せきねしんいちの観劇&稽古日記
Diary INDEXpastwill


2001年10月31日(水) 稽古 あれから一年……

 今日の稽古は7人で。
 基礎トレから外郎売りをやって、それから、二人組になってもらって、いろいろと。
 最初に、マッサージをおしゃべりしながら。
 早瀬くん&マミー、ノグ&フッチー、荒くん&細川くんという組み合わせ。
 それから、二人組のまんまで「タクシー」を。
 新人くんたちには初めてのゲーム。
 目を閉じたタクシー役の背中に運転主役は手を当てて、「運転」していく。
 目を閉じてるから、運転手の指示だけが頼り。
 そのまま、当ててたら、直進。右肩を押さえたら右折、左肩なら左折。両肩を一度に押さえたら停止。
 お互いを信頼できるるか?っていうのがポイント。
 早瀬組は、まずまずなかんじ。でも、あちこちにぶつかってたね。
 ノグ組は、フッチーがまだ「信用しきれてない」かんじ。
 荒&細川組は、お互いにおそるおそるなかんじだった。
 続いて、今度は「粘土」。
 立ってる相手を粘土のように形作っていくというエチュード。
 今日は、一度、床に横になって寝てしまったのを、もう一度立ち上がらせるというのをやってみた。
 もちろん、粘土役は自分から動いてはいけない。そして、「いやだ」「痛い」「やめて」とだけ言っていいというルール。
 ノグ組はフッチーが粘土。じゃあ、始めようかと、ノグがフッチーの左手を動かしたら、一緒に右手も動いてた。だから、動いちゃいけないんだって! そのあとは、まあ順調に。
 早瀬組は、早瀬くんが粘土。一度寝てしまったのを立ち上がらせるのは、結構難しい。
 問題は重心をどう動かしていくかなんだよね。いつも、自分で何気なくやってることを、きっちり相手に「やらせる」のはなかなか大変だ。
 その大変さがピークだったのは、フッチー組。粘土は荒くん。
 これはなかなか立ち上がれなかった。
 「痛い」って言葉も何度か発せられて……。最後は、みんなで、ああでもないこうでもないと……。
 ひと休みして、「エレクトラ」。
 「粘土」にたっぷり時間をかけてしまったので、やや大急ぎ。
 覚えてもらった53場を通してやってちょうだいと言う。
 今日の二人組で、どっちがクリュタイムネストラでどっちがエレクトラをやるかを決めてもらって、一度読んでもらってから、発表。
 今日は、細かいことをいろいろ言わずに、「おもしろくやってね」とだけ。
 最初は、ノグ組。ノグがクリュタイムネストラでフッチーがエレクトラ。
 ノグは、この稽古に参加してまだ3回なんだけど、この場面のセリフを頑張って入れてきた。
 かなり曖昧だったんで、結局台本を持ってだったんだけど、よくやったってかんじ。
 ただ、言葉がちゃんと相手にとどいていってない。元もとノグは、セリフを引きながら喋るクセがあるんだけど、台本を持っての芝居だとその傾向が強くなる。
 本を持ちながらでも、相手にちゃんと話しかけていくことはできるわけなんだけど、それはとっても「テクニック」がいることで、それは、ちゃんと芝居ができるってこととはまた別の力だからね。
 だから、今回は、敢えてムリを言って、セリフを覚えてもらったんだ。
 フッチーのエレクトラは、なかなかいいかんじ。むちゃくちゃ緊張してるけど、それがいい方向で相手に向き合う力になってってる。
 ただ、二人とも、一人でやっちゃってることは間違いない。いっぱいいっぱいで、「どうしゃべるか」ってことで精一杯だ。
 どうしゃべろうかなんてことは、相手の言い方によって、全然変わってくるわけだから、そんなことあんまり考えないで、相手のセリフをちゃんと聞いた方がいいはずだ。
 続いて、荒&細川組。荒くんのクリュタイムネストラ、細川くんのエレクトラ。
 荒くんも久し振りの稽古場。台本は持ったまま。
 ただ、ノグよりもちゃんと芝居になってたのは、「どうしゃべるか」ということよりも、相手に向かうこととか、そこにいるってことに集中してたからだと思う。
 細川くんも、やや緊張気味。こんなに通してやるのは、初めてだもんね。
 稽古前にセリフをさらってるときは、ちゃんと出てくるのに、みんなの前で発表になるとつまってしまうのが、ずっと悔しかったみたいだけど、今日はちゃんと出てきてた。
 時間がなくなったので、今日は二組でおしまい。
 帰り道は、また芝居の話をずっとしてる新人くんたち。
 かわいいねえ。
 僕は荒くんと久し振りにおしゃべりだ。
 稽古場の人数が奇数だと、何もできなくて欲求不満!という話を聞いてもらう。
 荒くんとは、12月1日のぷれいす東京主催の「VOICE」というイベントでまた一緒だ。
 去年は二人芝居をやったんだけど、今年はそろって裏方のみ。フライングステージの面々にもまた手伝ってもらうことになりそう。
 去年の今頃、僕は「ゴッホからの最後の手紙」の稽古で札幌に行っていて、帰ってきてから、「VOICE」の二人芝居やら、gaku-GAY-kaiの「贋作・黒蜥蜴」の準備やらをしてた。
 荒くんも劇団に来たばかりで、僕もまだよそゆきなかんじだった。
 あれからもう一年か……と感慨深い。
 そして、もう11月。
 年末の大忙しモードのはじまりだ。


せきねしんいち |MAILHomePage

My追加