ネット言論を見ていますと、安倍首相が辞任したのは、「野党や大手既成メディアのせいだ」と言う声も多く見られます。が、果たしてそうなのでしょうか。安倍首相に限らず、これまでの首相も、野党は与党や政権に対して常に攻撃を仕掛けるのは当然のことですし、メディアが政治家のスキャンダルを追求しないことはありません。 閣僚達の失言であれ政治とカネの問題であれ、誰が首相であっても出てくるときは、出てきてしまう問題でもあるので、野党やメディアの批判や追求が虐めに近い状態だったと言っても、安倍首相がスピーディーに対応していれば、追求の火が大きくなることはありませんでした。ところが、迷いが生じたのかなんなのかは分かりませんが、次から次にとふって湧いた問題の対応に迷走してしまいました。これでは国民も決断力やリーダーシップが無いと判断してしまうのは仕方ありません。 (今回の辞任もタイミングが「?」だけに、さまざまな憶測を呼んでしまっています。) 以前、小泉前首相が安倍首相に「鈍感力を持って」とアドバイスしたように、野党やメディアからの執拗な批判や追求の中から、必要なものだけを聞き、それ以外は雑音としてシャットアウトできる鈍感力という名の打たれ強さがあれば良かったのですが、安倍首相の性格が真面目(純粋とも言う)だったがゆえに、処理対応の判断に迷いが生じている内に火種が大きくなったり、無視すればいい雑音まで全て受け入れてしまった。その結果、精神的・肉体的に破綻をきたしてしまったのではないでしょうか。 小泉前首相は、メディアを敵に回し、中国・韓国・北朝鮮を敵に回し、自衛隊派遣や靖国参拝で特定の思想の市民を敵に回し、道路公団や郵政民営化の構造改革では族議員と既得権益層を敵に回しと、これらの方面からのバッシングは凄まじい物がありましたが、取るに足らない雑音はどこ吹く風とばかりに、ぜんぜん気にしていないようでしたから、安倍さんの首相辞任を受けて、首相を務めるには、いい意味においての「図太さ」や「ふてぶてしさ」も多少は必要なのではないかと感じてしまいました。まぁ、細かいことは振り払える鈍感力は必要ですが、ただ単にどんなことに対しても鈍いだけの鈍感力は困りものですけどね。マカロンちょうだい!