再び始まるマスコミの“安倍晋三バッシング”、なぜ? (1/3)(Business Media 誠 12月18日)衆議院の総選挙が終わった。フタを開ければ戦後史上最低の投票率だった。 誰に首班指命を入れます、どこと組みますというオッサン同士のしょうもない「三国志」みたいなパワーゲームを連日報じることが、すでに若者たちの激しい拒否反応を招いているということを、各局の政治部記者たちはそろそろ真剣に受け止めなくてはいけない。 こりゃ次の参議院選挙も厳しい投票率だろうなあと思うとともに、そんな報道を見比べていると「あー、また始まるのかあ」とややウンザリした気持ちになる。 自民党政権の話ではない。マスコミ各社の“安倍晋三バッシング”だ。 なんてことを言うと「愛国主義者め」とそれこそこちらがバッシングされそうなので、ハッキリ断っておくが、特に安倍さんのことは好きでも嫌いでもない。 というよりも総理時代は、よく悪い話を書かせていただいた。お母さまともどもお世話になっている某新興宗教とのホニャララな話だとか、福岡県中洲のママとのアレな噂とか。ただ、それはあくまでたまたまそういうネタが舞い込んできたからであって、特別な感情はない。ここで言う“安倍晋三バッシング”とはもう、安倍さんを親の仇がごとく憎んでいて、テレビに出て何かしゃべっているだけでも虫酸が走るというマスコミ人が、繰り広げるかなり感情的な攻撃のことだ。 そんなヤツいねえだろ、と思うかもしれないが、みなさんが想像している以上に多い。例えばちょっと前、某キー局の元アナウンサーが教えてくれたのだが、報道局の人間が安倍さんのことをとにかく嫌いでたまらなく、総理時代にわざと記者の質問をはぐらかしているシーンばかりを十数カットつないで放映した。ワイドショーなどではわりとよくある“印象操作”だが、驚いたのはそれを番組と番組の間に流す5分ほどのスポットニュースの中でやったということだった。その苦心の作品をつくりあげた局員は、周囲にこんなことを言ったという。 「オレが安倍を辞任させてやる」――。 元アナウンサーから一緒に話を聞いていた人たちは、報道機関の人間がそんな非常識なことをするわけがないだろうと半信半疑だったが、私からするとごく普通の「マスコミ業界あるある」だ。マスコミの友人たちと飲むと、必ずこういう人がいる。なにか特別な思想をもっているわけではないが、「安倍晋三」という響きを耳にした途端、「あんなのが総理になったら日本は終わりだ」と鼻息が荒くなる。で、だいたいその理由を聞くと「右翼だ」とか「政権を投げ出した」とか確たる論拠がなかったりすることが多い。この感覚は、『ドラえもん』に出てくるジャイアンが「むしゃくしゃしたから殴らせろ」とのび太のところにやってくるのとよく似ている。だから、ジャイアンが根っからのいじめっ子ではないのと同じで、アンチ安倍の方たちも悪い人ではない。 学生時代、ほんのちょびっとだけテレビの報道フロアで働いたことがある。キャスターにカンペで秒だしをするのと、バミリ(ガムテープなとで立ち位置などの目印を床につけること)ぐらいしかできず、先輩フロアディレクターにケツを蹴り上げられていた思い出しかないが、ひとつだけ有意義な経験させてもらった。 それは、インカム(ヘッドフォンとマイクがひとつになっている機器)から聞こえてくるサブ(副調整室)の報道マンたちのおしゃべりだ。モニターに現れる政治家やらに厳しいダメ出しやら、あの顔は下品だな、なんてこぼしており、その辛口批評家ぶりはすさまじく、まるでこの世にはロクな政治家がひとりもいないのではないかと錯覚してしまうほどだった。 部活とバイトしかしていなかったバカ大学生にとって、これはいい社会勉強になった。それまで報道なんておカタい響きの仕事をしている人たちは「中立公平」という言葉を部屋に貼っているお坊さんみたいな人たちだと信じていたので、すごく親近感がわいた。と、同時に相田みつをの『にんげんだもの』ではないが、人間がつくっているものである以上、ニュースも必ず偏っているものなんだなあ、ということをぼんやりと学ばせていただいた。そんな思い出にふけりながら、各局の選挙報道を見ていたら、自民の296議席を前にした論説委員たちが口をそろえてこんなことを言っていた。 「この結果は、決して自民が支持されたわけではありません」 確かに「風」はなかった。だが、民主が同じぐらいの議席をとった時、「ついに二大政党制がやってきました」なんてみなさんが無邪気にうかれていたのを覚えているだけに、冷静な分析というよりも「政治の素人どもの民意なんかあてになるか。オレは認めねえぞ」と拗(す)ねるガンコオヤジに見えてしまう。 マスコミも人間だから嫌いものはしょうがない。いくら言ったところで、しばらくしたら安倍晋三の失言を取り上げたり、靖国に行くなんて非常識だとか騒ぐのだろう。ま、それはしょうがないとして、坊ちゃんだとか腹をくだしたとか、呂律がまわらないだとか、あまりにしょうもないことは目をつぶっていただけないだろうか。 これは自民党のためではない。先ほども言ったように、若者たちはオッサンたちが「三国志」みたいな話を嬉々と語り合っている姿になんの魅力も感じていない。そこへダメ押しで、感情丸出しで罵り合うオッサンたちの姿を見せたらどうなるだろう。 もうこれ以上、戦後最低の投票率を更新させないためにも、そこだけはぜひご協力をお願いしたい。誰が決めたか知らないけど、政権が交代したら100日間はハネムーン期間で批判せず温かく見守るらしく、4年前にアメリカでオバマ政権が誕生した時や、3年前に我が国で民主党政権が誕生した時は、嬉々として「ハネムーン期間」を連呼しておりましたが、今回の衆院選で自民が勝ってから(正確にはその前からですが)、今はまだ民主党政権で自民党政権にもなっていないし、安倍氏の政策や内閣さえ何もスタートしてない状況なのにも関わらず、各メディアによる批判が始まり凄まじいものがありますね。本来であれば、民主党政権になれば日本復活みたいに煽りまくって、ふざけた党を与党に仕立て上げたマスメディアの自己批判や反省の弁が先にあるべきだと思うのですが。また、民主党の閣僚で不祥事が発覚した人は多かったですが、華麗に無視するか批判されても自民党政権時代に比べて小さいものでしたが、安倍内閣が発足し閣僚に何か不祥事があれば、民主党政権とは比べ物にならないぐらいに、それこそ6年前の安倍政権時代のように「辞任しろ」「任命責任」などバッシングされまくるのは明らかで、聞いた話では、今日の『ミヤネ屋』で宮根氏が「一度の失敗も許されない」を連呼していたそうですから、手ぐすねを引いて何か起きるのを心待ちにしていることでしょう。 >安倍さんを親の仇がごとく憎んでいて、 安保学生運動出身で反権力思考(ただしガチガチの「権力=自民」) だった連中が、今はメディアの中で偉い地位についている状況。 ただえさえ「自民憎し」な上に、そこにプラスして安保云々時代の総理は岸氏で安倍氏は岸元総理の孫だから、学生運動に命燃やしてた団塊世代にとって、 岸氏は憎っくき最高権力者だし、安倍氏はその孫ってことで憎さ百倍なんでしょうか。そういう人が作っている番組に出ているキャスターやアナウンサーやコメンテーターは上の命令に従わないと仕事を下ろされるから、命令通りに「軍になったら戦争が〜」とか「中韓が嫌がっている」など、ステレオタイプなお馴染みのコメントを繰り返している。そんな感じなんじゃないでしょうか。でもね、選挙前選挙期間中にさんざんネガティブキャンペーンをやっても、そんな声は無視されて圧勝されたんだから、もう「右傾化が〜」みたいな使い古された論調や「世襲が〜」とか「お友達内閣が〜」みたいな政治を進める上で意味の無い無益な批判は通用しないってことに気がついた方がいいのではないでしょうか。 ネット上で玉石混淆あるとはいえ政治論議が活発になっている今、テレビから流れてくるコメントより、思想の垣根を越えて聞くに値する言葉が溢れていますからね。