聡子さんが初めてカウンセリングにいらしたときは まだ20歳でした。 不倫の相談です。 その人は職場の上司。。。奥様と子供が3人。
聡子さんは、初めて人を好きになったのです。 10歳上のその彼は、なんでも相談にのってくれます。 たよりになって、時々、飲みに連れて行ってくれました。 まるで「お父さん」のよう。。。
聡子さんにはお父さんがいません。 お母さんが、ある大きなお屋敷のお手伝いに 行っていたときに 、そこのご主人との間にできたのが 聡子さんだったのです。 よくある話です。
最初のうちはそこのご主人も 少しは援助をしてはくれたのですが、 そのうち、本妻の家庭が大切になったのでしょう。 認知もしなければ、 父親としての義務もすべて放棄。
お母さんも聡子さんもどれほど苦労したことでしょう。 その聡子さんが、恋愛相手に 父親のような人を選んだのも 当然のこと。
つまり、彼女は必要な父親の愛を 充分に浴びる必要があったのです。
その不倫は10年続きました。 お父さんの愛を思うぞんぶん受け取ったあと、 彼との関係は自然消滅。。。
その直後、聡子さんはお見合いをしました。 やさしい人とめぐり合って、 今は2人の子供のお母さんです。
私は『不倫』という言葉を好みません。 だって、それは成長するために必要な 愛なのですから。。。
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