TOHGA嬢の生活



切り離す事への歓び

2002年01月12日(土)

 店内に入り、手続きを終えるとテーブル席へ案内された。此処でしばし待てというのだ。テーブル上には読み込まれた女性向けの雑誌が数冊、山積みに置かれている。
 背の高い椅子に腰掛けて他の順番待ちしている客の間に入った途端、アタシの中で後悔の念が一瞬、瞬いた。
 やっぱり、やめておくべきだっただろうか?

 しかし、もう後戻りは出来ない。

 店内は明るく、それなりに騒々しい。天井はコンクリートに白いペンキを塗っただけで、アタシはその簡素さが気に入っている。

 準備作業も終えて鏡の前の席へ。間を置かずに担当の店員がやって来る。

店員 「今日はどうなさいますか?」
アタシ「ショートボブお願いします。」

 髪型を変えただけなのに、随分人相というか、雰囲気が変わった気がした。

 事実その後バイトに出かけたら、バイト仲間に

「新しい子が入ったかと思った。」とか
「変わったねぇー」などと云われた。

 しかし、多くの人が二言目に「失恋したの?」と聞いてきたのには苦笑した。
 別に失恋したくらいで髪を切るような女々しさは持ってない。
 ギャグのつもりで「失恋したら髪切らずに手首切るよ。」と言ったら本気にされてかなり困った。
 別に失恋したくらいで手首切るような悲壮な恋はしていない。

 < あの時、ああしていれば…  …見る?  この時は知る術もなかった… >


TOHGA [はい、もしもし?] ここで逢ったが
人目!!