せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2001年11月10日(土) |
パニック TOGETHERミーティング 飲み会 |
録画しておいた、昨日の「アリーmyラブ4」を見る。 アリーの二股の恋は、あっという間に、ロバート・ダウニーjrとの恋に乗り換え成功! そのあっという間の展開がとっても小気味いい。これからどうなるのか、楽しみだね。 でも、この人(役者さん)ったら、麻薬不法所持かなんかで、このシリーズで降板しちゃってるんだよね。ようやくカムバックしたと思ったのに。 声をあててる郷田ほずみさんもこのシリーズのみってわけ。なんだか気の毒。 それよりも、ショックだったのは、前回、すっごい素敵な展開になったMTFのシンディとマークのおつきあいが、終わってしまったこと。 前回のラストは、絶対に「セックスあり」なおつき合いの始まりだと思ってたのに、そうじゃなかったんだ。 そのことで、マークはうじゃうじゃ悩んでる。バカじゃないの、もう? それにしても、二人がつきあい始めたことについての事務所の面々の「偏見」と「好奇心」いっぱいな視線にイライラ。 やっぱりダメってことなの、こういうお話は? 限界は超えられないってことなわけ? ちょっと、ていうか、かなりがっかり。
今日は午後から、「TOGETHER」というグループのミーティング。 「TOGETHER」っていうのは、ゲイとビアンとバイセクシュアルと、その他いろいろ何でもありなコミュニティ。 始まって、もうじき10年なんだけど、当初の「コミュニティ」として、東京のゲイシーンであるポジションをしっかり守る(?)みたいなノリとはずいぶん様変わりしてきた。 初めは、ぽっと出の新人くんから、プロまで、何でもOKで、とにかく「ちゃんと話すこと」を目的としたコミュニティだった。「コーカウンセリング」をやってたメンバーがたくさんいたせいもあってね。 今は、どうなんだろう? コミュニティの存続って、中心メンバーのある目的が達成されちゃうと、その時点で難しくなってくるんだよね。 たとえば、出会い系のところだったら、メンバーのほとんどにパートナーができたら、もうやってる意味がないとか。これは一番よくあるパターン。 僕たちの場合で言えば、「自分自身にちゃんと向き合おう」ってことをある程度やっているうちに、自分のことは「とりあえずだいじょぶ」ってことになった。 そうすると、次は、「誰かのために」やってくってことになる。 右も左もわからないゲイやビアンに、東京のゲイ&レズビアンシーンっていうのは、こういうところよっていう、オリエンテーションをする。もちろん、自分に向き合うってことを、経験してもらう。っていうと、堅苦しいけど、まずは、自分の話をしてみようってこと。 でも、そんな「人のため」にやってるコミュニティって、どこかで「何でやってるの?」ってことになってくるわけ。 僕らもそうだった。 特に、この頃は、インターネットの普及で、「右も左もわからないぽっと出の新人」なんていうのは、さがしても見つからないような状態なんだから。 だから、僕たちも、どうするか考えた。これからも続けていくかどうか。今から3年くらい前かな。 で、出した結論は、もう一度、自分たちのためにやっていこうっていうこと。 「TOGETHER」っていうコミュニティは、発展向上してかなくて、全然いい。 人数が増えるとか、注目されるとか、そんなことちっとも期待しない。 ただ、僕たちが楽しければそれでいいっていうふうに。 隔月の「ギャザリング」っていう例会と、その準備のためのミーティング。そのたびに僕たちは集まって、わいわいしゃべって、またねと別れる。 そして、一緒に年をとっていけたらそれでいいじゃないのってことに決めた。 開き直ってしばらくは、これでいいの?ってかんじだったんだけど、この頃は、すっかり居心地がいい。 間違いなく、僕らは一緒に年をとっていってるし、僕についていえば、フライングステージのような、大きな目的と意志をもったグループと、全然違うノリの「TOGETHER」は、ほっと息がつけて、弱音がはける、大事な避難場所になってる。
で、今日は、1時半頃、部屋を出て、コンビニで印刷物をコピー。 色の用紙をこっそり入れたら、つまってしまって大いにあせる。 2時に、山崎くんと荻窪の駅で待ちあわせをしていたので、あたふたと駅に向かう。 「夜曲」のHPを新しくつくるためのソフト(ページミル)を渡すため。 電車に乗って、荻窪の改札で山崎くんにソフトを渡し、地上に出る。 今日のミーティングは、メンバーのワカちゃんとクミちゃんのマンション。 荻窪からバスに乗っていかなくちゃいけない。 地上に出て、ふと気が付いた。ていうか、愕然とした。 バッグがない! いつも持ってるサムソナイトの四角いショルダーバッグがなくなってる。 手には、TOGETHER関係のものを入れた紙袋とiBookと傘だけ。 ちょっと重たいフェイクレザーのコートを着ちゃってたので、いつどこでなくなったのか、全然気が付かなかった。財布も今日はコートに入れてたし。 もうパニクってしまう。 JRの中だろうか? 駅に置いてきた? それともコンビニ? 全然記憶がない。 とりあえず、山崎くんに電話する。「僕、あなたに会ったとき、バッグ下げてたよね?」「ええ、たしか」。 それから、コンビニ、「レジか、コピー機の前にバッグ置き忘れてませんか?」「ないですよ」。 ああ、やっぱりJRだ!と思いつつ、とりあえず、高市氏にも電話する。ポストの前で郵便のチェックをしたときに置き忘れてるかもしれない。 電話はなかなかつながらなくて、かなりいらいらする。 ようやく出てくれた高市氏に尋ねる。「どこかにバッグを置き忘れてきたみたいなんだけど、一階の郵便受けの前か、もしかしたら、玄関に置きっぱなしになってないかな? 悪いんだけど、ちょっと見てきてもらえるかしら」「わかった、ちょっと待ってて」。 しばらくの間の後、高市氏の声「あんたのバッグってグレーの四角いやつ?」「そうそう」「あんたの部屋にあるわよ」「…………」。 初めから持ってなかったんでした。何やってんだかってかんじ。 バッグの中には今日の稽古着しか入ってないので、このまんまミーティングに行って、稽古場に直行すると伝えて、電話を切る。 と、次の瞬間。バッグの中に「TOGETHER」関連の印刷物が一式入っていることを思い出し、あわてて電話。「やっぱり、一度戻るわ」。 大急ぎでJRの改札口に向かい、切符を買って、ホームへ。一息ついた、エスカレーターで、これから録りに戻ろうとしている書類は一式、手に持ってる紙袋に入ってることに気付く。何やってんの? ホームで、立ち止まって、深呼吸をして考えた。で、もう一度電話して「全部、持ってたので、やっぱり戻るのやめます」と伝える。 このへんで、完全にどうかなってるような気がしたので、落ち着こうと思って、今買った切符を改札で渡して、駅ビルで、手みやげの豆大福を買って、コーヒーを飲んで、気持ちを落ち着かせる。 よし、大丈夫と思ってから、バスに乗って、ワカちゃんのうちに向かう。 ワカちゃんとクミちゃんのマンションはとってもきれいな新築で、動物がいっぱいいる。 インコのグーに、ギニーピッグ(たぶん。毛のないモルモット)の博士(はかせ)と、チワワのうずらちゃん。 みんなもう集まってて、マドンナの新しいベストを聞きながら、動物たちと遊んでる。 いいね。動物は。僕はうずらちゃんにどうしてもなついてもらえなくて、それでも、諦めないで、あの手この手でチャレンジ。 その合間にTOGETHERの案内の発送作業もさくさくと完了。 その後、みんなといろいろ話す。 仕事のこととか、年のこととか(笑)。 ちっともお仕事ノリじゃなくって、こうしてのんびりおしゃべり出来てる時間がとっても気持ちよかった。そして、なんて贅沢なんだろうと思った。 もちろん、さっきのバッグの顛末を報告したら、みんなに笑われた後、「あんたってほんとにそうよね」とジャスミンさんに断言される。 夕方になって、僕は稽古があるので、先に失礼することに。 ワカちゃんとクミちゃんが見送ってくれた。 雨はほとんど止んでたんだけど、傘を忘れずに持って帰る。 高井戸の駅までてくてく歩いて、ホームで「エレクトラ」のセリフをさらってるうちにふと、気が付いた。僕は、誰のだかわからない見たことのない傘を持っていた。 ワカちゃんに電話して、「ドジのとどめってかんじなんだけど、誰かの傘を持ってきちゃったみたい」と話す。 ワカちゃんは「気を付けてね。今日、どうかしてるみたいだから、間違って吉祥寺行きに乗らないようにね」と言ってくれる。 だいじょうぶ。ちゃんと渋谷行きに乗りました。
で、今日のフライングステージの稽古は用賀の稽古場。 思ってたより時間がかかって、着いたのは7時半。 みんな集まってて、すぐに基礎トレを始める。 でも、僕はちょっと大人しくしてようと思って、見学。 まみーもこないだに続いて調子が悪いので見学。 まっすーにストレッチと発声をしきってもらう。その後の、しりとりや何かも。 途中から、どうもだらけてきたので、立ち上がって、まるで「試験の監督をしている教師」のように、みんなのまわりをてくてく歩いてみる。目を光らせてるってかんじかな。 後半は、この間できなかった、細川くんとフッチーの組の稽古をみっしりと。 ほとんど口やかましく、演出をつけていく。 僕のダメ出しに「はい。はい」と返事をするフッチーに「演出家のダメの一言一言に『はい』って返事しなくていいから。全部聞いてから一度でいいから。そんなことしてると他の演出家は怒ると思うよ」と、また「いやなかんじで」お行儀関係のダメを出す。 予定していたラストまで行けずに途中でおしまい。 続きはまた今度。 一昨日から、3日連続で、演出ばかりしている。 これは、自分が芝居するよりもよっぽど疲れる。 この間の「粘土のエチュード」じゃないけど、自分ができること、してほしいことを、相手に伝えるのは、本当に難しい。 でも、その難しさがあるからこそ、おもしろい。 予想してなかったものがひょこっと出てきたりするしね。
夜は、新宿に出て、来年3月のプロデュース公演のキャスト、青山吉良さん、郡司くん、いっこうちゃんと飲み会。この顔ぶれでちゃんと飲むのは、実は初めてだ。 電話で聞いた、「東方見聞録」っていう居酒屋に行ったら、イワイワと森川くんがいた。 久し振りだ。 わいわい芝居の話をしながら、結局、朝まで飲んでしまう。 4時過ぎに店を出て、始発にまだ間がある、郡司くんにつき合って、僕といっこうちゃんの三人は「ラピス」へ。 マスターのヒロシさんは、いつもフライングステージを見に来てくれてる、とっても芝居好きな人だ。 始発の時間をとっくに回ってるのに、わいわいしゃべって6時頃、店を出る。 外はぼちぼち明るくなってきてるなか、無事に帰宅。 濃ゆい、一日だったわ。ぐったりってかんじ。
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