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2007年09月13日(木) 官僚と記者クラブ

産経新聞 【正論】安倍首相辞任 屋山太郎 真意理解されなかった改革
(一部抜粋)

≪「天下り根絶」への抵抗≫

 第1は「戦後レジームからの脱却」を望まない勢力が意外に多かったということだ。
とくに朝日新聞は論調、記事ともに「反安倍ビラ」の趣を呈し、
紳士の皮を被ったヤクザ的言論に終始した。
「日の丸・君が代反対、護憲」の朝日は安倍政権にことごとく反抗した。
マスコミの世論誘導の恐ろしさを感じた。

 第2は公務員制度改革に密かに反抗する官僚たちを敵に回したことだ。
公務員法の改正は人材バンク(官民人材交流センター)の設計と公務員への
民間並み労働法の適用−といった作業が残っており、
次期通常国会に公務員制度改革基本法が提出される段取りだった。
 この基本法が理想的な形でまとめられると、
官僚の「天下り根絶」が実現することになる。
独立行政法人、特殊法人などが160もあるが、
これらは天下り受け入れのために作られた受け皿ポストにすぎない。
仕事もないのに年2000万〜3000万円をふんだくる
“汚職ポスト”だが、これらの法人は設立の根拠法を持っている。

 松岡利勝氏を自殺に至らしめた「緑資源機構」も年金資金をドブに捨てた
グリーンピアもすべて法に則って設立されたものだ。
官僚の利益を図るために立法府の議員がお手伝いし、
その利権のおこぼれを政治家がいただくという図式だ。
この姿は明治以来の、官僚が行政府のみならず立法府をも握るという
「官僚内閣制」の姿にほかならない。安倍首相の目論んだのは
「天下り根絶」によってこの官僚内閣制を終わらせ、
憲法のうたう「議院内閣制」を確立しようとするものだった。


 残念ながら安倍氏の真意を古手の政治家や閣僚が理解していたとは言い難い。
「官僚をうまく使うのが政治家の手腕」「官僚を痛めつけてはいけない」と、
麻生太郎幹事長も与謝野馨官房長官もいう。
官僚と政治家の関係を改めてこそ、民意に沿う政治が行われると知るべきだ。
選挙の洗礼を受けない官僚が政治をやるとは言語道断なのである。
 新総裁はこの道理を自覚して、是非とも公務員制度改革を実現してもらいたい。

残念ながら安倍氏の真意を古手の政治家や閣僚が理解していたとは言い難い。
「官僚をうまく使うのが政治家の手腕」「官僚を痛めつけてはいけない」と、
麻生太郎幹事長も与謝野馨官房長官もいう。
官僚と政治家の関係を改めてこそ、民意に沿う政治が行われると知るべきだ。
選挙の洗礼を受けない官僚が政治をやるとは言語道断なのである。
新総裁はこの道理を自覚して、是非とも公務員制度改革を実現してもらいたい。


-----------------------------(引用終了)----------------------------

公務員制度改革は多くの国民から賛成のコンセンサスが得られるでしょうから、

この改革実行は評価されるべきはずでしたが、

ところが公務員制度改革に着手していたことさえ知らない人も、

まだまだ多いことを考えると、この話が大手既成メディアから

ほとんど発信されていなかった事が原因なのですが、

やはり、あまり発信されなかった裏には、

官僚とメディアの癒着がかなりあったのではないかと勘ぐってしまいます。

なぜ、このような癒着が存在するのかといえば、

メディア最大の談合組織「記者クラブ」が存在しているからです。

記者は官僚から多くの情報を得るために、

必然的になあなあの仲にならざるを得ませんし、

また、今後も情報を得続けるためには、

できる限りは官僚から反感を買わないように行動しなければいけません。

ですから、公務員制度改革を阻止するために、

官僚の指示通りに動く記者も存在していたことでしょう。

 安倍首相が掲げていた「戦後レジームの脱却」の一つには、

戦後まもなくから日本を陰で支配した官僚の影響力の低下、

ようするに官僚型運営政治からの脱却をすることも含まれていましたが、

今回、安倍首相を辞任に追いやったことで、

記者クラブはさらに官僚に依存し、

政治家は官僚の怖さに歯向えなくなり、官僚が強みを増して、

一時陰りを見せかけた官僚政治は完全に息を吹き返したかもしれません。

 白洲次郎氏も戦後復興に奔走したときに、

己の利権のために邪魔をする官僚達にかなり苦労していたように、

官僚と対峙するには相当に強い志が必要となってくるのですが、

現在は官僚に加え記者クラブまでが邪魔をして掛かってくるので、

官僚政治の打破は難しくなっていることには間違いありません。

 外交ジャーナリストの手嶋龍一氏が、

女性向けファッション雑誌『Domani』の今月号(10月号)のコラムで、

「メディアから日々配信されるニュースを神経質に追うのは無駄です」と述べています。

その理由として、
 「日本には限られた記者だけの閉鎖的な記者クラブがなお存在しています。
 実は日本以外では、アフリカの独裁国家にしか存在しない談合システムです。
 そんな場所から発信される情報と真剣につきあう必要はありません。
 お役所的なニュースには、本当に読者の視点にたった情報などあるわけがない。
 (中略)
 ですから受け手としては、ニュースの“行間”を読み取り、
 真に大切なことをつかみ取るため、自分を鍛えていかなければなりません。」


こう述べられていたように、談合組織の官僚や記者クラブに

騙されないためには、自分を鍛え上げるしかないでしょう。


マカロンおいしそう・・・。







名塚元哉 |←ホームページ