新聞“ネット戦争”本番 自社記事配信、模索する各社日本経済新聞、朝日新聞、読売新聞という報道で激しい競合関係にある全国紙3紙がネット事業と販売分野で提携した背景には、新興ネットメディアへの不満とネット時代に対応しきれていない焦りがかいま見える。 会見で朝日の秋山耿太郎社長は、「ヤフーやグーグルなどが流しているニュースの多くは新聞社の取材によるもの」と述べ、「新聞社の役割、影響力をもう一度多くの方に認識してもらう」などと提携の理由を語った。 ネット上のポータル(玄関口)サイトは複数メディアのニュースを集めて掲載するが、自前で取材して1次情報を流すところは皆無だ。それなのに、多くの広告を集めて大きな利益を得るのはポータル側だ。 一方で、多数の記者を抱え、宅配制度を維持するには相応の費用が必要だ。「すべてをネット配信すればいいのでは」という記者の質問に、日経の杉田亮毅社長は「そうできないところで苦しんでいる」と率直に答えた。 無料ですべての記事をネットに流しても割りに合う事業モデルは、ネット先進国の米国でも確立してない。事情は日本でも同じで、3社の軸足はネットより紙媒体にある。販売事業分野の提携がそれを証明している。 会見ではサイトの詳細は明らかにされなかったが、創設する共通サイトには情報量を限定した記事を載せ、記事全文を掲載した紙媒体に誘導する手法を取るとみられる。 こうした考えと一線を画し、ネット事業に臨んでいるのが産経新聞だ。1日から始まったMSN産経ニュースは紙媒体の締め切り時間にとらわれず、紙媒体以上の内容をネットに盛り込む。 例えば、1日に速報した秋田の連続児童殺害事件の公判の模様「秋田法廷ライブ」は、新聞紙上では掲載されない法廷でのナマのやりとりを速報。視聴者の多いヤフーに掲載されたため、MSN産経ニュースを含むグループサイトへの閲覧者数は許容量を超え、システム障害の一因となるほど加速度的に増加した。 紙媒体は分量や時間的制約が多いが、ネットにはない。MSN産経は記事、写真、関連情報などをふんだんに盛り込み、すべての情報に触れられる「ウェブ・パーフェクト」の実現を目指す。 一方で、紙媒体ではどの記事が重要かひと目で分かる優れた一覧性を生かして、効率よく、世の中の動きを把握できるように工夫を凝らす。 「詳細は紙面で」という紙媒体優先の姿勢と、「スクープもネットに流すウェブ・ファーストに、紙面では情報を効率よく」という設計思想の違いは歴然だ。 どちらが読者に親切で、経営的にどちらが有効かは分からない。だが、新聞社のネットへの取り組みは、否応なく第2幕に突入した。-----------------------------(引用終了)----------------------------> 会見で朝日の秋山耿太郎社長は、「ヤフーやグーグルなどが流している>ニュースの多くは新聞社の取材によるもの」と述べ、>「新聞社の役割、影響力をもう一度多くの方に認識してもらう」などと>提携の理由を語った。新聞社の役割や影響力をもう一度再認識させたいと言えども、ようは何だかんだと言いつつも、拡大普及するネットによって、本来得るはずであった新聞社のウェブ版の広告収入は、ニュースを集めて紹介しているだけのポータルサイトに持っていかれるは、ネットで読めるなら紙の新聞は取らなくてもいいやと部数減になるなど新聞社は四面楚歌状態になっていますから、堂々と談合しちゃいますと宣言したにすぎません。 ネットで各新聞社の記事、しかも逐一更新され新しくなっていく情報が無料で読める現在において、紙媒体の新聞に価値が有るのだろうかと疑問に感じる時があります。ただ、ネットが出来ない高齢者などのことを考えると、情報格差(情報弱者)が生まれてしまいますので、家庭に配られる紙媒体の新聞はまだ必要ではありますが。 各家庭にネットが普及した以上、有料の紙媒体の新聞がネットを巻き返すことは、とても難しいことでしょう。IT先進国のアメリカや韓国でさえ、大手新聞社はあれこれと新しい試みを模索していますが、成果が上がらず苦戦続きのようですから、 効率化で収益率を上げる事は可能でも、紙媒体の新聞は、発行部数は下がる一方で緩やかな死を待つのみなのかもしれません。もしかすると、20年後ぐらいには紙媒体の新聞は、ITが普及しつくしたことや森林保護のために無くなっていることも有りえます。 ところで、新聞社はネットにこれまで以上に力を注ぐのであれば、サイト内の記事をせめて1〜2年ぐらいは残してくれる助かります。今は、どの新聞社サイトも最短で1週間から最長で1ヶ月ほどで、記事そのものが消えてしまうので、時系列や長期でソースを残しておいた方が良いと思われる重要な記事は「ウェブ魚拓」で保存しなければなりませんので。