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2007年09月03日(月) 遠藤農相1週間で辞任

遠藤農相:補助金不正問題で辞任 野党、首相問責決議案も−−後任に若林前環境相

◇共済組合不正「政治不信与えた」

 遠藤武彦農相(68)は3日午前、首相官邸で安倍晋三首相と会い、
自ら組合長を務める農業共済組合の補助金不正受給の
責任を取り辞表を提出、受理された。
農相は辞任を否定していたが、首相官邸と与党が参院の与野党逆転下で
問題が長引けば政権に致命的な打撃となりかねないと判断したことで、
辞任に追い込まれた。安倍政権での閣僚交代は5人目。
内閣改造で政権立て直しを図ろうとした首相は出はなをくじかれ、
一層の求心力低下が免れない事態となった。
野党は参院での首相問責決議案提出の検討も含め、政権追及を強める。

 農相は辞表提出後、農林水産省で記者会見し
「国民の皆さんに政治に対する不信を与えた」と辞任理由を述べるとともに、
不正受給した補助金のうち国の直接負担分約50万円を返還したことを明らかにした。
問題発覚後の1日の会見では辞任を否定していたが、
自身の問題で省の職員が忙殺される姿を見て
「こういうことをさせてはいけないと思った」という。

 一方、自らが組合長を務めていた「置賜(おきたま)農業共済組合」
(山形県米沢市)が国の補助金を不正受給した問題については
「詐取、着服などは一切ない」としたうえで、会計検査院の指摘から3年間、
不正受給分を返還しなかったことに関しては
「県や会計検査院に再々うかがいを立てたが、具体的な指示はなかった」と釈明した。

 安倍首相は3日午後、「(農相からは)『補助金、交付金を執行する
立場として厳正中立でなければならない。自分が長を務める組合で不適切な
受給があったことにかんがみ、辞任したい』と申し出があった。
私は『分かりました。残念です』と申しました」と首相官邸で記者団に語った。

 与謝野馨官房長官は同日午前の会見で、
農相辞任について「たまたまこういうことが
見つかったということは残念なことだし、責任を感じなければならない。
二度と起こらないように十分なチェック体制を
考えていくことで責任を果たしたい」と述べた。
首相の任命責任については「国民生活を守るために地道な仕事を
続けていく決意が必要だ」とかわした。

 問題となった置賜農業共済組合は99年、
自然災害による農作物被害などを補償する公的保険制度「農業共済」申込書を
偽造するなどして105戸分を水増し請求。
補助金を本来よりも約115万円多く受給した。
会計検査院は04年にこの不正を指摘していたが、
同共済組合や山形県も具体的な対応をせず、
会計検査院が今年5月に改めて問題を指摘し、水増しの事実を確認したという。

 遠藤農相は68歳。山形県議などを経て衆院山形2区選出で当選6回。
自民党山崎派に所属し、今回の安倍改造内閣が初入閣だった。

 ◇後任に若林前環境相−−農水官僚出身、「手堅さ」重視
(以下省略)

(毎日新聞 2007年9月3日 東京夕刊)


スポニチ 8月29日遠藤農相“農水だけは本当に嫌だった”

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「誰だって叩けばホコリは出る」という言葉がありますが、

出てくる埃の量が多いか少ないかの違いだけで、

埃の出ない議員なんて存在しないでしょうね。

 根本的に農政大臣という役職は、WTOの問題などもあって、

長年、農政に携わった詳しい人でないと務まらないそうなので、

どうしても農水族議員の起用になってしまうのでしょうが、

族議員というのは、けっきょくのところ関連する団体と

癒着した関係にならざるを得ないようですし、

またそういった団体は裾野が広いことでもあるので、

身体検査をすれば何らかのホコリは出てくるものなのでしょう。

 辞任のきっかけとなった問題は99年に水増し請求(詐欺)をして、

それが3年前に会計監査院に指摘されて遠藤氏自体も知っていた、

つまり公になっていたという問題なのに、

安倍首相や身辺調査をやった政策秘書などは、

どうして分からなかったのか疑問です。

ただ単に調査基準が甘かったのか、

もしくは情報が届いていなかったということも考えられますが、

安倍首相や側近に情報が届かなかったのだとすれば、

情報が届かないように官僚や、

農水改革が進むと甘い汁が吸えなくなる人が邪魔をしているのでしょうか。

どちらにせよ、再出発後すぐに大臣の辞任となっては、

今後も政権運営を続けることが一段と難しくなってしまったことは確かでしょう。

 ところで、このような問題が発覚するたびに、

大手既成メディアが辞任を要求するだけの安易な報道に終始したり、

政権側も辞任して有耶無耶にするこのような状況が繰り返される限りは、

あらゆるトップに立つ者たちの間には、

「発覚したのはたまたま運が悪かっただけ」という空気が流れるだけで、

これから先も補助金の不正受給そのものを無くせるような

抜本的な解決策が出来るということはないのではないでしょうか。












名塚元哉 |←ホームページ