| 地中に眠れ、言葉たち しかし幾ら時を重ねても、お前たちが宝石に変じる事は有り得ないだろう |
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2002年01月17日(木)
アタシの人生は平々凡々とした無表情なモノではあるが、それでも時々は、何かがある。
それを喩えてみるとするなら、モノトーンから一気にカラーへと変じる瞬間。もしくは蓮の花が開く時の音と、拡がる花弁。
アタシはその瞬間を捉え、少し歪めて文字へと書き記す。 まるで、ミューズの加護を得たかのような衝動。この瞬間が夜中にやって来ると非常にやりやすい。 静かな闇と、必要なだけの明かり。
結局その日は原稿用紙にして十枚程度の、文字の集合体が具象と化した。 人心地ついて読み返し、気付いた事と云えば、アタシの世界の小ささとエゴの巨大さ。こういうモノは後に残さず燃やしてしまうべきだ。
しかし、生暖かい心のアタシは熱くもなれず、冷たくもなれず、結局原稿はそのままにしてしまった。
結局、アタシの言いたかった事は、何だったのだろう? 考えながら、遅い眠りにつく。
空は明るくもなく、暗くもなく、もう少しで朝になりそうだ。
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