コラム掲載拒否問題、朝日新聞が改めておわび(読売新聞 9月6日)ジャーナリストの池上彰さん(64)が、朝日新聞の慰安婦報道検証記事を批判したコラムの掲載を拒否された問題で、朝日は6日朝刊1面で「読者におわびし説明します」との告知を出し、一連の経緯を説明する記事を市川速水・東京本社報道局長名で掲載した。 朝日は掲載拒否が報道で表面化した後の4日朝刊に、8月29日に掲載予定だったコラムを載せ、池上さんと読者におわびしたが、具体的な経緯に関する記述はなかった。6日の記事では、「掲載見合わせは間違った判断であり、信頼を損なう結果になりました」と読者に改めておわびした。 掲載拒否の理由については、8月5、6日に慰安婦報道の特集記事を掲載して以降、関係者への脅迫的、営業妨害的な行為などが続いたとし、「こうした動きの激化を懸念するあまり、池上さんの原稿にも過剰に反応してしまいました」と説明。掲載予定日の前日に池上さんに内容の修整を打診したが断られ、掲載を見合わせたという。 ただ、池上さんとは話し合いの途上で、掲載は「いったん見合わせた」との認識を示した。池上さんはこれまでの読売新聞の取材に、「8月分について掲載を断られた」と答えていた。 朝日新聞社広報部の話「読者のみなさまに対し、改めておわびするとともに、説明が必要と判断し、掲載しました」池上彰さんの連載について おわびし、説明します(朝日新聞 9月6日)ジャーナリスト・池上彰さんの連載「新聞ななめ読み」の掲載をいったん見合わせた後、4日付で掲載したことについて、読者の皆様から本社に疑問や批判の声が寄せられています。掲載見合わせは、多様な言論を大切にする朝日新聞として間違った判断であり、読者の本紙に対する信頼を損なう結果になりました。改めておわびし、経緯を説明します。 「新聞ななめ読み」は原則として毎月最終金曜日の朝刊に掲載しています。8月は29日付朝刊に載せる予定で、原稿は27日に池上さんからいただきました。 8月5、6日付朝刊で慰安婦問題特集を掲載して以来、本社には言論による批判や評価が寄せられる一方で、関係者への人権侵害や脅迫的な行為、営業妨害的な行為などが続いていました。 こうした動きの激化を懸念するあまり、池上さんの原稿にも過剰に反応してしまいました。本社は8月28日、池上さんに「このままの掲載は難しい」と伝え、修整の余地があるかどうかを打診しました。 池上さんは「原稿の骨格は変えられない」という考えだったため、話し合いの結果、予定日の掲載を見合わせる判断をしました。 その際、池上さんから「掲載されないなら、朝日新聞との信頼関係が崩れたことになり、連載も続ける状況にない」との言葉がありました。 池上さんは8月29日から海外に取材に出る予定でしたが、引き続き連絡を取る約束をし、9月4日の帰国後に改めてお会いすることにしました。 しかし、9月1日夜、この間の本社と池上さんのやりとりが外部に伝わったのを機に、「不掲載」「論評を封殺」との批判を受けました。本社は池上さんとの話し合いの途上だったため「連載中止を決めたわけではない」とコメントしましたが、読者から経緯に関する疑問や批判の声が寄せられました。 私たちは3日、いったん掲載を見合わせた判断は間違いであり、読者の信頼を少しでも取り戻すためには池上さんの原稿を掲載しなければならないと判断し、出張中の池上さんの了解を得ました。その際、池上さんの意向も踏まえ、簡単な経緯を含めた双方のコメントを添え、4日付「慰安婦報道検証/訂正、遅きに失したのでは」の見出しで掲載しました。 池上さんとはこれからも誠意を持って話し合いを続け、対応と結果については改めてお知らせします。 池上さんの「新聞ななめ読み」は2007年4月、週1回の連載として始まりました。2010年4月から月1回、「読者にとって分かりやすいか」を切り口に、鋭い新聞批評を展開してきました。 本紙への厳しい批判、注文も何度となくありましたが、すべてを掲載してきました。批判や異論を載せてこそ読者の信頼を得られると考えたからです。今回の過ちを大きな反省として、原点に立ち返り、本紙で多様な言論を大切にしていきます。(東京本社報道局長・市川速水)> 8月5、6日付朝刊で慰安婦問題特集を掲載して以来、>本社には言論による批判や評価が寄せられる一方で、>関係者への人権侵害や脅迫的な行為、営業妨害的な行為などが続いていました。> こうした動きの激化を懸念するあまり、池上さんの原稿にも過剰に反応してしまいました。この件に関しては何度もお詫びして対応が早いわけですが、誰が掲載拒否の判断したのかなどといった具体的な記述もなく、けっきょく他人のせいです。◆首ひねる独自マッサージ後乳児死亡 NPO代表任意聴取(朝日新聞 9月6日)大阪市内で今年6月、乳幼児向けのマッサージを提唱しているNPO法人の代表から施術を受けた乳児が、施術中に意識不明になり、死亡していたことが捜査関係者への取材でわかった。大阪府警は遺体を司法解剖し、代表らから任意で事情を聴くなどして死亡の経緯を慎重に調べている。 捜査関係者によると、6月2日、生後4カ月の男児が大阪市淀川区の事務所内で代表の女性からマッサージを受けた。女性は男児を床にうつぶせに寝かせて首をひねったり、ひざの上に乗せて首をもんだりしていたが、施術中に男児の呼吸が止まり、スタッフが119番通報したという。病院に救急搬送されたが、6日後の同8日に死亡した。 府警は病院から連絡を受けて捜査を開始。遺体を司法解剖した結果、死因は脳に酸素が十分に行き渡らなくなる低酸素脳症による多臓器不全だったという。 NPO法人の理事の男性は取材に対し、昨年も代表の施術を受けた幼児が死亡したことを明らかにしたうえで、「亡くなったのは不幸なことだが、2件とも施術と死亡との因果関係はないと考えている。警察の捜査に協力したい」と話した。より詳しい記事がこちら。施術後に乳児が死亡…「免疫力高める」首ひねり(読売新聞 9月6日)大阪市淀川区で6月、「赤ちゃんの免疫力を高める」などとうたうNPO法人代表の女性(56)(新潟県上越市)から、首を強くひねるなどの施術を受けた神戸市の男児(生後4か月)が途中で意識不明になり、その後死亡したことが関係者への取材でわかった。代表はマッサージなどの国家資格を持っておらず、昨年も施術を受けた幼児が死亡していた。大阪府警は代表から事情を聞くなど死亡の詳しい経緯を調べている。 NPOの本部は新潟県上越市にあり、代表は2003年の設立前から、乳幼児を対象に「背筋や首のゆがみを直す」などとして自ら考案した施術法を実践。東京都と大阪市淀川区にも事務所を置き、ホームページで「病気になりにくい体になる」「便秘やアトピーも治る」などと宣伝し、1時間1万円で、6000人以上に施術しているという。 関係者によると、男児が施術を受けたのは大阪市淀川区の事務所内で今年6月2日。代表が男児を床の上にうつぶせにし、首を90度以上ひねって顔を上向きにしたり、膝に乗せて首をもんだりしていたが、施術を始めてから約45分後に男児の呼吸が止まった。スタッフの通報で救急搬送されたが、低酸素脳症による多臓器不全で同8日に死亡した。 男児の母親も付き添っていたが、全ての施術は見ていなかった。 病院から連絡を受けた大阪府警が関係者から事情を聞くなどしたところ、昨年にも新潟県で代表の施術を受けた幼児が死亡していたことがわかったという。 代表は、子育てに悩む母親ら向けに著書も出版。「背筋が伸びて自律神経の働きが増す」抱き方として、乳児を対面する格好で体だけ支え、頭を後ろにそらせる方法などを推奨していた。施術方法や抱き方を教える講座も開き、受講者の中には、障害を持つ子どもの母親らも多いという。 代表はその後も東京都などで希望者を対象に施術を続けており、8月中旬、読売新聞の取材に対し、「亡くなったことは悲しいが、原因はよくわからない。今後も(施術を)続けていくつもりだ」と話している。「整体で発育」根拠乏しく 〈脳の成長を促す〉〈夜泣きがなくなる〉。近年、インターネット上で乳幼児向けの整体やマッサージの効果を宣伝する業者が目立っているが、医学的根拠に乏しいとみられる方法も少なくない。これまで大人向けに行っていた整体院などが始めているとみられるが、厚生労働省も「実態は全くわからない」という。 同省によると、医師以外でマッサージなどをできるのは法律で「あん摩マッサージ指圧師」などの国家資格保有者と規定。健康増進を目的に骨格を矯正する整体などは法的な資格がないため、十分な知識がなく施術するケースも多い。大人でも骨折など健康被害を受けることがあり、乳児は危険度が高まるとみられる。 ただ、マッサージの定義は法的に曖昧で、無資格でも「人体に危害を及ぼすおそれ」がないと処罰対象にならないという。首の座っていない赤ちゃんは頭部を激しく揺らしたり動かすのは危険と未婚で子供の居ない私でも知っていますが、たまに赤ちゃんをあやすのに強めに上下に揺らしてる親を見ることがあって、他人事ながらすごくヒヤヒヤしちゃうことがあります。それほど弱い赤ちゃんを他人に預けて整体で首ひねったりさせるって恐ろしい話しですよ。大人でも整体で急に首をグイッとひねるのは頸椎や脳血管が損傷したりして本当は危険なんでそうですね。しかも、このNPOは整体師の資格もないそうで、整体で赤ちゃんの免疫力強化も根拠もないニセ医療なわけです。ベビーマッサージで検索すると、このNPOのような根拠のないものがいくつか出てきます。こういうのにすんなり騙されちゃう人が、ホメオパシーとかそういうのに流れて行くんでしょうね…。