フジ系の『報道2001』で、中曽根康弘氏と阿川弘之氏の対談が放送されていて、ああそういえば、この日記で、阿川弘之氏の新書『大人の見識』(新潮新書)を紹介していなかったことに気付きました。『大人の見識』の帯には、「軽躁なる日本人へ 急ぎの用はゆっくりと 理詰めで人を責めるな 静かに過ごすことを習え」の文字が書かれているので、最初は『女性の品格』のような、見識のある大人としての生き方についてアドバイスのようなことが書かれた本だと、勝手に思い込みつつ読んでみたら、阿川氏が想う見識があった過去の知識人たちの言葉や本を紹介し、それについての見解を述べたり、阿川氏の海軍時代の想い出などを書き綴った個人的懐古談ではありましたが、叡智や見識を育むヒントが散りばめられている一冊ではないでしょうか。とくに最終章の「温故知新」については、なるほどと唸らされました。ところで、帯に書かれていた急ぎの用はゆっくりと。理詰めで人を責めるな。静かに過ごすことを習え。この三つの言葉ですが、分かっちゃいるけど、なかなか実践出来ないんですよね。