震災の日が近づくと、ネット上で、震災後の神戸は、治安が悪く暴行や略奪やレイプが相次いだみたいな書き込みが頻繁に溢れるのですが、被災者からすると、「どこの国の話ですか?」ってぐらいに腹が立ちます。確かに、震災直後に壊れた商店から物が盗まれたという家事場泥棒や、空き巣被害は発生して新聞にも載っていましたが、人を襲って物を盗む暴行やレイプや暴動が頻繁に相次いだほど治安が悪化していたなんて話は、避難所で生活していた時も聞いたことがありませんでしたし、そんな噂話がどこかから流れてくることも無かったですし、空き巣に気をつけよう以外の内容で、警察から注意喚起が回ったこともありませんでしたし、毎年1月17日が近づくと、神戸で震災を体験した者同士、必ず震災を振り返って話しますが、犯罪が多発していたという話は未だに出てきたこともないです。むしろ、あの時は、自警団が誕生し夜も交代でパトロールされていたので、犯罪抑止の目の方が行き届いていたと思います。ネットだから仕方ないとはいえ、無責任にも根も葉もないデマが内容を改編されたりしながら、いつまでも拡散されるのは、救援物資を配る時も混乱もせず律義にルールを守り皆が並んで受け取っている姿を見て、外国人の記者が、こんなときでも品性や理性を無くさない日本人の姿に感動したぐらい、混乱の時も紳士的に困難に立ち向かっていた阪神淡路大震災の被災者をバカにしていると感じます。最後になりましたが、あらためて震災で亡くなられた6434名のご冥福をお祈りいたします。そして、震災の時に自分が出来る範囲で、神戸に手を差し伸べてくれたすべての人に感謝を捧げます。