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2008年12月06日(土) 人の弱みに付け込んだ非常に卑劣な犯罪

大阪の友梨さん不明「助けられる」と7000万円詐取 2人を逮捕 (1/2ページ)
大阪の友梨さん不明「助けられる」と7000万円詐取 2人を逮捕 (2/2ページ)

大阪府熊取町で平成15年5月、下校途中に行方不明になった
当時小学4年生の吉川友梨さん(14)の家族に、
「友梨さんを助けた。犯人から奪回した際に費用がかかった」などと持ちかけ、
現金をだまし取ったとして、府警捜査1課と泉佐野署は6日、
詐欺の疑いで堺市内のいずれも無職で自称、中谷浩氣容疑者(39)と
川上佳代容疑者(38)を逮捕した。

 2人は容疑を否認しているという。
中谷容疑者らは4年間で友梨さんの家族から総額約7000万円を詐取したとみられ、
捜査1課は、娘を救い出したいという家族のわらにもすがる
心情につけ込んだ悪質な犯行とみて追及する。

 調べでは、2人は共謀し16年7月、友梨さん宅に電話し、
川上容疑者が「私の弟も誘拐されたが助かった。
助けてくれた男の人を紹介する」と持ちかけた。
さらに、堺市内の駅を待ち合わせ場所に指定して友梨さんの家族を呼び出し、
中谷容疑者が「友梨さんを助けるには現金が必要」
などとして現金10万円をだまし取った疑い。

また、友梨さんを装って家族に電話するなどして信用させ、
友梨さんを救出したように見せかけていたという。
さらに中谷容疑者は「友梨さんを助け、今は安全な場所にいる。
犯人から奪い返した際に費用がかかった」などと
現金の要求をエスカレートさせ、その後も友梨さんの交通費や
生活費を名目に金を繰り返しだまし取ったとみられる。

 2人が今年までの4年間で家族から詐取した金額は総額で
計7000万円にも及ぶといい、家族は子供たちの学資保険を
切り崩すなどして資金を工面していたという。

 友梨さんは15年5月20日午後3時ごろ、
熊取町七山で遠足から下校途中、自宅から約400メートル離れた
場所で目撃されたのを最後に行方が分からなくなった。
府警は何者かに連れ去られたとみて、未成年者略取誘拐事件として
泉佐野署に捜査本部を設置し行方を捜査している。

(産経新聞 2008.12.6 13:34)


4年以上470回振り込ませる…「友梨さん保護」詐欺

本人装うメールも

「友梨さんは何者かに三重県内に連れ去られ、そこで生活を送っている」
「犯人と引き渡しの交渉をしなければならない。救出には時間がかかる」。
中谷容疑者らは、そう言うなどして約470回にわたって次々と金を振り込ませた。

 父親には、「保護」の連絡さえなされた。
「友梨さんは心に深い傷を負っており、今、会うと逆効果になる」
「落ち着かせるために静養している」。
中谷容疑者らは言葉巧みに、父親の再会への願いをかわしていたという。

〈九州のテーマパークに連れてきてもらったよ〉
 やがて、父親の携帯電話には「友梨さんから」と偽り、
そんなメールまで届いた。メールには、
友梨さんの顔写真が添付されていることもあったが、捜査関係者によると、
公開された写真を、携帯電話のカメラでぼかして撮影したとみられるという。

 一方で、中谷容疑者らは事件発覚を防ぐため、
父親が警察に不信感を持つように仕向けてもいた。

 「警察の捜査力では発見できない」「警察は身内を疑っている」。
何度もそう聞かされた父親は、自由に使える資金が底をつくまで
誰にも相談せず、金を払い続けた。

 長期間、事件を察知できなかった捜査員は、
「信頼関係を再構築したい」と苦渋の表情を浮かべた。

            ◇

 友梨さんの両親は失跡以来、捜査の進展を待つだけでなく、
あらゆる手段で娘を捜し続けてきた。

 失跡の12日後、初めて記者会見に臨んで以降、
報道各社の取材に連日応じた。2003年9月には、
「超能力者」が行方不明者を捜すテレビ番組にも生出演し、
情報提供を呼びかけた。さらに、友梨さんの写真を載せた
ポスターとビラを自費で作製し、地元住民らとともに街頭で配布した。

 その姿が目について狙われたのか。中谷容疑者らが言い寄ってきたのは、
両親らによる必死の活動が1年余り続いた頃だった。

(読売新聞 2008年12月6日)


-----------------------------(引用終了)----------------------------

ニュースを聞いて、久しぶりに、はらわたが煮えくり返りましたよ。

もしかすると両親は、この容疑者が詳細をほのめかしたり、

保護したと成りすましメールや写真を送信してきたということは、

この騙していた容疑者が犯人に一番近い人物だと考えたり、

もしかしたら誘拐犯であることを隠して、

身代金の要求をしてるのかもと深読みして、

お金を払い続ける心理になっていたのかもしれません。

オレオレ詐欺にも引っ掛かる人が多いのですから、

長年探し続けている愛する娘の命がかかっていることと、

そこへ、さらに捜査の進展のなさに焦ったり幻滅していることも加えれば、

大金だって出してしまうのは親心として仕方のないことなのかもしれません。

行方不明事件には、怪しい霊能者や超能力者などが

自宅に尋ねてくることもあるそうですが、

どんな些細な情報でもいいと、

藁にもすがりたいという気持ちを巧みに利用して、

他人の不幸に付け込む卑劣な奴ら。

きっと、お金を払い続ける両親のことをあざ笑いながら、

ギャンブルに興じたりと生活していたのでしょう。

“最も低い”と書いて「最低」の人間です。

むしろ人間の皮をかぶった鬼畜ですよ。

両親の気持ちをもてあそんで絶望に突き落とすのは、

ある意味、殺人と同レベルの犯罪であり、

こんな卑劣なヤツラを単純な詐欺罪で裁いてしまっていいのでしょうか。









名塚元哉 |←ホームページ