せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2001年10月24日(水) 「MOMA」「傑作劇場」「ブルオイ」

 夕方から上野の森美術館へ「MOMA ニューヨーク近代美術館名作展」を見に行く。
 マチスの「ダンス」やルソーの「夢」、それからピカソの「三人の楽士」などなど、「見たことある!」名画がいっぱい。
 平日だというのに、結構混んでてびっくり。
 点数は少ないんだけど、とっても見応えがあってよかったな。
 ダリの「記憶の固執」っていう絵がすっごい小さいのに愕く。あの「時計がとろけてる絵」なんだけどね。30センチ×20センチくらいしかない。これだけは、ガラスのケースに入って展示してあった。
 マチスの「ダンス」もルソーの「夢」もむちゃくちゃ大きくて、違った意味で愕く。
 これが「実物を見る」ってことなのかもしれない。
 美術の教科書の写真じゃ、みんな同じ大きさだもんね。
 ゴッホとモジリアニが一枚ずつあって、懐かしい友達に会ったようで嬉しかった。

 その後、上野公園をぶらぶら歩いているうちに、ふと不忍池のほとりの映画館「世界傑作劇場」にたどりつく。
 どうしようかと思ったんだけど、えい!とばかりに入ってしまう。
 ここは言わずと知れた「ゲイ映画ばっかりの映画館」ていうか、ハッテン場です。
 僕も昔は、けっこうお世話になったもんです。
 ほとんど十年ぶりくらいなかんじ。
 ハッテンはメインの目的じゃなくって、最近の「薔薇族映画」が見たかったのでね。
 「2つのゼロ」「のんけ」という二本立て。
 「2つのゼロ」は地方都市の市長さんが、娘の婚約者に「僕はあなたに出会ってしまった」とか言われて「ずるずると」恋に落ち、よせばいいのに、自分の家に婚約者が泊まりに来た日に部屋でエッチをしてしまい、その現場を見た娘はショックで自殺。市長さんも、スキャンダルで失脚するというお話。
 ふーんっていうかんじでしたね。
 「のんけ」は、「俺はホモじゃない」といいながら、ゲイビデオのモデルをやってる主人公(実はゲイ)が、バーで知り合った(ていうか、酔いつぶれてるのを、仕方なくうちにつれてきた)ノンケの学生に惚れてしまうというお話。
 二人は、ノンケ同志っていう前提で仲良くしてるんだけど、ある日、主人公はカミングアウト。
 ノンケの彼は、それを受け容れられなくて、「もう会わない」ってことになる。
 それでもどうしても会いたくて、彼の部屋に行くと、彼は女とセックスの最中。
 「そんなに俺のこと好きなら、今の俺を愛してみろよ」って言う。
 主人公はやるんだな。一生懸命になって。でも、ノンケの彼は、主人公を突き飛ばして、女とのセックスを続ける。
 いたたまれなくなった主人公は、部屋を出ていく。
 その次の場面、ノンケの彼は、女に「金、そこにあるから」って言う。
 お金で雇った女だったんだ。彼女じゃなかったんだね。
 その女が言うんだ「アタシ、よくわかんないけど、そんなに一生懸命になってくれる相手がいるのっていいと思うよ」って。
 ノンケの彼は、二人の行きつけのゲイバーへ駆けつける。思い切り後悔してね。
 そこへ、主人公から電話が。何だか苦しそう。
 大急ぎで、彼の部屋へ。
 すると、彼が血だらけになって倒れてる。
 ペニスをナイフで切ったらしい。
 「死ぬな」って必死にゆさぶると、主人公はこう言うんだ「ペニスの一本や二本で死ねるかよ」って。
 最後は、楽しそうに歩いてる二人のツーショットでおしまい。よかったね、死ななくて!
 って、何だか他愛のない映画みたいだけど、とってもおもしろかった。
 出演者はみんな半分素人さんみたいでとってもはらはらするんだけど、それでもやっぱりお話がちゃんとしてるから、ずっと見てられたんだと思う。
 バーのマスター役で映画監督の大木裕之さんも出てて、なかなかの名演。
 全然、期待してなかったんだけど、これはなかなかおもしろい、いい映画でした。

 その後、不忍池の弁天様にお参りに行って、裏の道をてくてく歩いてるうちに、忍ばず通りに出てしまい、「じゃあ、ちょっと歩いてみるか」と歩き始めた。
 忍ばず通りを根津の駅前で、言問い通りに左折。ずっと歩いて、春日通りまで。
 車では時々通るけど、歩くのは初めての道だ。
 それから、水道橋の駅前まで出て、外堀通りを飯田橋まで。
 大久保通りをずっと歩いて、神楽坂のあたりを。
 ふと思いついて、神楽坂の「五十番」っていう中華やさんで肉まんをゲット。ここも久し振りだ。こんなふうなあてのないぶらぶら歩きでもしてないとなかなかこれないところだから。
 ほかほかの肉まんはとってもおいしかった。
 また大久保通りに戻る。この辺は古い町名がちゃんと残ってる。白銀町、箪笥町、山伏町。
 文京区の本郷あたりはすっかり町名変更されてしまって、「弥生式土器」が発見された弥生町も文京区弥生○丁目になってた。
 大久保通りは、そのまんま大江戸線の通り道になってる。牛込神楽坂、牛込柳町、若松河田。
 歌ちゃんのうちが牛込柳町の駅前なんだよね……なんて考えてたら、歌ちゃんとばったり!
 仕事の帰りなんだって。「どこ行ってたの?」と聞かれて「上野の森美術館」と答えたら、かなり驚かれた。
 「またね」と挨拶して、また歩き始める。
 若松町の交差点から職安通りへ。抜け弁天をお参りして、明治通りへ抜けるはずだったんだけど、ちょっと脇道に入って、新宿文化センターの前を通ることにする(文化センター通り)。
 明治通りへ出る前に左にまがって、八千代信用金庫の角から靖国通り、そして二丁目の仲通りへ。
 ここまで来て、ようやく「帰ってきた」って気がする。
 仲通りをぷらぷら歩いて柳通りの角まで来たら、パチパチことセツオと遭遇!
 ブルーオイスターラウンジにこれから入っていくところだった。
 僕もさすがに一息つきたかったので、一緒することにした。
 上野を歩き出してから約2時間半。十キロくらいは歩いたのかな?
 ブルーオイスターラウンジ(ブルオイ)は、ドリンクチャージだけでドラァグクィーンのショーが見れるとっても手軽なイカした店。
 今日の出演者は「オフィーリア」。ヒトミ、ナオヤ、エスペランザの三人組。
 このショーがとっても面白かった。
 まずは「プチモビクス」から始まって、「伊勢佐木町ブルース」やら、杉本彩の「ゴージャス」やら、選曲が超イカす!! セツオと二人で思い切り楽しんじゃいました。
 新宿駅から「久し振り」に電車に乗って、高円寺まで。帰宅。
 まみーが映画「犬神家の一族」のパンフを古本屋でゲットしてきてた。
 超懐かしい!! お宝だね。
 夜中らから、見逃してたNHKドラマ「少年たち2」の再放送。
 山崎努、上川隆也、木野花、加納幸和、高泉淳子、北村有起哉といった、「演劇系」なキャスティングが楽しみ。


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