光母子殺害事件で本村さん「死刑判決出ると信じている」山口県光市で99年に起きた母子殺害事件で殺人、強姦(ごうかん)致死、窃盗の罪に問われた元少年(27)の差し戻し審判決が22日に広島高裁で言い渡されるのを前に、事件で妻子を奪われた会社員本村洋さん(32)が19日夜、光市内で記者会見した。「9年は長い歳月だったが、遺族全員の希望だった死刑という判決が出ることを信じている」と話した。 焦点となる量刑について「死刑でも無期でもいずれも重い判決だと思っている」と発言。無期懲役の場合の「重さ」について「社会も遺族も『(各判決が)なぜこれほどまでに揺らぐのか』と司法に対する不信が募ると思う」と述べた。また、死刑判決だった場合の重さを「厳罰化が進むだろう」とする一方、「判例主義はよしとしない。個別の事案で世情に合った判決を出す司法になってくれれば」と語った。 元少年については「反省にまだ真剣さが足りない」と話した。そして「死刑が内省を深める契機になると思っている。死刑以外で生き永らえるより、胸を張って死刑を受け入れ、社会に人を殺(あや)めることの愚かさを知らせるのが彼の役割」と述べた。 この事件では一審と同じく無期懲役とした二審判決を、最高裁が「死刑の選択を回避するのに十分な、特に酌むべき事情があるかどうか審理が尽くされていない」として破棄。死刑を求める検察側が「年長少年による計画的な強姦目的の殺人」としたのに対し、弁護側が「精神的に未成熟な少年による偶発的な事件」と主張して争っている。 (朝日新聞 2008年04月19日)山口・光の母子殺害:本村さん「判決が真実と思って生きる」山口県光市の母子殺害事件の差し戻し控訴審判決が22日に広島高裁で言い渡されるのを前に、遺族の本村洋さん(32)が19日夜、光市内で会見。本村さんは「死刑判決を遺族全員が信じている。だが、判決が死刑でも無期懲役でも、それが真実だと思って生きていく」と話した。 元少年に死刑を求めてきたことについては「人を殺した者は命をもって償うべきだが、それが正しいか今も葛藤(かっとう)している」と打ち明け「死刑制度について訴えることは、社会に命の重さを伝える機会になると信じている」と語った。(毎日新聞 2008年4月20日)-----------------------------(引用終了)----------------------------差し戻しされた時点で死刑になる確率が高いのですが、時間が経つにつれ、死刑なのか無期懲役なのか、どのような判決が下るのか判らなくなってしまいました。本村さんが会見で述べたように、>「判例主義はよしとしない。>個別の事案で世情に合った判決を出す司法になってくれれば」この裁判の判決が死刑だった場合、これまで用いられてきた永山基準を覆すからです。わたしは、過去の似たような事件の判例に照らしあわすことなく、個別の事案で判断を下し判決を出すべきだと思っていますが、判例主義に縛られすぎている今の司法が、この縛りから脱却する勇気を持つかどうか微妙だからです。本村さんが望む刑が言い渡されることを望みます。ブラックジャック