首相交代、7割弱が求める=内閣支持21.9%−時事世論調査(時事通信 5月20日)時事通信社が13日〜16日に実施した世論調査によると、東日本大震災の復興や福島第1原発事故対策に取り組む菅直人首相の今後について、「対応に一区切りをつけたら退陣すべきだ」が53.5%。「直ちに退陣すべきだ」は15.3%で、首相の交代を求める声は合わせて68.8%に上った。これに対し、「引き続き政権運営にあたるべきだ」は24.5%にとどまった。震災発生から2カ月を経て、7割近くが首相の交代を求めたことで、政権運営は厳しさを増しそうだ。 調査は震災で被災した福島県と茨城県の一部を除く地域の1977人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は66.0%だった。 震災や原発事故の対応での首相の指導力を尋ねたところ、「発揮していない」「あまり発揮していない」が計71.9%。「発揮している」「ある程度発揮している」を合わせた26.4%を上回った。 一方、東京電力の原発事故対応については、「評価できない」「あまり評価できない」が計74.3%、「評価できる」「ある程度評価できる」が計22.4%。政府、東電とも国民からの厳しい視線にさらされていることが分かった。 菅内閣の5月の支持率は、前月より1.4ポイント増の21.9%で、3カ月連続で上向いたが、依然として低水準。不支持は2.1ポイント下がって59.5%。首相の要請により中部電力が浜岡原発の運転を停止したことは、内閣や首相の指導力に対する有権者の評価に影響しなかったようだ。「対応に一区切りがついたら」を選んだ人は、震災対応が一区切なのか原発対応が一区切なのか両方ともが一区切なのか、具体的にどの状況のことを思い描いているのでしょうか。人それぞれ思い描いているものが違うものを合わせているので、一区切りが高くなるのは当然の結果です。菅首相がこの世論調査の結果を見れば、一区切りを都合よく解釈して対応を一区切りさせなきゃ続けられると、これまでと同様にダラダラと対応したりするかもしれません。まあ、もっとも菅首相のこれまでの2か月間を見ていると対応に一区切りをつけるほどの能力すら持ち合わせてなさそうなので、一区切りなんて言ったら任期一杯を意味しちゃいそうで、それが一番怖いですが。◆菅首相視察前、官邸に予測図=放射性物質の流れ確認?(時事通信 5月19日)東京電力福島第1原発事故の発生直後の3月12日未明、放射性物質が原発の海側に向かうことを示す「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」(SPEEDI)の予測図が首相官邸に届けられていたことが19日、分かった。民主党の川内博史衆院科学技術特別委員長や政府関係者が明らかにした。 川内氏らによると、予測図は3月12日午前1時12分、経済産業省原子力安全・保安院からファクスで送信された。第1原発1号機で格納容器の蒸気を外部に放出する「ベント」を行った場合、同3時から同6時までの間、放射性物質が全て海に向かうことを示す内容だった。 3月12日朝に首相は第1原発を視察。SPEEDIの予測図は住民には長く公表されなかったものの、首相の視察前に放射性物質の流れを知るため利用されたのではないかとの疑念の声もある。川内氏は「首相はSPEEDIを自分のために使い、住民のためには使わなかったのではないか」と話している。「SPEEDI」問題 自民、国会審議で追及へ(産経新聞 5月20日)東京電力福島第1原発事故が発生した直後の3月12日未明に緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の予測図が首相官邸に送られていた問題で、自民党は20日の総務会で国会審議を通じて菅直人首相に対し事実関係をただす方針を確認した。 総務会の出席者からは「国民を守るべき首相が、国民には伏せて自らは(安全確保のために)入手していたのではないか」「そもそも国民を守る意思があるのか。菅直人首相はこの1つをみても首相失格だ」などと批判が続出した。 公明党幹部も同日午前、「(視察にあたっての首相のSPEEDI利用が)事実ならそれだけで不信任に値する」と述べた。拡散予測、翌日未明には官邸に…首相らに届かず(読売新聞 5月20日)枝野官房長官は20日午前の記者会見で、東京電力福島第一原子力発電所事故をめぐって放射性物質の拡散を予測した「SPEEDI(スピーディ)」の試算結果が、事故発生翌日の3月12日未明に首相官邸にファクスで届いていたことを明らかにした。 その上で、「(官邸の)幹部で全く共有されず、担当部局で止まっていた」と述べ、菅首相らには届いていなかったとし、首相官邸内の情報伝達に落ち度があったことを認めた。 枝野氏は、3月12日に届いた試算は仮定に基づくものだとしたうえで、「情報の存在自体が伝えられなかったのは大変遺憾だ。避難指示の時にそういった情報があれば意義があった」と述べ、経緯を検証する考えを示した。仮定に基づく試算結果の存在を枝野氏らが知ったのは、12日から数日後だったと説明した。以前から、政府による隠蔽は報道されていましたよね。放射能拡散情報公表が遅れた背景に「政府の初動ミス隠し」(NEWSポストセブン 4月26日)SPEEDIを担当する文科省科学技術・学術政策局内部から重大証言を得た。「官邸幹部から、SPEEDI情報は公表するなと命じられていた。さらに、2号機でベントが行なわれた翌日(16日)には、官邸の指示でSPEEDIの担当が文科省から内閣府の原子力安全委に移された」 名指しされた官邸幹部は「そうした事実はない」と大慌てで否定したが、政府が“口止め”した疑いは強い。なぜなら関連自治体も同様に証言するからだ。この経緯は、国会で徹底的に解明されなければならない。「政府が情報を隠して国民を被曝させた」とすれば、チェルノブイリ事故を隠して大量の被曝者を出した旧ソビエト政府と全く同じ歴史的大罪である。 しかも、その後も「安全だ」と言い続けた経緯を考えると、その動機は「政府の初動ミスを隠すため」だったと考えるのが妥当だろう。原子力安全委員会は内閣の原子力災害対策本部に対し、意見や助言をする権限がある訳だから、SPEEDIのデータは原子力安全委員会にも届けられることになっているので、菅首相らがデータを見ていないということはまず考えられません。それに、原発事故が起きたら、まずは放射能の拡散が気がかりになるはずですから、視察前に拡散予測情報のデータがないかと思うでしょうし、データがあれば知りたいと思うのではないでしょうか。仮に届いていなかったことが本当だったと仮定したとしたら、それはそれで、内閣と原子力安全委員会の誰も、SPEEDIというものの存在を知らない素人だったという話になって、これはこれで大問題です。これらの点を考えれば、予測結果を一般に公表しなかったことを問われ責任問題になるので、 担当部局が情報を止めていたことにして、そこに責任負わせて逃げきろうとしているのでしょう。他人に擦り付けて責任を取ろうとしない、いつもの民主党のやり口です。