せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2001年12月20日(木) |
フライングステージ稽古 |
去年の「贋作・黒蜥蜴」もそうだったけど、原作があって書いていると、「あらあらこんなに運んじゃう!」っていうくらい、さくさく書ける時がくる。 それは大体、終わりが見えてきたところなんだけど、今年の「贋作・犬神家の一族」もそんな地点にたどり着いた。 今日持ってったのは、昨日の続きの場面。 佐智が死んで、三姉妹が、かつて青沼菊乃にはたらいた暴行(!)を語る場面。 そして、その情景を「再現」していく。 その後、松子が珠世に「誰を選ぶのか考えを聞かせてほしい」と尋ねると、珠世は「この人は佐清さんではありません」と言って去る。 松子は仮面の佐清に「珠世の言ってることはうそっぱちだよね」と言うが、仮面の男は「俺は青沼静馬。あんたとあんたの妹たちに痛めつけられた青沼菊乃の息子だ」と真実を物語る。 次の場面は、オリジナル、湖を舞台にした「湖祭り」(安くてゴメン……)の「お神楽」の場面。 全てが終わると、湖に浮かび上がる佐清の仮面……。そして、逆さまに立つ二本の足。 っていう、「犬神家の一族」としては、絶対にはずせない「お約束」の場面です。 稽古は、アルピーナさんが今日は来てくれたので、佐武との再現シーン、佐智との空き屋敷でのからみ等々、順番にやっていく。 そして、高市氏の老婆お園と僕の松子のやりとりも。 場面は順調に進んで、今日持っていったところをさくさくと。 一番のポイントは、三姉妹が青沼菊乃をいじめるところ。 もう、やりたい放題をやることにする。 菊乃は、静馬と二役のフッチー。原作の映画では、無音のコワイところなんだけど、わいわいにぎやかに暴れてしまう。 そして、原作に沿った(わりとね)場面が続いて、「湖祭り」の「お神楽」の場面。 ていうか、アルピーナさんがメインでシンクロのショーをやるんだけど。 曲は、松田聖子の「天使のウィンク」。 マミーが今日、日暮里で買ってきてくれた青い布(100円/m)を波布にして、イカす振付が繰り広げられる。 もう、笑った、笑った。イカすわ、ほんと。 すっごい、スペクタクルじゃないのッ! 最後に残るフッチーの「二本足」は、三点倒立じゃなくて、舞台の上に寝っ転がって足を上げてもらうことにする。波布もあるし、これで全然だいじょうぶ。 その足を見て、早瀬くんの小夜子が「私も仲間に入れてよ……」って言うんだけど(これも川口晶の名場面)、そのまんま湖にずぶずぶ入っていく。もちろん、パントマイムの階段みたいに(!)だんだん背を低くしながらね。 と、大体通ったところで、今日はここまで。 今度は土曜日。台本は、きっと終わりまで行ってると思う。 日曜日に芝居をかためて、月曜からは通し稽古だ。
その後、高円寺で、3月のプロデュース公演の打ち合わせを、デザイナーのマツウラくんと。 ずっと悩んでたタイトルをようやく決める。 タイトルは「トリック」。「TRICK」でもいいんだけどね。 大好きな映画のタイトルで、「男が男を引っかける」って意味もあって、もちろん手品なんかの「ごまかし」の意味もある。 今度の芝居は、みんながみんな嘘をついてる、自分にも、他人にも、そんなお話だ。 というようなことを、マツウラくんに話して、これからデザインをしてもらうことに。 よろしくお願いいたしますです。
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