2007年05月19日(土) |
リリース☆ザ☆スターズ 粘着質全曲感想(1) |
新譜「リリース・ザ・スターズ」全曲について、感想というか解説というか、まとめをネチネチ書いてみました。 歌詞とか記事とか発言は自力で頑張って訳してみたんですけど、 間違いがあるかもです。間違えていたらごめんなさい…
1. Do I Disappoint You めくるめくルーファス王子の世界へようこそっ!という勢いの、イントロダクションにふさわしい壮大さをもった一曲。「がっかりさせたかな〜」とか「人類の破滅〜」なんて暗い歌詞の割には、ひたすら歌とメロディと豪華な演出で酔わせてくれます。初めて聞いたときは「来たよ来たよ〜うわ、また来たよ〜これだよこれ!!!!」とひとりで大暴れしてしまいました。特に3分過ぎからは、これでもかってぐらいのうっとり展開が怒濤のように押し寄せてきます。「ン〜ン〜ン〜♪」ってハミング(?)、好きだぜ! この曲に限らず、今回のアルバムでオーケストラ使ってる曲すべてがそうなんですけど、オーケストラスコアもルーファス自身が手がけてるのですね…すごいや…ほんとにオペラ書いてんだな!一介のファンながら、ルーファスがめきめきと成長してるのを感じてしまいました。
2. Going To A Town ファースト・シングル。(セカンドはあるのか…?) この曲については今までわりとウダウダ書いてきたので省略します。 最初はシングルにしちゃおとなしいんじゃないかと思いましたけど、アルバム通して聞くと、やっぱりこの曲シングルにして正解な気がしてきました。悲しいメロディではあるけどキャッチーだし、展開がうまい具合にまとまってるというか、聴きやすい。 itune storeでPV買ったけど、画質がよいとやっぱりよいです!ルーファスがへばりつくアスファルトの壁がうらやましいよ…!
3. Tiergarten ルーファスウェインライトさんいい恋してるんですネ!第一弾。 ベルリンの公園「ティーアガルテン」を恋人(もはやファン公認・ベルリン歌劇場勤務のヨルン氏だネ)と楽しくウキウキお散歩する姿が浮かんでくる胸キュンの一曲。女性コーラスの「トゥトゥートゥトゥートゥ♪」がくせになります。恋っていいネ!(白目 ディヴァイン・コメディのニール・ハノンさんが結婚後に「Perfect Love song」と「Bad Ambassador」を作ったとき、人間ってのは愛を得るとこんな素晴らしい曲が作れるようになるのかと感動したものですが、ルーファスもついに…ついに…ここまできたんですネ!(白目 ちなみにWordのインタビューによると、最初はもっとスロウでシンプルなピアノバラッドだったらしいのですが、ニール・テナントに聞かせてみたら「つまんなーい」って言われてしまったのでこんなかわゆいアレンジにしたそうです。
4. Nobody's Off The Hook 繊細でやさしくて、このアルバムの中でルーファスの声がいちばん輝いている曲だと思います。ロマン派みたいなオーケストラとの絡みあいも素晴らしい。生きててよかった。特に3分すぎの、世界が静まり返ったようなうつくしすぎる高音部分は、正座して聞きましょう。胸がぎゅっとなります。 しかしそのわりに、いろんなとこで引き合いに出されてるけど「ホモと美容師と遊び回ってたきみが今じゃ女性の欲望の的なんて信じらんないよ」とかゆー歌詞なのよね!あの美声で!Oh, Boy!
5. Between My Legs この曲のすごさをどこから言ったらいいのか… ライブ音源がずいぶん前から流出しており、「California」系統のかわゆいポップソングなので気に入ってよく聞いておりました。ライブではハワイアンな感じのギターが入ったゆったりしたポップソングだったんですけど、そんな調子はどこへやら。 このアルバムバージョン、アレンジがすごすぎます。
とりあえずタイトルは「脚のあいだ」。 脚のあいだっていうからには…ねぇ…?エロい曲なんでしょうかねぇ…と心配していたんですが、驚くほど健全。そのかわり驚くほど妄想癖。 歌い出しはルーファスの曲にしては珍しいギスギスした歪みのかかったギターと共に、自虐的な調子で始まります。
きみは踊りに行ったらいい 僕はひとりで踊りながら、きみについて書く そして脚のあいだで涙を流すのさ
きみがここにいたときも、きみが恋しかった 今は遠く離れて、僕はひとりで外へ出掛ける そして脚のあいだで涙を流すのさ
同じ街に住んでいるっていうのに きみはぼくから、色あせないぼくの魅力から遠く離れた別の州に住んでいる
いやーこの自分に対する自信が見え隠れしながらも自虐的で落ち込んでいるところがルーファス節全開でございますね。それだけなら普通なのですが、ここからサビへのぶっとび具合がすごいんです。
でもすべてのロケットが落ち、すべての橋が閉鎖され みんながワゴンに荷物をつめはじめたとき 赤ん坊が乳房にすがるように きみはこの番号に電話してくれたらいい そうしてぼくたちはあらゆるできごとからそっと逃げ出すんだ
歌は引き続きたいへんキュートでゴキゲンでラブリーな調子なんですが、いきなり来ましたよ、インディペンデンス・デイみたいな世界の終わりの描写が。「今は離れていてもこの街が壊れればきみに会える!」みたいな、こんな形で災害を待ち望むのは八百屋お七とルーファス・ウェインライトくらいだと思います。
そして2:40をすぎると、それまで部屋でめそめそひとりで泣いてたルーファスはどこへやら、まったくもって晴れやかなラストへとなだれ込んでゆきます。 妄想は暴走し、いつのまにやら崩壊する世界の中での、ふたりきりの愛の逃避行がはじまります。ルーファスによると、実は「街の地下に僕しか知らない秘密の川があって、そこから海に逃げられる」そうです。すごいですね。
そのころには、歌い出し部分のとがったギターやぎこちないドラムはすべて消えてしまいます。 その代わりに、高揚感にあふれたボンゴ、まぶしいほどにきらめいているハープ、ふたりの門出を祝福するラッバ、天使たちのコーラス。そこにさながら人魚姫の魔女の忠告のようなナレーション(この街の地下には…わしだけしか知らん秘密の川があるのじゃ…ヒーッヒッヒ)と、最後にオペラ座の怪人のフレーズまで飛び出して(チャ〜チャララララ〜ってアレね)、崩れゆくマンハッタンを背にふたりは手に手を取って希望に満ちた航海へ出発。 そうしてふたりはしあわせに暮らしましたとさ…(パチパチパチ
脚のあいだからとんでもないところまで来たな、おい! 一部では「装飾しすぎ」という意見もあるようですが、むしろここまで飾り立てると聴いてて楽しくてたまらないですよ!最後なんてほんとこれでもかっていうくらいハッピーすぎて、笑えるくらいです。個人的に、アルバムでいちばん気に入った曲のうちのひとつです!
6. Rules And Regulations 「僕はきみほどキュートになれやしない」という歌い出しからして、「えぇっ!?ちょっとちょっと、おまえよりキュートなやつがこの地球上に存在すると思ってんのか…?? おまえよりキュートなのはせいぜいアルゼンチン代表くらいだよ…」とつっこみたくなったわけですが、この曲、ワールドカップについて書いた曲らしいです。 そっかーなるほどねーワールドカップねー、アルゼンチン代表相手だったら、アイマールやメッシやサビオラほどキュートになれないって自信なくすのもわかるわぁ…ウンウン
そんな自己解決はともかく、サッカーのサの字もないこの曲ですが公式掲示板によると「ワールドカップに提供してグレースジョーンズとジョイントコンサートやるつもりだったのに企画が通らなかった…」とか文句言ってたようです。ほんとうかな? この曲サッカーの曲でいいのかな…?(不安)ルーファスとサッカーなんて縁遠いと思ってたからびっくりしました。でもちょうどワールドカップの時期にベルリンいたんだもんな…。ヨルンがサッカーファンだったとかそーいうドリーム設定はだめかな…。
しかしサッカーにまつわる曲といったら、たいてい下記のような感じですが、 ・試合のもつ意味の重さを演出するもの ・試合中の高揚感を演出するもの ・勝者の誇り、もしくは敗者の悲哀を歌ったもの ・サポーターの一体感を生みだすもの ・とりあえずブラジルだからボサノバいっとけ この曲、どれにも当てはまらないな…。いつも通りの天然ルーファス印ひねくれポップソングなんだもの…。いったいルーファスの目にはサッカーがどんな競技に見えているんだろう…! ワールドカップは無理でも、ぜひ2010年バンクーバー・オリンピックの開会式で歌ってほしいと思います!!(ライバルはアヴリル・ラヴィーンとかマイケル・ブーブレあたりか?)
7. Not Ready To Love ルーファスウェインライトさんいい恋してるんですネ!第2弾。 「きみを愛せる準備ができてない」ってこれもヨルンとのことなんだろうなぁ……いいなぁヨルンは……ムラムラ… 前作「Want Two」の佳作「Memphis Skyline」を理解するのに1年かかった私なので、どうもこの手のスロウな感じは聴き込みが必要です。とりあえず今は、寝る前によい感じ。 あと、ライブで聴いてみたいです。印象が違いそう。
8. Slideshow 「僕はきみを愛してるのかな?」と自問自答しまくるこってりラブソングなわけですが、ルーファスによると、去年のレナードコーエン祭で一緒になったマイケル・カヴァディアス(俳優)についての歌だそうです。 (え?ヨルンはどうなるの…!!???) マイケルをつれて他のアーティスト(アントニーとか)と一緒にオーストラリアに行ったとき、マイケルが撮った写真をパソコンでステキなスライドショーにして見せてくれたんだけど一枚も自分が写ってなくてがっかりしたらしいです。なんだそのエピソード…。 そんなわけでサビの歌詞が、そのものズバリ、 「次のスライドでは僕が目だってないといけない だってきみをここにつれてくるために僕はずいぶんお金使ったんだから」 なんてゆーものになっているようです…。 しかし曲の最後に何度も繰り返される「Do I love You?」「Yes, I do.」の自問自答なんて、マイケルと浮気エクスペリエンスにしてはちょっと本気すぎないか?? このへんはヨルンについての感情がまじってるといいな…!だって「Yes, I do.」が誓いの言葉のようで、聴いてるとなんだかもう結婚式に参加しているような気分になってくるんだもの…ああもう幸せになってくれ…
|