<暫定税率復活>渦巻く不満と歓迎…1カ月振り回され失効からわずか1カ月。租税特別措置法改正案が30日、衆院で再可決され、ガソリン税などの暫定税率が復活した。1日以降、店頭のガソリン価格上昇は必至だ。「車を手放せということか」「政党の都合で振り回されてばかり」。生活必需品の値上げが続く中、暮らしへの重しがまた一つ増え、ドライバーの口からは次々と不満が漏れる。一方、道路財源の確保に光が差した地方自治体や建設業界からは歓迎の声も聞かれた。(以下省略)(毎日新聞 4月30日21時27分)<道路財源>13日に再可決…政府・与党方針政府・与党は30日、道路特定財源を10年間維持する道路整備財源特例法改正案の衆院での再可決を、5月13日に行う方針を固めた。複数の与党幹部が明らかにした。 特例法改正案は5月12日から再可決が可能となる。政府・与党は13日の火曜日だと衆院本会議の定例日に重なるため、「野党から強引に本会議を開いたとの批判はかわせる」(与党幹部)と判断した。(毎日新聞 5月1日2時31分)-----------------------------(引用終了)----------------------------暫定税率は戦後から高度経済成長期にかけ拡張された道路整備費用に多くの財源が必要となり、苦肉の策として考案された仕組みでした。「暫定」の意味は、臨時や仮といったような応急処置的な意味合いです。例えば、事故に巻き込まれ大怪我をして、応急処置だけで何十日も過ごす怪我人はいません。応急処置は臨時のものであり、病院で正式な治療を行うように、最初は暫定的措置として引き上げられた税率が、その後も暫定措置の期間延長という不思議な言葉で既成事実化され長期化して、応急処置が30年以上も続いているのは異常です。暫定税率が廃止されると約2兆7千億円の財源が減ると予想されており、国や地方公共団体の予算や、各地の道路整備に大きな影響が出ることは避けられず、必要な場所に道路が出来ないなど、そのことについては多くの国民も理解しています。それでも、政府は「暫定」という一時処置的な意味合いの言葉を既成事実のように使い続けているのでしょうか。日本にもう必要がないほど道路が行渡るまで「暫定」なのでしょうか。わたしは、政府なりマスメディアが別な言葉を生み出し、「暫定」というような言葉のゴマカシから、まず止めるべきだと思います。そして、今回の与野党のせめぎ合いにも辟易しています。まず、3月に福田首相が道路特定財源の一般財源化を主張した時、民主党を含めた野党は、福田首相から次の内閣に移っても、前言が撤回されないよう「道路特定財源の一般財源化」を確約させるという行動を取らなかったのでしょうか。それすらせず、国民不在だのと喚き散らしても、ただの見え透いたパフォーマンスとしか思えません。また、一般財源化さえすれば、政・官・業の癒着による無駄使いが、無くなるという事もありえません。必用な道路はまだまだ有るのも事実なのですから。本来であれば、必要と不必要の線引きをして、どうすれば道路特定財源を無駄使いさせないシステムを作るかという議論こそが重要だったのではないでしょうか。道路特定財源を無駄使いされないシステムを作り、そこから余った税金を他の分野でどう有効活用するのか、政治家にこそ、感情的にならず理性的な議論を行ってほしかったものですが、それらの事を真剣に考えないで、一般財源化さえすれば、まるで無駄使いが無くなるようなまやかしの議論ほど無責任極まりないものはありません。