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2001年10月28日(日)
黒い三角帽に、黒装束。 薄青い口唇に、つり気味の紅いアイシャドウ。
「さぁ、何に見える?」
今日はちょっとしたツテで、かの有名なハリーポッターの公式パーティにパフォーマーとして参加した。 アタシ達の仕事は、パーティーのゲストに紛れて彼等に「魔法」を見せる事。 もちろんアタシも、アタシの仲間も、ホントは魔法なんて使えない。 マジックが少し出来るだけだ。
でも、アタシは別に気にしない。 アタシは自分の手のひらから、炎を出せる。
その素敵な現象を、わざわざマジックだ魔法だなどと区別して夢を壊してしまうなんて、面白味の無い人間のする事だと、私は考える。 現実や常識なんて厭でも向こうからやって来るもの。 それならせめて、アタシはほんの一瞬の夢を見せるモノになりたい。
まぁ、御託はこの程度にして。 マジックだろうと何だろうと、人をビックリさせるのはやはり面白いし、楽しい。 しかも、たったの三百人しか招待されない大好きなお話のパーティに参加出来るだけで、アタシはハッピーだ。
それは、今まで参加したものの中で一番素敵なパーティだった。 多くは語らないが、パーティの出し物・内装・食事等々が半端なく凝っていた事に、ミーハーなアタシは仕事を一瞬忘れて狂喜したとだけは記しておこう。 ちょっとやり過ぎ、失敗気味な演出も確かにあったが、それでも素晴らしくて、二時間があっと云う間に過ぎてしまった。実はちょっと不安だったパフォーマンスも、見事に受けて一安心。胸を撫で下ろす(恥ずかしながら、アタシは仲間の四人の中で、一番マジックの技術が稚拙だったのだ) 帰りには、パーティの余り物やら会場の飾り付けやらをお土産に戴いて、ほくほくしながら帰宅した。思ったより疲労してしまったけど、久しぶりに充実した一日を過ごせた。出来る事なら、来年も是非是非参加したい。
もちろんパフォーマーとして、ね。
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