『島耕作』弘兼先生が怠惰なジャンプ漫画家に「俺だったら切る」(一部抜粋)「すごく売れているジャンプ系の作家で、連載の最後のころは鉛筆で書いたような作品が掲載されているものがありましたよね。あれって何で許すんですか? 俺が編集者だったら切りますよ。」『課長島耕作』や『常務島耕作』、『専務島耕作』、『取締役島耕作』、『社長島耕作』などを週刊モーニングで連載し、さらにはイブニングにて『ヤング島耕作』を連載している漫画家・弘兼憲史先生が、ジャンプの人気作家に対し、苦言というには厳しすぎる批判の言葉を発言していたことが明らかになった。その発言は、漫画界の大御所が集まった座談会でコメントされたもので、弘兼先生の他に『モーニング』の古川公平編集長、『ビッグコミックオリジナル』の吉野彰浩編集長が同席していた。ジャンプに下書きのような状態で漫画を掲載していた漫画家に対して弘兼先生が本音を漏らし、名前は出していないものの「俺が編集者だったら切りますよ」と発言したのだ。ジャンプには、過去に数人の下書き状態で漫画を乗せた人物がいる。数人とは言っても2〜3人であり、ここ最近であれば1人しかいない。確かに、「なぜそんな状態で漫画を載せるのか?」という怒りにも似た感情は読者としてはあるものの、吉野編集長のコメントのようにファンならばそれでも読みたいという感情があるのも確か。 漫画を下書き状態で載せてしまうこと。その理由は、莫大な印税が手に入り怠惰になってしまった可能性もあるし、精神的に疲れきって描けなくなってしまった可能性もあるし、身の上に何らかのトラブルが発生して漫画の執筆がままならぬ状態になってしまった可能性もある。 しかし、ファンあっての漫画家人生。弘兼先生は、ファンに対する感謝の気持ちを忘れずに仕事を続けていくことを第一としているのだろう。下書き状態で漫画を載せるならば、ちゃんと完成するまで掲載しない。それが弘兼先生の考えのようだ。(サーチナ 2009/10/23(金) 09:00)------------------------------(引用終了)--------------------------- >下書き状態で漫画を載せるくらいなら、ちゃんと完成するまで掲載しない。 >それが弘兼先生の考えのようだ。 作品のファンなら、長期の休載で待たされるより、下書き状態であっても掲載されることのほうが嬉しいのかもしれませんが、限られた時間内で作品を完成させている同業者からしてみれば、下書きの状態で掲載されているというのは納得できないというのは理解できます。数年前、江川達也先生が描いた『仮面ライダーTHE FIRST』が、下書きのような状態で雑誌に掲載された時、島本和彦先生がラジオで、「つっかさぁ…描きたくねえなら描くなよ!」「知り合いの編集者とこの漫画の話したんだけどさぁ、 彼が言うには、『自分だったらこんな原稿受け取らない』って」「マトモな編集者なら、私が編集者なら、こんな原稿叩き返してやりますよ!」と怒っていたのと同じことだと思うんですよ。つまり、二人が言いたいのは、下書きまで出来上がっていて、しばらく待てば完成する原稿をなぜ未完成のまま編集者は受取り、編集部は平気で雑誌に載せるのか、読者からお金を払って買ってもらう雑誌を作る編集者(編集部)としてのプライドはないのか。そして、漫画家もなぜ「完成するまで 待って」と言わないのか、読者に申し訳ないと思わないのか、それで飯を食っているプロとしてのプライドは無いのかということなのでしょう。まぁ、『ハンター×ハンター』の掲載があるかないかで売上がまったく違うそうですから、商売上、編集部は載せているし、下書き状態での掲載であってもファンからの支持があるから、おかしな状態が続いているのではないでしょうか。 しかし『ハンター×ハンター』のような人気が高いマンガなら、ずっと待って完成された状態で掲載したほうが、ファンの人も、もっと喜ぶと思うんですよね。なのに、売上の事を考え下書きの状態でも雑誌に載せてしまう編集者のかげで、今や、掲載されても下書き状態だったことにより、ネット上で話題になっちゃっているので、これは逆に雑誌売り上げに貢献している漫画家に恥をかかせてしまっているんじゃないかとも私は思います。ところで、雑誌に掲載される原稿が下書き状態であっても、1ページの原稿料は完成原稿と同額が払われるものなんでしょうか。もし下書きでも完成原稿と同じ料金ならば、限られた時間内に必死で週刊誌の原稿を完成形に仕上げている同じ雑誌に載っている漫画家は、それこそ納得できてないと思うのですが。