2002年04月22日(月) |
フランス人ってば (^^;; |
大統領選、第一回投票で極右政党のル・ペン氏が第2位になった昨日の今日。
バスのなかで2人のマダムがそのはなしをしていました。
「地方によってはル・ペンが 25%もとったところもあるのよ。どうかしてるわ」
昨夜は結果が出るとすぐにバスティーユの広場でデモ。
もともとバスティーユは東京で言うと六本木と渋谷の合いの子のような若者の街ですが、デモの参加者たちが主に 20代の若者たちであるのが印象的でした。
そういえば、社会党のジョスパン氏が第3位で、決選投票に進めないことが確定したときも、20代の支持者たちが泣いていたっけ。
でもパリはいいのです。
多くの移民がいて、フランス人達はいろんな出身国の子供たちと一緒に学校を出る。子どものころ一緒に遊んだ人たちを攻撃する人はあまりいません。
問題は失業率が高く、まともな産業がほとんどない貧しい地域。
すぐに帰る観光客には親切でも、ずっと居座る移民が、ただでさえ「ない」自分たちの職を奪い取るというふうに何年も失業していて鬱々としている人たちは考えるのです。 (もちろん地方の人すべてがそうなわけではありませんが)
今晩のTVの人形劇では、シラク氏は全く「スーパー嘘つきマン」扱いされず。
人気キャスター役の人形が、「いまの私たちに必要なのはこれです」
というと、木製の洗濯ばさみのアップになる。
「これで鼻をつまんで5月5日(決選投票の日)はシラクに投票に行きましょう!」
フランス語でも嘘は「くさい」とか「匂う」とか言われます。(笑)
また人形劇以外では、
「万が一、ル・ペンが大統領になってしまった日には、われわれが今年の 12月 31日に見るのはこれです」
と、執務室で演説をするル・ペンの横で、殺戮、拷問が行われて、背景のフランス国旗が血まみれになっているニュース映像(トリック映像というキャプション付き)を流している番組もありました。大統領は毎年12月31日に国民に向けてTVを通じて挨拶をするからです。
はぁ〜、昨日はわたしもショックを受けたけれど、現実を笑い飛ばしたらだいぶ元気になりました。
日本と同様、フランスでも若者の政治離れは顕著です。
だれがやっても何も変わらない、選挙なんて行ったって、行かなくたってなにも変わらない。
若者たちはそう思っていた。
社会党の支持層は若者と、知識層でした。
彼らが選挙に行かなかったから、ジョスパン氏は落ちた。
当日まで、決選投票はジョスパン氏と、シラク氏だとだれも疑わなかったのです。
政治をおろそかにしているとどういうことが起こり得るのか、今回のことはよい教訓になったのかな。だからこその昨夜のデモだったのか。
デモのプラカードにはル・ペン氏を攻撃したもののほかに、「フランス人であることが恥ずかしい」というのがありました。
昨日の日記に極右政権が誕生したオーストリアではタクシーを呼ぶときに「オーストリア人(白人)の運転手の車を」と言えるようになったと書きました。
わざわざそんなことを言わなくとも、99%の確率で日本人の運転手さんの車が来る日本という国も、恥ずかしいことなのかもしれません。
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