北朝鮮:平壌市民に日本出身者6500人(毎日新聞 10月26日)韓国誌「週刊朝鮮」が入手した北朝鮮の国家安全保衛部が05年に作成したとされる平壌市民210万8032人(17歳以上)の住民データの中に、日本出身者が約6500人、日本国籍者も86人含まれていることが分かった。多くは帰還事業で渡った人とみられるが、一般市民に区分された中には、63年に石川県沖で出漁中に行方不明となり、現在平壌で暮らす寺越武志さん(62)とみられる名前もある。週刊朝鮮は、日本人拉致被害者がいないかも含め調査・分析を進めている。週刊朝鮮によるとデータは電子化され、氏名や生年月日、職位、血液型など多岐にわたる。中国との国境地域で対北朝鮮情報筋から入手したという。北朝鮮の膨大な住民データの流出が明らかになるのは今回が初めて。 日本出身者や日本人の場合、「故郷」欄に「兵庫県神戸市長田区」といった地名や、別名として日本名がハングルで記載されていた。この報道を見た時に、この資料を詳しく調べた結果、拉致被害者の方が1人ぐらい見つかればいいのにと淡い期待をしていたのですが、今日になって、このような報道が飛び込んできました。<横田めぐみさん>生年月日と家族の名…平壌に一致する女性(毎日新聞 11月6日)韓国誌「週刊朝鮮」が入手した17歳以上の平壌市民約210万人の住民情報の中に日本人拉致被害者、横田めぐみさん(行方不明時13歳)と生年月日や家族の名前が一致する女性がいることが5日、分かった。めぐみさんとは血液型や、北朝鮮が公表した朝鮮名などが違うが、夫や娘とされる人物の名前が合致しており、週刊朝鮮は「めぐみさんではないか」として21日発売号に記事を掲載する。 週刊朝鮮によると、210万人のデータは05年の作成とされ、めぐみさんと生年月日が一致する女性は約90人いる。このうち「ハン・ソンエ」という女性は夫の名前が「キム・ヨンナム」。同居の娘とみられる女性は「キム・ウンギョン」という名前で、金日成総合大学学生だった。 06年に日韓政府が実施したDNA鑑定で、めぐみさんの夫は78年に韓国から拉致された金英男(キム・ヨンナム)氏の可能性が高い。めぐみさんの娘は「キム・ウンギョン(ヘギョン)」という名前で、金日成総合大学の学生であることが明らかになっている。 こうした点から週刊朝鮮は「05年時点でめぐみさんは娘と同居していた」との見方を示している。金英男氏については配偶者として記載してあるだけで、きちんとしたデータはなく、週刊朝鮮は「工作機関勤務のため特別管理対象になっている」とみている。 だが、めぐみさんについて北朝鮮は朝鮮名を「リュ・ミョンスク(オクヒ)」としており、住民情報では、これまでに判明しているめぐみさんやキム・ウンギョンさんの血液型などが一致せず、「なお精査が必要」(週刊朝鮮)とされる。データには日本政府も関心を示している。 日本人拉致被害者支援団体「救う会」の西岡力会長は「データ全体の信頼性は高そうだ。確認すべきことはまだ多いが、北朝鮮の主張を覆す可能性があり、日本政府による検証を待ちたい」と話す。これが、めぐみさん本人かどうかは詳しく調べなければいけませんが、2005年のデータなので、「みぐみさんは05年も生存していた」と脱北者による証言と合致はします。「めぐみさん、05年も生存」 脱北者、韓国議員に(産経新聞 10月10日)韓国野党・自由先進党の朴宣映(パク・ソンヨン)議員は9日、拉致被害者の横田めぐみさん=拉致当時(13)=が2004年末から05年初めの時点で生存していたとする情報を自身のホームページに公表した。朴議員によると、情報は韓国軍捕虜の息子で1994年まで北朝鮮の耀徳(ヨドク)政治犯収容所に収容され、2007年に脱北したリ・ヨンス氏(仮名)から得たという。 リ氏は朴議員に対し、「04年末から05年初め、朝鮮労働党で日本人拉致を担当した人物の息子である日本担当者と平壌市内で会食した際、めぐみさんが生存しているという話を聞いた」と説明。04年11月の日朝協議の際、めぐみさんのものだとして日本側に引き渡した遺骨についても、「偽物だ」と主張した。北朝鮮がめぐみさんを「自殺した」としているのは「めぐみさんがあまりにも多くのことを知っており、日本に帰国させることができないからだ」と指摘したという。 リ氏に情報をもたらした日本担当者は当時42歳。朴議員は日本担当者とその父親である拉致担当者の名前を公表していないが近く日本政府側に伝えるという。同姓同名もしくは生年月日が一緒というのは、ありふれた話ですが、・生年月日が一致 ・夫の名前が一致 ・娘の名前が一致 ・市民番号が連番(家族) ・娘の大学が一致 ・血液型は不一致 夫と娘の名前が北朝鮮がこれまでに公表した情報と同じで、娘の通う大学までも同じというのは、確率的にどんなもんなでしょうか。北朝鮮の工作員にはいくつもの名前を持たせていたりということがあって、本人名こそ使い分けされている可能性があります。1つ疑問なのが、家族の名前を偽装せずに、血液型だけを偽装するのは有り得るのでしょうか。まあ、海外では先進国でも病気や怪我をするまで自分の血液型を知らない人が多いほど、日本人のように血液型を重要視することはないので、血液型は適当に記載していることも考えられるように、情報を細かく検証と調査しなければいけませんが、あろうことか、野田首相は脱北者の「めぐみさん05年も生存」発言を本格調査を始める前から最初からガセだと決めつけていたのです。「めぐみさん05年生存」本格調査へ 政府、脱北者らと面接(産経新聞 10月22日)週刊新潮11月3日号で掲載されていましたが、10月13日の夕方、総理公邸の大食堂で約1時間にわたり、マスコミ各社の官邸キャップと懇談会が開かれたのですが、その中で、この脱北者発言を質問した記者が居たそうです。その答えにオフレコとして「ガセである」と言い切ったそうなのです。これは、関西ローカル読売テレビの土曜朝の情報番組『あさパラ!』でも、ジャーナリストの勝谷氏が記者から得たメモを基に証言しブチ切れていましたが、ガセ=死んでいるとも受け取られかねないので、国のトップである総理大臣にしては、これは、あまりにも浅はかな配慮のない発言ではないでしょうか。本来であれば、確かな証拠のない脱北者の証言なので、「この件に関しては慎重に調査しています。」と答えるべき重い事案なのですが、このような、明確な根拠のないままに最初からガセと決めつけた軽率な発言をするようであれば、野田首相も拉致問題解決に本気で取り組む気がないと受け取られても仕方ありません。脱北者の中にはお金欲しさに胡散臭い情報を持ち込む人もいることとはいえ、日本政府には、最初からガセだとは決めつけずにさまざまな可能性を考慮して情報をしらみつぶしにあたって調査し、拉致問題解決に導いて欲しいのです。横田さんもそうですが、有本さんをはじめとする他の拉致被害者のご家族の方々もご高齢になり残された時間は多くはないのですから一日も早い解決と再会を願わずにはおれません。