交通事故で、救急病院に運ばれた私は、痛みと、 顔の一部が皮1枚でかろうじてつながっている恐怖で、 もう、泣き出しそう。
緊急で、縫合手術です
不安がいっぱい。よせばいいのに恐る恐る、 お医者様に聞いてみました
「私の顔、直りますか?」
そのときの答えを、思い出すと今でも涙が出てきます。
「だいじょうぶ!もっと美人になるようにしときますよ!」
その一言で、緊張で震えていた私の心が、どれほど ほっとしたでしょう。 涙が止まりませんでした。
その医者は心和ませるジョークを言いながら、 鼻歌交じりで、ちょいちょいとくっつけてくれたのです。
結果は。。。まるでブラック・ジャック。 はっきり言って下手でした。
15年経った今でも、私の鼻の下には、 あのときの傷があります。
鏡のなかの、この傷を見るたびに、 あのときの、励ましと、安堵感を思い出します。
美人にはならなかったけれど。。。
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