元工作員来日、「拉致風化」防ぐ=政権浮揚の思惑も−菅内閣(時事通信 7月20日)政府が韓国側に強く働き掛けて実現した金賢姫元北朝鮮工作員の来日。警察当局は、拉致被害者の横田めぐみさんに「会った」という金元工作員から韓国で既に事情を聴取しており、政府内からも「新事実が出てくることはないだろう」(関係者)との声が漏れる。にもかかわらず、元工作員の来日にこだわったのは、拉致問題の「風化」を防ぐとともに、問題解決に真剣に取り組む民主党政権の姿勢を内外に訴える狙いもありそうだ。 拉致問題をめぐり北朝鮮は2008年8月、拉致被害者の再調査を約束。しかし、09年4月の弾道ミサイル発射などで対話の機運は霧消した。同年9月に民主党政権が誕生して以降も、特段の動きはなく、手詰まり状態に陥っている。 こうした状況に、めぐみさんの父滋さんら家族会のメンバーは事件の風化を懸念し、金元工作員の来日を政府に要望。一部に慎重論がある中、中井洽拉致問題担当相が退陣前の鳩山由紀夫前首相や後継の菅直人首相に強く働き掛け、実現にこぎつけた。「北朝鮮の人権問題について世界に日本と韓国は一体になって取り組んでいくという姿勢を示せた」。中井担当相は20日の記者会見で、意義を強調した。 もっとも、最終的にゴーサインを出した首相官邸サイドには、政治的な効果を期待した節もうかがえる。参院選での民主党大敗で、首相の求心力は大きく低下しており、政府内からは「(金元工作員の来日で)政権にとってプラスの効果が出ればありがたい」(政務三役のひとり)との声も聞こえる。 ただ、中井担当相が主導した4月の黄長◆(火ヘンに華)元朝鮮労働党書記の来日の際も、拉致問題に関する新たな情報はなかったとされる。また、外務省内には、北朝鮮が反発し、問題解決が遠のくとの見方もある。【金元工作員来日】官房長官「極めつきの人権蹂躙にもう一度関心を」(産経新聞 7月20日)仙谷由人官房長官は20日の記者会見で、大韓航空機爆破事件の実行犯、金(キム)賢姫(ヒョンヒ)元工作員(48)の初来日に関連して「国民のみなさんにも、改めて極めつきの人権蹂躙(じゅうりん)、国家主権の侵害の問題について、もう一度強い関心をお持ちいただく契機とし、拉致問題の真相解明や被害者救出につながるステップとしたい」と述べ、北朝鮮による拉致事件解決への意欲を示した。---------------------------------------------------------------------拉致被害者のご家族の方々との対面、金賢姫元工作員が来日され帰国するまでの四日間、ニュースやワイドショーも報道が過熱するでしょうから、風化していた拉致問題に、再び注目が集まるのは大事なことなのですが、来日が拉致問題の解決の一歩に繋がるかといえば、新しい情報は望み薄という話もあるので、非常に複雑なところですが、小さな一歩でも解決に繋がる何かが生まれることを期待しています。民主党は、これで支持率のアップにつなげたい思惑が見えますが、菅内閣への評価や支持率へ影響することは、限りなくゼロでしょう。>「国民のみなさんにも、改めて極めつきの人権蹂躙(じゅうりん)、>国家主権の侵害の問題について、もう一度強い関心をお持ちいただく契機とし、>拉致問題の真相解明や被害者救出につながるステップとしたい」国民に呼びかけるのもいいですが、呼びかける側の国家が、国家として、どれほどの覚悟を持って挑んでいるのか、頼りになるという姿勢を示すべきではないでしょうか。民主党政権になって、自民党政権以上に拉致問題への取り組みが薄れているように感じてなりません。これをきっかけに本気で取り組んでいただきたいものです。トーイはゴーヤ好き。