アジアサバイバル:転換期の安保2010 「尖閣」で露呈、外交の「弱さ」(毎日新聞 11月8日)「衝突事件のビデオ映像を公開しない」「仲井真弘多(沖縄県)知事の尖閣諸島視察を中止してもらいたい」−−。細野氏、篠原氏、須川清司内閣官房専門調査員と約7時間会談した戴氏らはこの二つを求めた。報告を聞いた仙谷氏は要求に応じると中国側に伝えた。外務省を外した露骨な「二元外交」は政府内の足並みの乱れを中国にさらけ出すことになった。細野氏の訪中の際に密約があったのではないかと思っていたのですが、ビデオ公開を頑なに拒否し、流出後は仙谷官房長官の狼狽ぶりと私怨を見ていると、この報道を見て、ああ、やっぱりなと言う感想です。元はと言えば、中国側の横暴から勃発した問題なのに、なぜ日本が要求を丸飲みしているのでしょうか。これが、自民党政権なら内閣総辞職に繋がる問題です。 ◆国会内撮影、規制強化検討も 仙谷長官(朝日新聞 11月12日)仙谷由人官房長官は12日午前の衆院内閣委員会で、国会内での新聞社などの写真撮影取材について「撮影機器が極めて進歩したこの時代においては、もう一度考え直してみる必要があるのではないか」と述べ、規制強化を検討すべきだとの考えを示した。写真撮影が許可されている場所で、極秘資料を無造作に広げて見ていた自分のミスを棚に上げて、逆ギレだなんて恥ずかしい大人だなぁ。◆【海保職員「流出」】まるで他人事の民主議員 出るのは大臣擁護論のみ(産経新聞 11月11日)民主党の国会議員の多くが、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオ映像流出事件に対して、人ごとのような態度をとっている。各議員グループが11日、定例会合を開いたが、流出事件には触れず、一部で馬淵澄夫国土交通相の擁護論が出た程度。政権を揺るがす大きな事態に直面すると貝のように口を閉ざす、民主党議員の体質は変わっていないようだ。自民党政権時代に、同党の派閥総会が、議員の声を発信する場として機能してきたのとは対照的だ。 唯一、流出事件に触れた野田グループ会合でも、出てきたのは馬淵氏の擁護論だけだった。「野党がいきなり馬淵さんの責任を言うのはおかしい。鈴木久泰海上保安庁長官(の引責)はわかる。仙谷さんの理屈はもっともだよね」 11日昼、国会議事堂隣の衆院第1議員会館会議室で始まった野田グループの会合には、野田氏や蓮舫行政刷新担当相は欠席。約20人のメンバーがタコライスをほおばりながら意見交換をしたが、政治家の意見交換どころか雑談レベルだ。 岡田克也幹事長ら執行部は当然口が重い。記者会見では「責任論はまだ早い」。さらに「(民主党政権が唱える)政治主導と、具体的に責任を取ることはイコールではない」と述べ、記者団を唖然とさせた。こんなにある無責任内閣ぶり 誰か辞めたら「辞任ドミノ」に(夕刊フジ 11月11日)尖閣ビデオ流出事件で、仙谷由人官房長官は海上保安庁の鈴木久泰長官の更迭は示唆したが、馬淵澄夫国土交通相や自身の責任は回避する姿勢を明確にしている。絵に描いたような「トカゲのしっぽ切り」だが、サラリーマンの世界なら、手柄があれば自分のもの、失敗すれば部下に責任を押しつける無責任上司は最も忌み嫌われる。民主党政権は、無責任体質が染みついているのか。民主党若手議員は「ここで辞任したらあしき前例ができる。馬淵氏が辞任なら、警視庁のものとみられる資料が流出したので、岡崎トミ子国家公安委員長も自動的に辞任だ。当然、菅直人首相の任命責任も問われる。辞任ドミノにつながりかねない」と政権側の都合を解説する。 ただ、民主党は野党時代、政権側にスキャンダル、省庁に不祥事があれば、すぐに閣僚の辞任を求めてきた。例えば、「政治とカネ」や「バンソウコウ」で赤城徳彦氏、汚染米流出問題などで太田誠一氏が農水相を引責辞任した。しかし、「政治主導」を掲げた民主党は政権交代後、政治家が役職を辞さない「身内に甘い」(自民党中堅議員)姿勢が目立つ。 表のように、引責辞任したのは鳩山由紀夫首相(当時、以下同)のみで、参院選で大敗したにもかかわらず枝野幸男幹事長は辞任せず、千葉景子法相は参院選で落選し民意に「ノー」をつきつけられたのに続投した。尖閣映像流出:海保長官処分「起訴後に」 仙谷官房長官(毎日新聞 11月12日)仙谷氏はまた、「政治職と執行職のトップの責任のあり方は違う」とした自身の発言に関し、「政治職もしかるべき処遇はあるが、次元が違う話だと考えないと、すべてが首相まで(責任が)行ってしまう」と語り、馬淵澄夫国土交通相ら閣僚への責任論の波及に予防線を張った。自民党政権時代には、大臣の不祥事が発覚する度に任命責任として総理の辞任まで要求していた連中が、与党になった途端、これまでの言動をすっかりお忘れのようで。本来であれば、尖閣のビデオ隠蔽よりも、世界に迷惑をかける国際テロに関する捜査資料の流出だけで、内閣が吹っ飛ぶレベルなんですが、なぜか、こちらはメディアも野党も追及や批判の声が少ないんですよね。