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2010年10月30日(土) 中国の反応は、六韜を連想させる。

<日中首脳会談>中国側が拒否の姿勢 日中韓首脳会談で(毎日新聞 10月29日)

中国外務省の胡正躍次官補は同日夜、
「日本側が首脳会談の雰囲気を壊した。責任は日本側が完全に負うべきだ」と述べ、
日中首脳会談を拒否する姿勢を示した。




会談の拒否理由に後に誤報だったと分かったフランス発の報道が挙げられていますが、

首脳会談拒否はガス田報道が理由 中国側が「誤報」で(共同通信 10月30日)

どうやら、本当の理由は前原外務大臣が気に入らないからのようです。

前原・クリントン会談、日米同盟強調し中国をけん制(AFP BBNews 10月29日)

日中首脳会談:中国、会談拒否 尖閣問題「日本があおった」(毎日新聞 10月30日)

胡次官補は「ハノイでの首脳会談開催に向けた雰囲気を壊した責任は日本側が負うべきだ」と主張。
拒否の理由として、「日本の外交当局の責任者は別の国と結託して
釣魚島(尖閣諸島)の問題を再びあおった」と述べ、
前原誠司外相とクリントン米国務長官が27日にハワイで行った日米外相会談で
尖閣諸島を日米安保条約第5条の適用対象と確認したことを非難した。


前原氏は「トラブルメーカー」=外相更迭を要求−中国系香港紙(時事通信 10月30日)
11月の首脳会談も困難に=中国、「準備役」前原氏に不満(時事通信 10月30日)


前原氏は民主党の中では対中強硬派とされています。

国益のことを考え当然のことを言っているだけなのですが、

なぜかマスメディアからは対中強硬派と言われています。

今回も尖閣諸島は日本の固有領土であり、米国と防衛について確認しただけにすぎませんが、

中国にとっては疎ましい存在なのでしょう。

情けないのが、今回の中国の対応を受けて中国側に同調する議員たちです。

首脳会談拒否 「中国の国内事情だ」「前原外相が悪い」 政府・民主で飛び交う声(産経新聞 10月30日)

党中堅幹部は「日中両国のために前原はつぶした方がいいというメッセージじゃないか。
中国に言われてすぐに辞めさせるのはよくないが、前原が外相をやるのは無理だ」と、
中国そっちのけで外相批判を展開した。


国民新・下地幹事長「前原氏は外相辞めた方がいい」(産経新聞 10月30日)


譲歩したのにこの仕打ちは失礼と中国側を批判するならまだしも、

内政干渉に乗って中国様のために前原大臣は辞任させた方がいいって、

なぜ中国に付け入る隙を与えようとするのでしょうか。

ここで前原氏を更迭などしたら、

中国の兵法書「六韜(りくとう)」の一節と全く同じになります。

「交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が有能ならば何一つ与えず返せ。
 交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が無能ならば大いに与え、歓待せよ。
 そうすれば、隣国では無能な者が重用され、有能な者が失脚する。
 そしてやがては滅ぶ」


4年前、まず詳しく調べもせず、

素人が見ても怪しいと思うようなメールをコピーした用紙1枚だけで、

自民党を追及してみたものの、そのメールが偽物と判明し、

責任を取って代表を辞任したりと、

独断で先走りする傾向のある前原氏が有能な政治家だとは思えませんが、

もし、今後も中国共産党が前原批判を続け、

露骨にも更迭まで要求してきた場合、

菅首相や仙石官房長官が今後の日中関係を重要視するあまり、

愚かにも中国の要求に従い前原氏を更迭するという

中国側の言い成りとなってしまうことがあれば、

中国が日本の内閣までもコントロール出来ると勘違いし増長し、

さらに強引な行動に出てしまうことになってしまいます。

さすがの菅政権でも、そのようなことにはならないと考えたいものですが…。







名塚元哉 |←ホームページ