ながらく日記をお休みしていて、しかも HOME にあるリンクの "up!" サインを消していませんでした。毎日、来ていただいてたかたがたにはすみませんでした。m(_ _)m
さて、これを書いているのは、朝の8時20分、5時前に目が覚めてから、8時に無理やり部屋の電気を消して雨戸を開け、ようやっとようやっとなんとか外が明るくなってきたところです。
夏のあいだは6時すぎには明るくなりはじめ、夜9時半を過ぎてようやっと窓からの明かりで本を読むのが苦しくなるくらいなのに、いまは夕刻4時半には本を読むのがつらくなります。
しかも、この季節、青い空はほとんど見られない。毎日毎日、しとしと雨か、薄曇り。ホームステイをしていたころ、朝の真っ白な(曇りの)空を見て、「今日は天気がいい」とムッシューに言われたときには聞き違いかと思ってしまいました。寒い朝に窓を開けて、プランターに水をやらなくてもいいのは助かりますが、毎日続くとつらくなってきます。
日照時間が短く、しかも陽が肌に当たっている感覚がほとんどなく、寒いと、まず疲れやすくなるし、無気力になるし、最悪、鬱状態になっていきます。
こんなことを「昔は日曜日だって働くのが当然だったんだよ。いまの人たちは土曜日まで休みなのに疲れたなんて言うんだねぇ。ほんとにいい時代になったねぇ」なんて言っている、冷蔵庫も洗濯機も贅沢品だった時代にずうーっとがんばってきた祖母には、とても恥ずかしくて言えないのですけれどね(苦笑)。
でも贅沢な時代に生まれたわたしとしては、やっぱり自分の身体の変調に気づかずにはいられないのです。
留学1年目はロンドンにいた友人と「欧州の冬病」なんて名付けていました。
あのころ、イギリスもフランスも、学生身分の1年の滞在許可を更新するのすらとても厳しかったし、学生から働けるように身分変更するのはほぼ不可能でした。アルバイトすら制限があって、経済的にとても厳しくて、言葉もいつまでも上達しなくて(いま振り返ると、1年で語学が出来るようになるわけがないのだけれど)、寒くて電気代はかさむ。
精神的にどん底になりながら、1限目の授業をさぼると、そのままずるずるとまる1日さぼって、部屋で寝ていたりする。そんな日を数日重ねて、ある日突然、罪悪感にまみれて授業に出る。出ないと滞在許可が更新できないから、そこは縛られているわけです。
「こういう日々はいつかは終るんだよ」とメールが来て、「ああこのまま永遠にこれが続くのかと思っていた」とふっと楽になったりして。
でも1年目の冬が終わって、春が来て、6月の半ばに学校が終ると速攻で日本に帰って友人達の顔を見たとき、
「ずっとパリにいたからいけなかったんだ」
と気づきました。それからは太陽が恋しくなると、日本に帰るか、スペイン、ポルトガルなどの暖かいところに行くか。こればっかりはどんなにお金がないときでも無理やりでも実行するようになりました。
イタリアはホテルが高いんですね。それに比べて、スペイン、ポルトガルはまだホテルも安く、物価もエアチケットも安い。長距離バスでぐるぐるまわっても楽しい。それにピカソやダリやなんといってガウディがある。気狂いアーティストたちの強烈なパワー。フランスよりも魚介類を使ったお料理がおいしいしねっ!(^-^)
それにポルトガルは空気が湿っているのです。ちょっとした山道を歩くと、まるで小学校のときの遠足のような自然が待っている。平地続きのパリ周辺には見られない「わたしにとって自然だと感じられる」景色。ポルトガル人がマカオ辺りに移り住めたのは、きっとヨーロッパのなかでももともと湿った空気のところに暮らしていたからではないかなと思いました。
(以前、夏に日本に来たロシア人の女性が「日本の皆さんはとても親切だったので申し訳ないんだけれど、わたしはもう2度と日本には来ません」と言っていました。ロシアも夏はすごく暑いのですが、高温多湿の気候には適応できなかったようでした)
リスボンから臨める海も、ユーラシア大陸最西端(きっと以前は「世界の最西端」と言っていたに違いない(笑))の崖の下に広がる海も、ここから遠くへ行きたいという気持ちを自然と湧き起こさせるのです。日本で海を見ても、バルセロナやアメリカのサンディエゴの海を見てもそんなことは1度も思ったことがないのに。大航海時代って、始まるべくして始まったんだなぁとポルトガルのその地を踏んではじめて、感じられました。
ずいぶんはなしはそれてしまいましたが、どうしても時間のとれないときは国内で1泊でも、日帰りでも、いいのです。とにかく場所を変え、空気を変え、気分を変えることが肝心。そして秋から冬にかけて、お友だちがちょっとへんな言動をし始めても「欧州の冬病かな〜?」と思って気にしないことが肝心です(笑)。あんまり人の行動が気にかかるようなら、自分も冬病でないか疑ってみる。
そして用はなくても、お正月を家族揃って過ごすことに特に意義は感じなくても、それでもとにかく帰る、と(笑)。ふところに余裕があれば、日本でなくとも、タイとかマレーシアとかバリとか、あるいはモーリシャス島なんて行くのもいいかもしれません。特に日本の南国出身のかたは欧州に長期滞在するときは気をつけてくださいね。早め早めの対応が大切です。
北海道あたりで見られるという「冬季(冬期?)鬱病」とおそらく同じものだと思います。
さてさて、日記をお休みしているあいだに、だいぶネタも溜まってきたので、明日から1つづつ展開していくことにしましょうか。
P.S. 動きたくないよー、でも一日中うだうだしていて自己嫌悪にも陥りたくないよーというときは、お香よりもローズマリーと柑橘系のエッセンシャル・オイルをポットでたくほうが(あたりまえですが)効果があります。以前はレモンとオレンジをブレンドして使っていましたが、最近はグレープフルーツを愛用中。ミントの香りが嫌いでない人は、ミントもいいかもしれません。
あと効き目があるのは辛いものを食べて、自分に刺激を与えること、かな。
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