民主「海賊対策」視界不良 他の野党に配慮、方針打ち出せず (1/2ページ)民主「海賊対策」視界不良 他の野党に配慮、方針打ち出せず (2/2ページ)アフリカ・ソマリア沖の海賊対策として海上自衛隊の護衛艦を派遣する政府方針への民主党のスタンスが定まらない。党内の意見集約ができていないことに加え、政権交代時の連立相手と想定している社民党、国民新党が自衛艦派遣に強く反対しているためだ。安全保障論議は、かねてから民主党のアキレス腱(けん)と呼ばれてきたが、海賊対策で、また一つその危うさが露呈した形だ。 自民、公明両党が自衛隊法の海上警備行動による自衛艦のソマリア沖派遣を正式了承したことを受け、麻生太郎首相は近く、浜田靖一防衛相に派遣準備を指示する。防衛相は月内に海自に準備指示を出し、3月には護衛艦が派遣される見通しとなっている。 これに対し、野党では共産党に加え、社民、国民新の両党が「一義的には海上保安庁で対応すべきだ」などと反発している。 23日には両党の幹事長が、民主党の鳩山由紀夫幹事長に「反対」で共同歩調をとるよう求めた。鳩山氏は野党共闘を重視し、「できる限り一致していけるように努力していきたい」と応じた。だが、鳩山氏の言葉をそのまま実現するのは容易ではない。民主党は保守系からリベラル派まで幅広い意見を抱えており、公式見解をまとめようとしても意見調整が難しいからだ。皮肉なことに、自衛艦派遣問題の発火点となったのは、民主党議員の国会での質問だった。 昨年10月17日の衆院テロ防止特別委員会で民主党の長島昭久氏は、「海上保安庁の巡視艇がソマリア沖の海賊対策に当たるのは困難」との趣旨の答弁を政府から引き出したうえで、「自衛隊艦艇のエスコート(護衛)は海賊対策にかなり効果がある」と提案したのだ。 首相は「こういったご提案をいただけるのは、ものすごくいいことだ」と両手を挙げて歓迎した。 ところが民主党内ではその後、海賊対策論議は遅々として進まず、政府・与党の対応を遠くから眺めているだけの状況だ。 長島氏のアイデアも党内議論にはならず、鳩山氏は23日の記者会見で「なぜ海上保安庁じゃだめなのか、なぜ自衛隊なのかというところが、判然としていない」と長島質問を否定するかのような姿勢もみせた。 党内の幹部の一部は、海賊問題に関心すらない。 昨年中のソマリア沖の海賊事件は100件を超え、23人の乗組員が乗った日本郵船の大型原油タンカー「高山」が小型不審船から発砲を受け被弾した事件も含め日本関係船舶関連では3件の海賊事件があった。 ところが、民主党の平田健二参院幹事長は20日の記者会見でこんな驚くべき発言をしてみせた。 「海賊というのは漫画で見たことはあるが、イメージがわかない。ソマリア沖で、日本の船舶が海賊から襲撃を受けて被害を受けたということがあったのか」 同党の安全保障政策の不安な一面を、浮き彫りにしているといえそうだ。(産経新聞 2009.1.25 20:16)-----------------------------(引用終了)---------------------------->「海賊というのは漫画で見たことはあるが、イメージがわかない。>ソマリア沖で、日本の船舶が海賊から襲撃を受けて被害を受けたということがあったのか」確かに「海賊」と聞くと、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』みたいなのを思い浮かべますが、あれは昔の海賊の姿であって、今は、テロリスト同様に兵器で武装した集団ですから、マンガや映画のイメージとかけ離れています。まあ、イメージの問題はともかくとして、ソマリア沖の海賊から船舶を護衛するために海自をと、民主党の長島議員や麻生首相が主張し議論が活発になったとき、新聞やニュースでは、海賊に対しての現状を解説していたのですが、民主党の平田議員は、新聞を読んだり、ニュースを見たりしてないんでしょうか。(ただ単に、安全保障に関しての話題には興味がないのかもしれませんが。)少なくともこのような意見が出てくる民主党は、「党内の意見集約」よりも先に、「海賊問題」の勉強会を実施するべきではないでしょうか。それにしても、民主党は、保守からお花畑左翼まで党内の考え方がバラバラで、外交・安全保障・防衛の立つ位置がハッキリとしませんが、国益というのは、経済の他にも、外交・安全保障・防衛も含まれています。民主党は次の選挙によって政権をとるのでしょうが、海賊対策ですら党内の意見がまとまらないのでは、政権獲得後に、外交・安全保障・防衛をどのように取り組むのか、一抹の不安を感じます。これまでの自民党政権でも、外交・安全保障・防衛に関しては大丈夫なのかと感ずることが多いだけに、民主党政権下で、それ以下にならないことを願うばかりです。