せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2001年11月03日(土) 「アリーmyラブ4」 Peace Maker「PRIVATE OPINION」

 録画してた「アリーmyラブ4」を見る。
 今度のシリーズは、アリーの独白(ナレーション)が多いみたいだ。
 それから、レネの歌もね。
 お話は、年上のおじさまとデートをしてるアリーなんだけど、そういう時に限って、若いイカす男子との出会いが多いのは何でよ?という「揺れる女心」モノ。
 おじさまとデートするレストランで出会った若い男子と、別の日に道でまたばったり会って、「僕って運命を信じるほうなんで……」と誘われて、絶対に「それだけは許さない」ハズだった「二股をかける」ことに。
 オフィスで二人の男がニアミスしてしまいそうになるのを必死で阻止したのに、その日の夜、家族に紹介するというおじさまが連れて来たのは、例の若い男子だった……というお話。
 って、本筋はまあいいとして、おもしろかったのは、別なところ。
 こないだも書いたFTMの女子シンディがアリーの事務所のマークっていう男子とつき合ってるって話。
 今回ついにシンディは、自分が「男子」だってことをマークに告白する。
 それも「話す」んじゃなくて、「抱きしめて」「もっと強く」って言って。イカすよね。
 「あらら、これでおしまいになっちゃうの?」って、僕は思ったし、シンディもそう思ったんだけど(きっと)、そうじゃなかったの。
 シンディの部屋をためらいがちに訪ねたマークが言うんだよね。「僕には君が女だとしか思えない。今まで通りつき合おう」って。
 もう、やるじゃん!!ってかんじ。
 このマークっていうお兄さん、このドラマの中では僕的に一番イケてない人だったんだけど、もうびっくり。
 これから、どう展開していくのか、楽しみだわ。

 昼間、友達の小野坂くんが出演してる「Office Peace Maker」の芝居を見に、小金井へ。
 東小金井の駅から10分くらい歩いたとこにある「現代座」という劇団のアトリエが会場。
 「PRIVATE OPINION」というお芝居。
 往年の超人気ロックバンド"Rumble Fish"。解散して今はそれぞれが別の生活を送っている。そんなある日、再結成の話が持ち上がり、彼らは、アメリカツアーへ出発する。
 っていうお話。
 以前のHPの日記コーナーでは、「感激」した芝居についてだけ、書いてたんですが、この形にリニューアルしてからは、「何でも書く」ことにしました。
 ので、書いてしまいます。
 このお芝居、僕は、とってもつらかったです。
 舞台上で生演奏されるロックバンドのテクニックがどうという問題じゃなくてね。
 どこにも生身の人間がいない気がして。
 まるでアニメの登場人物みたいな気がしてしかたがなくて。
 すべることが前提のようなギャグも、登場人物全員がカタカナの名前だってことも(ロイドとかジャックとかアレンとか。たぶん舞台は日本なんだと思うけども。それとも架空のどこか?)、一世を風靡したロックバンドのメンバーだったってことを納得させてくれるものが全くないこととか(演奏の腕じゃくてね)。
 芝居はウソで全然いいんだけど、そのウソをちゃんと信じさせてくれないと。
 見ながら、とってもつらくって、そのツラサの理由をずっと考えてたんだけど、一番の理由はこれなんだと思う。
 彼らがOKだと思ってることが、僕には全然OKじゃないってことについてのショック。
 芝居として観客の前に立つってときに、何がよくて、何がダメなのかってことについての基準みたいなものが、全然違うんだってことに気が付いてしまって。
 「映画のような芝居」をしたい人たちのようなんですが、僕は「アニメ」みたいだと思っちゃいました。
 この頃、若い人の劇団を見て時々思うんだけど、芝居をやりたい!って気持ちのもとがアニメだったりすると(特に作者)、登場する人物が「それはアニメでしか成り立たないでしょ」としか思えないときがある。
 やってみるのは別にかまわない。
 でも、アニメが成り立ってるのは、声優さんがちゃんとしたテクニックを持ってるからで、どんな他愛のないセリフだって、それなりにおもしろくしてしまえる。
 だから、そんな腕がない人たちが、しかも舞台で生身のカラダでやったりすれば、成り立つはずがないんだと思う。
 でも、今の芝居ってそれでもOKなのかもしれないね。 
 事実、配られたアンケートにお客さんはていねいに書き込んでたし。
 でも、僕はだめだったな。
 開演が10分押したのはまあいいんだけども、その開演直前に僕の前に座ってた女のお客さんがトイレに行ってしまって、「あ、この人が帰ってきたら開演ね」と思ってたら、その前に始まってしまった。そして、彼女は、芝居が始まる前の暗転中にドアを開けて入ってきた。
 開演前にトイレぐらいチェックしようよ。開演中はドアの前に誰か立って、暗転中はドアが開かないようにしようよ。もしくは、ドアがあいてもだいじょぶなように、幕をつっておくとかね。
 きっと、旗揚げ2回目で、舞台っていうものに慣れてないんだと思うけど、そのくらいは常識として知っておいてほしいと思う。
 そのへんがちゃんとしてたら、おもしろかったのかな? 人物の名前がちゃんと日本人してたらもっと見れたのかな?
 こんなに「なぜなんだろう?」って考えながら見てしまった舞台も久し振りでした。そういう意味では、おもしろい舞台だったかな。

 夕方からは稽古。
 久し振りに大人数が集まって、今日は10人。
 仕事でずっと来れなかったキッちゃんも高市氏も登場。
 大人数で基礎トレをして、外郎売り、そして「エレクトラ」。
 稽古前に、僕はずっと細川くんとセリフをさらってたんだけど、それが結構おもしろくって、あれこれ注文つけたりしながら、いろいろやってみた。
 みんなでの稽古は、二人組に分けて、53場の最後近くのクリュタイムネストラとエレクトラの激しいかけ合いの場面をやってみる。
 まずは、いつものしりとりのように、相手のセリフのラストを食い気味にテンポよく。自分のセリフは同じテンポで、決して早口にならないこと。
 しばらくしてから発表。
 相手にちゃんと言葉がかかってるか、というのはもちろんなんだけど、今日は、「相手の言葉に対して言い返す」というのをやってもらう。
 どう言うかじゃなくて、相手の言葉に対して、ちゃんと言葉が返っていくように。
 台本持ってる組は、なかなか難しそうだった。相手にちゃんと届かないから、返し方もちゃんとしなくて、何だか気持ちが悪い。
 覚えてる組はそれぞれ面白かった。
 久し振りのキッちゃんの相手は僕。彼はとってもよくやってた。
 1チーム2回ずつの1回目、僕は途中で一カ所セリフが出なくなってしまったんだけど、その後のキッちゃんの芝居が急にのびのびしてきた。……いいことですね。
 2回目は、「負けるもんか!」って頑張った結果、引き分けくらいになりました。
 一歩も引かないその度胸はすばらしいと評判に。
 ひと休みして、今度は通してみようかねと思っていたら、何と今日は9時でおしまいだったんっでした。
 日曜・祭日は、延長使用ができないっていうのをすっかり忘れていて。ていうか、今日が祝日だっていうのを忘れていて。
 あわただしく片づけて帰ることになりました。
 稽古場には、来週から稽古が始まる「夜曲」の作者、山崎くんが来てくれてたのに、あんまり話ができなくてごめんなさい。
 でも、笑いながら見てたから楽しんでくれてたのかな?


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