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2017年01月12日(木) 今一度、科学者早野龍五さんの声に耳を傾けよう。

「DASH村」再生!復興の柱に 祈念館や体験農園を構想(福島民友新聞 2017.01.12)

「DASH村」を再生し、帰還困難区域復興の柱の一つに―。
高木陽介経済産業副大臣は11日、人気グループ「TOKIO」のメンバーが震災前、
テレビ番組の企画で浪江町津島地区の里山を開墾した「DASH村」の復興計画に着手する意向を示した。
5年後をめどに、復興祈念館や体験農園のような形での再生を目指す。
高木氏は帰還困難区域内にある「DASH村」の再生を通し、
同区域の復興の姿を広く発信したい考え。
DASH村の復興計画について近く県や町、関係機関に打診し、検討を始める。

 高木氏は福島民友新聞社の取材に、政府が帰還困難区域への
「特定復興拠点」の整備などを盛り込んだ福島復興再生特別措置法の改正案を
今月召集の通常国会に提出することなどを踏まえ
「帰還困難区域の解除に向けて一歩踏み出して前進する中、
DASH村の復興に向けた手だてがあるのではないかということについて協議を始めたい。
帰還困難区域の復興の大きな柱にできないかと考えている」と話した。


経済産業副大臣「DASH村復興」発言で波紋 
鉄腕ダッシュP「知らぬ存ぜぬ」「DASH村は誰かのものでは無い」
(ねとらぼ 2017.01.12)

本日1月12日、高木陽介経済産業副大臣が「DASH村を再生して復興のシンボルにしたい」と発言したと、
福島県の地方紙である福島民友新聞と福島民報の2紙から報じられました。
思わぬところから出た“DASH村再生”の話ですが、
同件について「鉄腕ダッシュ」のプロデューサー島田総一郎氏が
「知らぬ存ぜぬとはまさにこのニュースの事」
「そもそもDASH村は誰かのものでは無いですし」とTwitterで発言し、波紋を呼んでいます。

島田氏の発言を見る限り、どうにも日本テレビなどに話を通していなかった様子。
一体どういうことなのか、経済産業省に話を聞いてみました。

経済産業省に聞いた

 まず、この「DASH村再生」は現段階では公式に出ている話ではなく、
高木副大臣が個人的な思いを語っただけのものでした。
発言をした場所も記者会見場ではなく、
出張中にあいさつに訪れた2紙の前で話をしただけとのことです。

 そのため現時点では日本テレビやジャニーズ事務所に話は通しておらず、
具体的な話が出るのもこれからになります。とはいえ、
新聞社の前で語った以上は、今後実際に復興を進めていくことになるのではないかとのこと。

 ただし、この件に日本テレビが驚いたのもまた事実のようで、
日本テレビから経済産業省に問い合わせがありました。
この問い合わせにも、同様の説明をしたそうです。


祈念館などもいいのかもしれませんが、

それよりもDASH村はTOKIOがずっと自分達で手入れしたりして作ってきたものなのですから、

TOKIOが再び村で以前のように活動している姿をテレビを通して多くの人に見せるのが

本来の意味での帰還困難区域からの再生なんじゃないでしょうか。

政府はヘンに介入しないでその手助けをするだけでいいんです。




科学者がいま、福島の若い世代に伝えたいこと 
「福島に生まれたことを後悔する必要はどこにもない」
(BuzzFeed News 2017.01.09)

(一部抜粋)

原発事故直後からツイッターでの発信が注目されてきた科学者、
早野龍五さんが今年、定年を迎える。いま福島の若い世代に何を伝えたいのか?

物理学者、早野龍五さん(65歳)。東京大学教授にして、福島第一原発事故後、その言動がもっとも注目された第一線の科学者だ。

事故直後、あらゆる憶測、流言、デマがインターネット上を飛び交った中にあって、
早野さんは「事実」を分析し、ツイッターで情報を発信し続けた。

発信はつながりを生み、「本業」と並行して福島の支援にもかかわっていく。
学校給食の調査、子供用の内部被曝測定器の開発、
地域の高校生たちとの活動……。そんな早野さんが今年、東大で定年を迎える。

原発事故、震災から6年目を迎えようとするいま、福島の若い世代に伝えたいことは何か?
いつもの穏やかな口調で語りはじめた。

「僕はデータを語って『大丈夫』だと言っているのであって、
思想を語っているわけじゃないんです」

専門家のコンセンサスを確認しておきましょう。
事故から5年がたち、内部被曝の問題はもう決着しています。
震災初期から、例えばイノシシの肉やきのこといった、ごくごく特定の食品を食べていた人は高かった。
それでも高い、と言われた人たちだって年間1mSvを超える人はいませんでした。

出荷制限がかかるような食品を食べたからといって、
実は心配されるような線量には達していないんです。これが重要なことです。

いま、内部被曝を心配する人で、1年で1mSv被曝するだけのセシウムを食べることがどれだけ大変なのか、
知っている人はどれほどいるのかなぁ。福島県産で、それだけ食べられる人はいませんよ。

福島県内を駆けずり回るイノシシを捕まえて、
毎日おなかいっぱい食べたところで、達しないでしょう。
不可能なレベルです。関係者のものすごい努力で、
ここまで低いレベルにあることを忘れてはいけないんです。

最初期は、僕も危惧しました。特に内部被曝はとても危惧していました。
だから、データをつかって調べてみようと思ったんですね。
実際に関わるようになるのは、2011年の秋以降でした。

県内各地のホールボディカウンター(内部被曝を検査する機器)で計測した
データを数多くみましたが、内部被曝は心配にならないくらい低かった。

その次の年にかけて、南相馬市で追跡調査をしたデータもみました。
目立って内部被曝が増えている人はほぼいなかったんです。
これで内部被曝は実際には、かなり低く抑えられているんじゃないかって確信を持ったんです。

その頃には、僕が提言して、福島市内で給食まるごと検査が始まり、
そのデータも集まり始めていました。
これは、実際に児童が食べる給食の放射性物質を
1食分丸ごと測るという取り組みですね。結果をみてさらに確信しました。

時系列は少し前後するのですが、2012年6月、
福島のリスクは高いんじゃないか、と考える科学者の集まりに呼ばれて参加したことがあります。
いま話したようないくつかのデータを使って講演をしたら、手厳しい批判を受けました。

その批判、一部は当たっているんですよね。
「あなたたちは、全員を測ったわけではないでしょう」
「安全な人だけ選別しているのではないか。きっとどこかで高い人がいる」という点は特に当たっている。
その通りだと思いました。

だから、その後も実測データを積み上げました。
例えば、三春町の子供達の内部被曝量を全員計測するというプロジェクトにも関わりました。

乳児用の測定器「ベビースキャン」というのも作って、
県内の乳幼児を6000人以上測りましたが、ひとりもセシウムを検出していないんですよね。

三春の子供たちも心配ない。

子供たちの実測データでこれ以上のデータがあるなら、僕はぜひみて見たい。
僕はデータを語って「大丈夫」だと言っているのであって、思想を語っているわけじゃないんです。

「福島産を食べることはまったく問題ないと断言できるようになりました」


「いずれ自分の言葉で福島を語らなければならない」
高校生に、科学者が託した思い
(BuzzFeed News 2017.01.10)

1月9日公開の前編に続いて、科学者・早野龍五さん(65歳)の聞き書きを公開する。
東京大学教授にして、福島第一原発事故後、
その言動がもっとも注目された科学者の1人が早野さんだ。

事故直後、あらゆる憶測、流言、デマがインターネット上を飛び交った。
その中にあって、早野さんは「事実」を分析し、ツイッターで発信を続けてきた。

後編は給食まるごと検査の役割から、高校生とともに福島第1原発を訪れた理由まで。
若い世代に託した思いを語る。


前後編とも学ぶべき部分が多いので是非多くの人に読んでいただきたいです。

原発事故直後、放射能の知識なんて皆無に近いので不安だったのですが、

データとして示して冷静に分かりやすくツイートしていた早野龍五氏のおかげで、

ここまでの数値なら安全といった知識が増えて不安が解消されたんですよね。

あの頃に早野氏のツイートに出会ってなければデマに騙されていたかもしれません。

なんて言うんでしょうか一部抜粋したところでの早野氏がおっしゃているように

長年積み上げたデータではなく思想で原発事故を語る人が今でもいますよね。

特にデマまで持ち出している一部の反原発派は思想で反原発を語っています。

糸井重里さんが早野氏と対談された本『知ろうとすること』で書いていた

「怖いと思うからこそ声の大きな方や噂や感情に流されず冷静に知るということの大切さ。」

これが大きな出来事があった時に重要だとつくづく思います。




2014年10月02日(木) 多くの人に読んでほしい新潮文庫の「知ろうとすること。」







名塚元哉 |←ホームページ