2007年05月18日(金) |
リリース☆ザ☆スターズ 粘着質全曲感想(2) |
つづき。
9. Tulsa 個人的にアルバムベストワンに挙げたい、激情の2分間。 ゴージャスで、いやらしくって、おちゃめで、奔放で、皮肉っぽくて、それでいて圧倒的に美しい、これぞルーファス100パーセント! 激しく揺さぶられる弦楽のスコアもルーファスによるものらしいです。このタンゴとチャイコフスキーとディズニー映画のサウンドトラックが混ざったようなストリングスを、シューベルトみたいにガリガリ書いてたらしい。ルーファスの書いたオペラもこんな感じになるんでしょうかね??たのしみだなぁ!
以前ちょっと書いたんですけど、これはキラーズのブランドンフラワーズとオクラホマ州のタルサで偶然似合った夜についての歌。公式掲示板ではこの「タルサ事件」について、ファンがそのときの状況なんかを詳しく洗い出しております。もう詳しくご存知の方も多いかとは思いますが、そこの資料をお借りして歌詞と一緒にまとめていきたいとおもいます。
【タルサ事件簿】
日付:2005年8月29日 (この日、タルサでキラーズとベン・フォールズとルーファスのライブが同時多発したらしい)
事件現場:オクラホマ州第二の都市・タルサのバー「Caz's」 (ちなみにほんとうはその向かいのゲイバー「Club Majestic」に入ろうとしたところ、ルーファスが身分証明書をもっていなかったためにことわられたそーです。稀代のゲイアイコンを入店拒否するゲイバーって…。顔パスじゃねーのかよ。でもことわられるって萌えですね。)
証言:(ピンク字部分:歌詞) 朝のきみはポテトチップスの味 ※国内盤の訳詩が「朝きみとのキスはポテトチップの味」と訳しているんだけど「taste」だけでキスとまで書いていいのか??いやまあ味ってことはつまりそういう意味なんですけど…一晩明かしたわけではないようなので。しかしそうなると他の部分が実際のできごとなのに対して、この最初の1行でいきなり妄想を描いているということになるな…いきなりこんなスキャンダルを捏造していいのだろうかルーファス… マーロン・ブランド・クラブからお呼び出しのかかる顔 ※マーロンブランド ブランドンフラワーズ
ブランドンのほうがベビーフェイスですね
そしてすべてはタルサのおかげだった! ぼくたちが一緒にサインした、緑のTシャツを着た太った男 ※実在します。彼だそうです。
彼がこの曲を聴いたら、永遠に忘れはしないだろう
きみのスーツは何よりも白くて ※ほんとうにまばゆいばかりに白い。8月にスーツって暑くないのかしら。ちなみに下にはベロTシャツ。ルーファスの服装は気が抜けているなぁ。
※「you know who」の解釈については現在議論がおこなわれています 今まで僕がいってた「救世主」はきみだったんじゃないかと思う ※「救世主」はすなわち、ルーファスの代名詞「ゲイ・メサイア」。ブランドンは一応既婚のモルモン教徒なんだけど、そんなゲイメサイアの称号を譲りたくなるくらいゲイっぽかったんだろうか? そしてすべてはタルサのおかげだった! 僕に会うためだけに(きみに会うためじゃないんだよ、ベイビー!) ※この「not you, baby」はこのアルバムでいちばんラブリーな箇所ではないかと!!心臓わしづかみ!! 雨の中で何時間も待ってたかわいそうな女の子も、 ※実在します。彼女だそうです。うらやましすぎる。
この曲を聴いたら、絶対に忘れはしないだろう
そしてすべてはオクラホマ、タルサのおかげだった! これはただの思い出、 開いてるときにまた行きたい、あのアンティークショップ ※どこでしょうね…店は確定できず。最近アンティークブローチとか集めてるからなぁ〜。 オクラホマのタルサ! この曲がきみについての曲だってきみが気づかなかったらいけないからね! ※最後にアピール。これはラブソングといってもいいんじゃ…
ちなみに「ファンに囲まれたけどルーファスはファンサービスよりもブランドンともっと話したいみたいでイライラしてた」「化粧の仕方とかについて話してた」だそうで、その後のふたりは「寝なかった」「それきり会ってない」そーです。 この曲についての噂がブランドンの耳に入ってないはずはないと思うのですが、今のところブランドン側のコメントはないみたい。ぜひ曲で返信していただきたい。
10. Leaving For Paris No 2 最後にNo 2つけるのは去年カバーしたレナード・コーエンの「Chelsea Hotel No 2」の影響でしょうね。ナンバーがついてない「Leaving For Paris」は、Want Oneフランス版発売時にすでにおまけのライブ音源としてついていたようです。 クレジットがPianoとBassしかないシンプルさですけど、ルーファスのこれでもかっていうくらい重ねたコーラスと、コントラバスの演奏バリエーションの限界に迫ってみましたよ的な演奏で、やたら幽玄な感じになってます。パリっていうよりむしろ黄泉に行くんじゃないのかこいつは。「Want Two」路線ですかね。
11. Sanssouci ルーファスウェインライトさんいい恋してるんですネ!第3弾。ハープとフルートがいい味出してます。「サンスーシ」の言い方が「スァンスゥスィ」なのと、「Tonight」が「トゥーナ〜ァアアアアァーァァアアアアァーァァァーァァァーィ」なのがとっても甘ったるくて胸キュン。 国内盤の解説に「サンスーシってクラブかバーの類だと思う」というおそろしいひとことが載ってましたけど、サンスーシとはドイツのポツダムにあるプロイセン王国時代の宮殿でございますよ!世界遺産に登録されていて、世界史用語集にも載っております!ちょっと調べればすぐわかることなのに… ライブ前の曲紹介時ではルーファスが「今までサンスーシ宮殿についての歌なんて誰も作ってないからこの曲は大ヒットするはずアハハ」などと言っていましたけど、ヒットする…かな? ポツダム観光委員会とかあったら、この曲をイメージソングに採用してくれたらいいのに。 あ、「今夜はサンスーシに誰がいるだろう〜」とのことですが、夜のサンスーシはライトアップされているようです。この様子はこちらに写真が出てました。ファンタジー。 www.sanssouci-sightseeing.de
12. Release The Stars ジュディ・ガーランド(っていっても私は詳しくないけどさ)ライブの影響も受けてか、ビッグバンドを背負ってちょっと古きよき時代の雰囲気。自由自在にのびて激しく揺さぶる歌はこれぞまさしくエンターテイナーって感じです。 このタイトルトラックの歌詞で「リリース」するのは「星」だけでなく「芸能人的なスター」の意味もあったことが判明いたしました。しかし、「きみのスタジオに閉じ込めてるスターたちを解放するんだ」っていうのは、どうやら「きみの内側に閉じ込めている才能と愛を解放しろよ」ってことらしいです。キャー!ルーファスったらステキー!!(親衛隊 ここにあったインタビューによると以下のようです。 「これは僕自身そして30代にいるすべての人たちに言いたいことだ、すべてを解放し、可能なかぎり愛し、一人前の人間として自分のベストを尽くすこと。子供時代も20代も過ぎて、今や最盛期にいるわけだけど、30代になったらもう賽は投げられてる。これはその時点のアクションについての曲なんだ。運命を果たせるか、ヘマをするか。これがこの曲、そしてアルバムのメッセージだ。今こそが、きみの夢や願望のために行動するときだ。」 私は20代ですけど、こんなメッセージを聞いて、オペラを書いてジュディガーランドライブもやって自分のアルバムのオーケストラスコアも書いて毎年新しいことに挑戦してるルーファスの姿を見ると、私も頑張って自分のスターをリリースしないといかんのだなと思うわけで……あれ、でも……スターがあるのかな……いや……うん……えーっと……たぶんあるはず……どっかのスタジオにまだ閉じ込められたスターが残ってるはず……賞味期限の切れてないやつが……そうだよね、ルーファス!
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