだかとても今風の女の子でおかしい。
 大きな荷物を抱えて出てきた瞬間が、「ふるあめりかに袖はぬらさじ」の洋妾口(らしゃめんぐち)の遊女みたいな、そんなふてくされ感。
 「華々しき一族」から「お婿さんの学校」への転換がとてもおしゃれ。「華々しき」の重たさは、これ以降の軽さを際だたせるためだったのかもしれないと思った。
 終演後、小泉さん、枝元さんにごあいさつ。多根さんへも初めまして。
 帰り道は、また少しのんびり帰りたくなって銀座線浅草まわりで。


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