2002年04月28日(日) |
こころが軽くなる読後感「北欧スタイルエコ生活」 |
「北欧スタイル快適エコ生活のすすめ」を読み終りました。とてもいい本でした。
著者の高見幸子さんはスウェーデンで子どもや企業を対象に、エコロジーについて教えている専門家でした。
そして専門家でも、日本で「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」の分別をしていると、その分けかたがややこしく、また紙でもビニールコーティングされていたりして、戸惑うのだそうです。これを読んで安心してしまいました。(苦笑) これでは日本の人たちはエコ生活というのは、とても手間のかかる、暗い生活だと思ってしまうのではないかと心配だとも書かれています。
そう!わたしはいつも日本のあのゴミの分別のしかたに戸惑っていたのです〜。そしてエコロジー生活というのは面倒なものだと思っていました。やっぱり専門家でもそう思うんだ!(笑)
この本では、エコ生活というのは「○○するべきでない」という言葉ばかりが並べられた我慢の生活ではなく、それぞれの人ができることからしていけばいいという提案がされています。
お風呂が好きな人が長風呂を諦めて、節水する必要はない。 そのかわり、お風呂が好きなら、トイレや皿洗いのときに節水するように気をつければいい。
スピードが好きな人はターボの車を諦める必要はない。 ただ、スウェーデンで環境意識の強い人がスピードの出る車に乗りたいときは菜種油を燃料にした車に乗っているとのこと。ガソリンよりもスピードが出るそうです。
化石燃料を使い続けると、いつかは無くなってしまって、生活レベルを維持できなくなるので、できるかぎり代替燃料を使うほうがいいわけです。
そして、エコロジー生活を続けるコツは、家族やお友だちと話しあいながら、取り組むことだそうです。
1人だとちょっと面倒だな〜と感じると、次の日にはめげて止めてしまったりします。でも、親しい人たちと話しながらだと楽しく続けられる。そして、生活習慣は伝染するので、家族やお友だちがそれぞれべつの方面からエコロジー生活をすすめていると、相手のやりかたを取り入れて、もっと楽な方法が見つかったりする。
わたしもウミウシさんとのやりとりや、サイトの掲示板でいろいろ教わったおかげで続けてこられたな〜と思ってます。
硬水地域での石けん洗濯も最初はジェルソープを重曹と一緒に熱湯で溶かしてから洗濯機に加えたり、すすぎの時にいちいち洗濯機を止めて、クエン酸やお酢を加えたりするのを面倒に感じていましたが、いまではすっかり習慣になってしまいました。
ところで、エコロジーを子どもたちにどうやって教えているかというと、5,6歳の子を対象に「森のムッレ教室」という活動をしているのだそうです。
子供たちを森に連れていって、そこで見られる動物を観察したり、触れたり。そしてたとえばウサギを見つけたら、「うさぎはなにを食べるか?」「うさぎはどんな動物に食べられないように気をつけなければならないか?」という質問を通して、子供たちは植物や微生物、小さな虫や動物がみんな繋がりあって生きていること、人間や森の住民たちがみんな幸せに生きるにはきれいな水や空気、土が必要であること、を学ぶのだそうです。
子供たちが自分たちで見て、考えることを重視しているのが、いいですね。
そして、自然が分解できないようなゴミや排水を出すと、結局それは巡り巡って、自分に返ってくること、だから、自分の周りの自然を大事にすることは結局、自分自身を大事にすることだと学ぶのだそうです。
高見さんは日本でも「森のムッレ教室」ができるように子供たちを森へ連れて行くリーダーの養成をしています。日本野外生活推進協会というところが主催していて、いまのところ兵庫県のいくつかの市と大阪に支部があり、新潟にも支部ができつつあり、岐阜、愛知、鹿児島、山口、長野、秋田の県に活動している保育園があるそうです。
人間は自分が好きなものは大切にします。子どものころ、森や川で遊んで、そこに住む生物たちに触れて、お互いが支え合って生きていること、そしてそういった生物のつながりが人間の生活を支えてくれていることを学んでいると、ことさら「環境保護」などと叫ばなくても、高速道路を造るために山を切り開くようなことはできなくなるのではないかという言葉はとても印象的でした。
スウェーデンでも、50代以上の人たちは、あまり環境についての意識は高くないのだそうです。高見さんの世代で、だいぶ広まって、高見さんのお子さんの世代は高見さんの世代よりずっと熱心なのだそうです。
エコロジー生活なんて、できるかどうかわからないけど、とりあえず基本的なものの見かたや考えかただけは知ってみるのもいいかも、と思っている人に特にお勧めです!
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