せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2001年11月06日(火) 「淀川長治物語」 明和電機@「おしゃれ工房」

 今日はテレビの話を……

 夕べの夜中ていうか朝方、「淀川長治物語」っていうのを、全部見ちゃいました。
 監督は、大林宣彦。
 もともとはテレビだったそうなんだけど、これは、映画として、カットしてた場面も復活させたものだそう。
 神戸の芸者置屋に生まれた淀川長治少年が神戸を出て行くまでのお話。
 活動写真の映画館の場面がいっぱい出てきてね、なかなかおもしろかった。
 長治少年を演じる子役がとってもよくって、しかもかわいいんだ。仲良しの貧乏な子と一緒に神戸の丘から町を見下ろしている時の絵は、まるで「きいちのぬりえ」みたいだった。
 って、あんまり的確な譬えじゃないけど、映像は、さすがに大林監督、どこもとってもきれいだった。
 長治少年の家族が映画を見てて、その映画は、彼の生い立ちを語ってるもの。しかも弁士は長治自身っていう趣向がとってもうまくいってる。
 父親の柄本明、母親の秋吉久美子、それに祖母役で白石加代子が出てるのが豪華!!
 長治少年はとってもおばあちゃん子なんだけど、そりゃそうでしょってかんじのおばあちゃんだったね。
 柄本明の病気がちな本妻が根岸季衣で、長治少年の足をつかんで死ぬっていう場面もすごかった。
 脚本は、大林宣彦と市川森一。大林さんは、編集もやってて、さすがの切れ味だ。
 無声映画のコマ落としみたいに、微妙に食い気味に次の場面に移っていく。その「カタカタ」したかんじが、とってもいい。
 ラスト、神戸を出ていく汽車におばあちゃんの目を盗んで乗り込む長治少年が、実際の駅から映画館に移動していて、彼はスクリーンに映った映画の中の汽車に乗り込んでいくあたり、まるでウッディ・アレンの「カイロの紫のバラ」なんだけど、それも見事だった。
 追いかけてきた白石さんは、呆然とスクリーンの横に立ってて、その「映画」を見てた長治少年の家族は、映画が終わって、一人一人帰っていく。
 で、「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」って言っておしまい。
 劇中の「さよならの数だけ出会いがあるんだ」っていうセリフもよかったな。
 大林宣彦監督は、最近はそうでもないんだけど、昔はとっても好きだっ。
 「時をかける少女」とかね。
 僕が初めて自分のお小遣いで見た映画っていうのは、実は大林監督の劇場デビュー作「ハウス」っていう、なんだかすごいホラー映画。でも、好きなんだよね。
 あと、テレビでやった「怪猫伝説」とかいう入江たか子(往年の化け猫女優さん)が出てくるドラマもおもしろかったな。それから、タイトル忘れたけど、すっごいきれいな女の子が次々人を殺していくやつ。赤座美代子の頭に花瓶が落ちてきて、花瓶をかぶったままくるくるまわって死ぬやつとか……。って、誰もわかんないよね。ビデオにはなってると思うけど。
 
 で、もうひとつ。
 今日の夜、何となくテレビを見てたら、教育テレビのおしゃれ工房に「明和電機」が出てた。
 例の指パッチンをすると背中の(正確には、背中に背負った羽の先にある)木魚が鳴る「パチモク」を背負った土佐信道さんが、司会(?)の堀ちえみとしゃべってる。
 「パッチーナ」っていう、「指パッチンだけで音が鳴る」モノを作るらしい。
 プラスチックの板を2枚(?)つなげて、ワッカをつけて指にはめて、指をパッチンってやると(ていう、指を折ると)「パッチン」っていう可愛い音がする。
 小さな女の子が髪をとめる「ぱっちんどめ」。あれに限りなく近い。
 プラスチックの板には、カラフルな絵が書いてあって、たしかに「アクセサリー」なかんじ。
 ワッカもほとんど指輪ノリだもんね。
 安藤広重の東海道五十三次の絵なんかのシリーズもあって、それはアクセサリーじゃないだろう!ってかんじ。
 番組後半は、サバオや、合唱団が登場して、ライブ。
 女子アナに「たくさん着替えますね」って突っ込まれてたけど、そのくらい、エンターテインメントしちゃってる。
 この「おしゃれ工房」って、編み物の広瀬光治先生やら、辻村ジュサブロウさんやら、やたらと「濃ゆい」人が登場する、なかなかあなどれない番組だ。
 広瀬先生は、カラオケボックスで「柳ヶ瀬ブルース(by美川憲一)」歌ってるしね。

 って、今日は、稽古も芝居もなかったんだけど、つい書いてしまいました 。
 ほんとは、新国立の「コペンハーゲン」を見に行くはずが、挫折。来週はかならず!!


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