一昨日のことなのですが、お向かいにお住まいの方から、急用が出来て行けなくなってしまって無駄になるからと、中島みゆきさんのコンサートチケットを2枚頂きました。1枚8400円もするチケットだし、中島みゆきさんの曲は『地上の星』など数えるほどしか知らないこともあり、最初は貰えないとお断りしたんですが、他をあたってみても行く人が居なかったので貰ってほしいということで、お言葉に甘えさせて頂戴いたしまして、昨日、神戸国際会館こくさいホールに行ってきました。客層は中高年の方が多いのかなと勝手な想像をしていましたが若い人も多く、私の隣は高校生ぐらいの年齢の人たちが友達連れで来ているようでした。場内は満席、立ち見も凄い人数で、長く人気を維持されている方だけあって流石だなあと感じました。ここから先はコンサートの感想を書きますが、今回のツアーは神戸からスタートしたばかりですから、ネタバレも含まれておりますので、もし、この日記の読者さんでツアーに行く方がいたら気をつけて読んでください。コンサートは途中休憩を挟んでの2部構成。1曲目は私でも知っていた「空と君のあいだに」でスタートしました。幕が明けてイントロが流れ、白いドレスの中島みゆきさんが登場。『ジョジョの奇妙な冒険』じゃないけど、それこそ「ゴゴゴゴゴゴ」という効果音が聞こえてきそうなほどハンパないオーラが出てました。事前にちょっと予備知識を得ようと調べたところ、先週の水曜日にNEWアルバムが発売されたばかりで、それを中心にしたセットリストなのかと思っていたら、34年ぶりに歌った唄もあったりして、どうやら新旧織り交ぜてのファンにとっては嬉しい構成だったのではと思われます。そして、MCが面白いとも聞いていたので、それも楽しみにしていたのですが、 開演前のロビーでお客さんからメッセージを募っていて、合間、合間のMC毎ににラジオのお葉書紹介みたいに、お客さんが書いてくれたメッセージカードをラジオMCのような口調で読んで、そのメッセージにユーモアを織り交ぜた感想を述べていたので、ラジオを聞いている感覚で面白かったです。あっけらかんとした、でも子供っぽい喋り方が何かに似ていると考えていたら、声優の野沢雅子さん演じる子供の時の孫悟空や悟飯や怪物くんにソックリだと気づきました。唄っている時とは違うこのギャップも面白かったです。休憩を挟んでの第2部では「地上の星」を唄われたのですが、ステージが工事現場のようなセットで、トンネルのようなところから出てきながら唄ったので、御自身でも「紅白を思い出す」とお客さんから爆笑を取っていました。基本的に前回と前々回のツアーで披露した曲は外すようですが、前回のツアーでも唄ったけど今回もどうしても歌いたいと唄われた「時代」が聴けて嬉しかったです。(この歌、私が生まれた年に誕生してるんですね!)個人的には「糸」も聴いてみたかったのですが。ラスト近くになって「世情」も唄われました。なんと、コンサートで歌うのは27年ぶりなのだそうです。聞いている時は、もちろん頭の中に金八先生で加藤と松浦が警察に連行されるシーンが脳裏に浮かびましたが、20代の時に、こんな詩が書けるって凄い人ですよ。この曲を久しぶりに選んだということは、今の日本の状況を思ってのことなのでしょう。知らない曲の方が多いわけですから、最初は正直なところ楽しめるんだろうかとも思っていたのですが、いざ開演すると、そんな心配が吹っ飛んでしまうほどに、その中島みゆきさん持っている人間性や、人間の情念を尖った言葉と愛情ある言葉で凝縮した今の歌手では到底書けないであろう表現力豊富な詩の奥深さにグイグイと引きこまれて中島みゆきワールドに魅了されてしまいました。今の音楽業界には「歌姫」が溢れかえっておりますが、あんなのは所詮、メディアや音楽業界が売り込むために言っている自称「歌姫」にすぎないだけで、今年還暦を迎えられた中島みゆきさんは第一線でずっと数多くの名曲を生み出し活躍なされてきた方なので、これこそが真の歌姫だろうって思いました。このような機会を頂かなかったら、たぶん生では観ることが無かった中島みゆきさんでしたが、何度も感動で身ぶるいさせられた、まるで1つの演劇を見たような素晴らしいコンサートでした。セットリスト<1幕>1曲目「空と君のあいだに」2曲目「あした」3曲目「最後の女神」4曲目「化粧」5曲目「過ぎゆく夏」6曲目「縁」7曲目「愛だけを残せ」8曲目「風の笛」 <2幕>1曲目「3分後に捨ててもいい」(インスト)2曲目「真直な線」3曲目「常夜灯」4曲目「悲しいことはいつもある」5曲目「地上の星」6曲目「NIGHT WING」7曲目「泣きたい夜に」8曲目「時代」9曲目「倒木の敗者復活戦」10曲目「世情」11曲目「月はそこにいる」12曲目「恩知らず」13曲目「パラダイス・カフェ」14曲目「ヘッドライト・テールライト」